はじめに
中古のランドクルーザー200系(以下、ランクル200系)を探し始め、あなたはいま、ある重要な岐路に立たされているはずです。
中古車情報サイトには「前期」「中期」「後期」という言葉が並び、それぞれ価格帯も異なります。特に2011年(平成23年)12月以降の「中期モデル」は、前期モデルより数十万円から百万円以上も高価ですが、多くの専門店やオーナーから「狙い目」だとささやかれています。
しかし、一見するとマイナーチェンジに過ぎないその違いは、非常に微妙に見えます。「本当にただのフェイスリフトではないのか?」「具体的に前期型との違いはどこにある?」その変更点に、その価格差を支払う価値があるのか?
安い前期型を選んで「やっぱり中期にしておけば…」と後悔したくない。かといって、よく理解できない変更点のために余計なお金を払って「後期型」との価格差に悩むのも避けたい。
この記事は、あなたのその全ての疑問を解消するための、ランクル200系「中期モデル」の完全ガイドです。
「大地のコンパス」の専門家として、そしてかつて前期型と同じ2UZ-FEエンジンを搭載したランクル100のオーナーとして、私たちは2011年12月に行われたマイナーチェンジを法医学レベルで徹底的に分析します。
この記事を読了する頃には、あなたが中古車情報サイトで一台のランクル200系を見つけた瞬間、それが前期型か中期型かを即座に見抜き、その個体が秘める性能、長期的な信頼性、そして将来的な維持費の総額まで、すべてを正確に把握できるようになります。
「中期型こそが賢い選択である」という確信を持って、あなたにとって最高のV8ランドクルーザーを選ぶための、決定的な知識がここにあります。
結論:ランクル200系 中期型が「最も賢い選択」である3つの理由

ランクル200系の中古車選びにおいて、なぜ2011年12月以降の中期型が「狙い目」であり「最も賢い選択」と断言できるのか。その理由は、以下の3つの決定的な進化に集約されます。
理由①:別物の心臓。新世代エンジン「1UR-FE」の圧倒的優位性
これが最大の理由です。中期型へのモデルチェンジは、単なる改良ではなく「心臓移植」でした。
前期型の4.7L V8「2UZ-FE」エンジンは、10万kmごとに高額なタイミングベルトの交換が必要でした。しかし、中期型から搭載された新世代の4.6L V8「1UR-FE」エンジンは、高耐久なタイミングチェーンを採用。これにより、オーナーは将来的な数十万円のメンテナンス費用と、ベルト切れのリスクという不安から完全に解放されました。この1点だけでも、中古車としての価値は計り知れません。
理由②:先進技術と豪華さの「幕あけ」
ランクル200系が「最強のオフローダー」から「最高級のラグジュアリーSUV」へとその地位を確立させたのは、まさにこの中期型からです。
オフロード性能をインテリジェント化した新技術「マルチテレインセレクト(MTS)」が初めて導入され、同時に、現在もフラッグシップとして知られる最上級グレード「ZX」が新設されました。20インチホイールやエアサスペンションといった豪華装備は、前期型には存在しなかった「新しい世界観」を200系にもたらしました。
理由③:後期型より遥かに手頃な「中古価格」
驚くべきことに、2015年からの後期型(最終モデル)に搭載されているパワートレインは、この中期型と全く同じ4.6L V8「1UR-FE」エンジンと6速ATです。
後期型の高額な中古価格は、主に最終デザインのフェイスリフトと、先進安全装備「Toyota Safety Sense P(TSS-P)」に対するものです。つまり中期型は、「現代的な走行性能と信頼性を備えた完成されたV8パワートレイン」を、後期型よりも数百万円も手頃な価格で手に入れられる、完璧な「スイートスポット」なのです。
ランクル200系「中期型」とは?前期・後期との明確な違い

ランクル200系は、2007年から2021年までの約14年間という非常に長い期間販売されたモデルです。その歴史は、大きく分けて「前期」「中期」「後期」の3つの世代に分類されます。
この区別を正確に理解することが、中古車選びの第一歩です。
モデルライフの全体像:前期・中期・後期の定義(2007年~2021年)
3つの世代は、主にパワートレインの刷新(2011年)と、先進安全装備の搭載(2015年)という2つの大きなターニングポイントによって区分されます。
表1:ランドクルーザー200系 世代別(前期・中期・後期)の主要変遷
| 世代 | 製造期間 | 型式 | エンジン | トランスミッション | 主要な新技術・装備 | 外観の特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 前期型 | 2007年9月~ 2011年12月 | UZJ202W | 2UZ-FE (4.7L V8) | 5速AT (5 Super ECT) | ・クロールコントロール ・サンルーフ設定なし | ・初期デザイン ・シンプルな4本グリル |
| 中期型 | 2011年12月~ 2015年8月 | URJ202W | 1UR-FE (4.6L V8) | 6速AT (6 Super ECT) | ・マルチテレインセレクト (MTS) ・新グレード「ZX」登場 ・サンルーフ設定可 | ・新デザインの5本グリル ・ヘッドライト形状変更 ・テールランプ意匠変更 |
| 後期型 | 2015年8月~ 2021年3月 | URJ202W | 1UR-FE (4.6L V8) | 6速AT (6 Super ECT) | ・Toyota Safety Sense P ・シーケンシャルウインカー ・マルチテレインモニター進化 | ・大幅なフェイスリフト ・大型ヘキサゴングリル ・LEDヘッドライト |
この表が示す通り、「中期型」とは、型式が「URJ202W」へと切り替わり、新世代の1UR-FEエンジンと6速ATを搭載した、2011年12月から2015年8月までのモデルを指します。
【ワンポイントアドバイス】簡単な見分け方:中古車サイトで役立つ「顔」と「お尻」
筆者の視点:
中古車情報サイトで年式が入り混じったリストを高速でスクロールしていると、どれがどれだか分からなくなってくるものです。そんな時、プロが瞬時に世代を見分けるための「視点」をお教えします。
フロント(顔)で見分ける
前期型(~2011年):
最もシンプルです。メッキの水平バーが4本(またはグレードにより3本)のグリルが特徴です。
中期型(2011年~):
デザインが複雑になります。メッキの水平バーが5本になり、ヘッドライトがグリルに向かって少し「くびれる」デザインに変更されました。
後期型(2015年~):
一目瞭然です。ヘッドライトとグリルが一体化した、現代的な大型デザインが特徴。グリル上部の太いメッキバーがヘッドライトに「突き刺さっている」ように見えるのが後期型です。
リア(お尻)で見分ける
実はリアの方が簡単です。
前期型(~2011年):
テールランプは、ウインカーとバックランプが中央に縦に並んだ、シンプルな赤一色のブロックです。
中期型(2011年~):
テールランプの意匠が変更され、ウインカーとバックランプがL字型(あるいはC字型)にクリアレンズで配置されます。この「クリア部分の形」が中期型の証です。
後期型(2015年~):
テールランプ自体が大型化し、ボディ側面まで回り込むデザインになりました。赤色の面積が非常に大きく、力強い印象を与えます。
この「顔」と「お尻」のパターンを覚えれば、年式や型式を見なくても、一瞬でその車の世代を判別できるようになります。
中核の進化:ランクル200系 中期型の「5大変更点」を徹底解説

2011年12月のマイナーチェンジは、ランクル200系の歴史における最大の変革期でした。デザインの変更以上に、車の「中身」が根本的に入れ替わったのです。その中核となる5つの変更点を、前期型と比較しながら徹底的に解説します。
変更点①【心臓部】:4.7L「2UZ-FE」から4.6L「1UR-FE」へ(最大の変更点)
これが中期型を「狙い目」たらしめる最大の理由であり、最も深掘りすべき変更点です。
前期型:4.7L V8「2UZ-FE」エンジンの特徴と弱点
前期型(2007-2011年)に搭載されていたのは、名機として名高い4.7L V8「2UZ-FE」エンジンです。最高出力は288PS。これはランクル100系やレクサス LX470からキャリーオーバーされたエンジンで、その極太のトルクと圧倒的な信頼性で世界中から愛されてきました。
しかし、このエンジンには設計思想の古さゆえの「弱点」が存在します。
それが、エンジンの回転を制御する「タイミングベルト」(ゴム製ベルト)の存在です。
タイミングベルトは消耗品であり、10万km走行ごとに交換が必須とされています。この交換作業は、ウォーターポンプやテンショナーといった関連部品も同時に交換するのが一般的で、工賃と部品代を合わせると10万円~15万円以上の高額なメンテナンス費用が定期的に発生します。
中古車で前期型を選ぶ場合、この「タイミングベルト交換」が実施済みかどうかは、購入価格を左右する致命的なチェックポイントとなります。
中期型:新世代 4.6L V8「1UR-FE」エンジンの圧倒的実力
2011年12月、中期型への移行と共に、心臓部は新型の4.6L V8「1UR-FE」エンジンへと換装されました。このエンジンは、型式「URJ202W」の象徴です。
技術的な優位性:
排気量は4.7Lから4.6Lへとわずかに縮小(デチューン)されましたが、中身は全くの別物です。吸気側と排気側の両方でバルブタイミングを最適化する「Dual VVT-i」や、より高い圧縮比といった新技術の投入により、最高出力は318PSへと大幅に向上しました。
最大の強み(信頼性):
そして最も重要なのが、この1UR-FEエンジンは駆動方式に「タイミングチェーン」を採用している点です。
タイミングチェーンは金属製であり、タイミングベルトのような定期交換は原則として不要です。これにより、ランクル200系は中古車オーナーにとって最大の懸念事項であった「10万kmごとの高額出費」から、ついに解放されたのです。
【徹底比較】新旧V8エンジン スペック&維持費
この2つのエンジンがいかに異なるものか、具体的なスペックと維持費で比較してみましょう。
表2:新旧V8エンジン スペック徹底比較 (2UZ-FE vs 1UR-FE)
| 項目 | 前期型 (2007-2011) | 中期型 (2011-2015) | 差 |
|---|---|---|---|
| エンジン型式 | 2UZ-FE | 1UR-FE | – |
| 排気量 | 4,663 cc | 4,608 cc | -55 cc |
| 最高出力 | 288 PS / 5,400 rpm | 318 PS / 5,600 rpm | +30 PS |
| 最大トルク | 45.7 kgm / 3,400 rpm | 46.9 kgm / 3,400 rpm | +1.2 kgm |
| トランスミッション | 5速AT (5 Super ECT) | 6速AT (6 Super ECT) | +1速 |
| 10・15モード燃費 | 6.6 km/L | 7.1 km/L | +0.5 km/L (約7.5%向上) |
| 自動車税 (年額) (2019/9/30以前の登録車) | 88,000円 (4.5L超~6.0L以下) | 76,500円 (4.0L超~4.5L以下) | -11,500円 / 年 |
| 主要メンテナンス | タイミングベルト (10万km毎に交換要) | タイミングチェーン (原則、交換不要) | 維持費で圧倒的大差 |
この比較表から分かる通り、中期型は単に速くなっただけではありません。
トランスミッションが5速から6速へと多段化されたことで、よりスムーズで効率的な走行が可能になり、燃費も向上しました。
さらに、排気量が4,663ccから4,608ccへとわずかに小さくなったことで、日本の自動車税の区分が「4.5L超」から「4.5L以下」へと変わり、年間の自動車税が11,500円も安くなりました。これは所有し続ける限り続く、非常に大きなメリットです。
【筆者の視点】元LC100オーナーが語る「タイミングベルト」の重み
筆者の視点:
私は以前、ランクル100系(2UZ-FEエンジン搭載)のオーナーでした。あのV8の野太いトルクと「どこまでも行ける」という信頼感は、何物にも代えがたい体験でした。
しかし、オーナーとして常に頭の片隅にあったのが「10万kmのタイミングベルト交換」という大きなハードルです。それは、愛車が元気であっても必ず訪れる、10万円から15万円の出費を伴う「車検」のような一大イベントでした。中古で購入する際は、その交換履歴を血眼になって探したものです。
ランクル200系の中期型が搭載する1UR-FEは、その呪縛からオーナーを解放しました。タイミングチェーンの採用は、単なる技術的な変更ではなく、「ランクルを中古で買い、長く乗り続ける」という文化において、最も重い経済的・心理的な負担を取り除いたという点で、革命的な出来事だったのです。
年間1万円以上の税金の節約、30馬力のパワーアップ、そして10万kmごとの15万円の出費がなくなること。これらを合計すれば、中古車市場での前期型と中期型の価格差は、数年乗れば「お釣り」が来るほどの価値があると断言できます。
エンジンについてさらに深く知りたい方は、こちらの比較記事もご覧ください。

変更点②【新技術】:オフロード性能の「インテリジェント化」
中期型への進化は、オフロード走破性にも及びました。より「賢く」進化したのです。
マルチテレインセレクト (MTS) の導入
中期型から、オフロード走行を強力にサポートする新技術「マルチテレインセレクト(MTS)」が導入されました。
これは、ドライバーが路面状況に応じてダイヤルを操作するだけで、車が自動的に最適なトラクション制御(駆動力とブレーキ)を行うシステムです。選択できるモードは以下の5つです。
- MUD & SAND(泥、砂地)
- LOOSE ROCK(砂利道)
- MOGUL(モーグル、激しい凹凸)
- ROCK & DIRT(岩と土)
- ROCK(岩石路)
これにより、オフロード走行の経験が少ないドライバーでも、路面に合わせた最適な走破性を引き出すことが可能になりました。
クロールコントロールとの違い
前期型にも、すでに「クロールコントロール」は搭載されていました。この2つの違いを理解することが重要です。
クロールコントロール(前期から搭載):
オフロード版のクルーズコントロールです。「速度」を極低速(5段階)で自動的に維持するシステム。ドライバーはアクセルやブレーキから足を離し、ステアリング操作に集中できます。
マルチテレインセレクト(中期から搭載):
路面状況に合わせて「駆動力(トラクション)」を最適化するシステムです。タイヤの空転をいかに抑えるかを制御します。
中期型では、この「速度を自動制御するクロールコントロール」と「路面を自動認識するマルチテレインセレクト」が協調して作動するようになりました。これにより、ランクル200系のオフロード性能は、ベテランの技術を電子制御で再現する「インテリジェントな走破性」へと進化したのです。
変更点③【新グレード】:最上級グレード「ZX」の誕生
2011年のマイナーチェンジは、ランクル200系のヒエラルキーを塗り替えるものでした。それまで「AX Gセレクション」が最上級でしたが、そのさらに上を行く最上級グレード「ZX」が新設されたのです。
これは、トヨタがランクル200系を、レンジローバーやメルセデス・ベンツ Gクラスといった欧州の高級SUVと真っ向から勝負させるための戦略的な一手でした。「ZX」には、他のグレードとは一線を画す専用装備が与えられています。
外装:
専用デザインの20インチ大径アルミホイール、空力を意識したエアロタイプのサイドステップ。
足回り:
最大の差別化ポイントであるエアサスペンション(AHC=アクティブ・ハイト・コントロール機能付)。これにより、車高を自在に調整できるほか、オンロードでのしなやかな乗り心地を実現しました。
機能:
マルチテレインモニター(車両周囲のカメラ映像をナビ画面に表示)。これにより、前期型やAXグレードではフェンダーに必須だった、通称「キノコミラー(サイドアンダーミラー)」が不要になり、スッキリとした外観を手に入れました。
快適装備:
シートヒーターに加え、夏場に快適なシートベンチレーション(送風機能)、乗降時にステアリングが自動で動くパワーイージーアクセスシステム、ブラインドスポットモニター(BSM)など、高級車としての装備が満載されました。
変更点④【外装・内装】:より精悍になったデザイン
2015年の後期型ほど劇的ではありませんが、中期型は前期型から着実なデザインの進化を遂げています。
外装(エクステリア)
フロント:
前期型のシンプルな4本バーのグリルから、より立体的でメッキ加飾の多い5本バーのグリルに変更されました。ヘッドライトも、内側がグリルに向かって「くびれる」デザインとなり、より精悍な顔つきになっています。
リア:
前期型の赤一色だったテールランプから、ウインカーとバックランプがL字型(C字型)にクリアレンズで配置されるデザインに変更されました。
内装(インテリア)
- センタークラスター(ナビやエアコンの操作パネル周辺)のデザインが刷新されました。
- インパネ(メーター類)の意匠が変更され、視認性が向上しました。
- 木目調パネルの色味や、シート表皮の質感が向上し、より高級感を増しています。
変更点⑤【快適装備】:サンルーフの解禁とその他の改良
これは中古車選びにおいて、意外なほど大きなポイントです。
国内仕様のランクル200系は、前期型(2007-2011年)にはメーカーオプションのサンルーフ設定がありませんでした。
サンルーフがオプション設定されたのは、この中期型(2011年12月)からです。リセールバリューや開放感を重視して「サンルーフは絶対に欲しい」と考える方にとって、この時点で前期型は選択肢から外れることになります。
【中古価格】ランクル200系 中期型(2011-2015年)のリアルな相場

「狙い目」かどうかを判断する上で、最も重要な要素が中古価格です。ここでは2025年現在のリアルな相場観を解説します。
2025年最新:中期型の中古車価格帯
2025年11月現在、ランクル200系 中期型(2011年~2015年式)の中古車価格は、非常に広いレンジで取引されています。
価格帯(下限):
2011年式など初期の中期型で、走行距離が10万kmを超えた「AX」や「AX Gセレクション」であれば、総額290万円前後から現実的なタマが見つかり始めます。
価格帯(上限):
2015年式に近い最終モデルで、走行距離が少なく程度の良い最上級グレード「ZX」になると、総額550万円に迫る、あるいは超える個体も珍しくありません。
この価格差は、年式や走行距離だけでなく、グレード(AXかZXか)や、KDSS・エアサスの状態、カスタムの有無によって大きく左右されます。
【価格比較】前期・中期・後期の相場はどれくらい違う?
中期型の立ち位置を明確にするため、3世代の価格帯を比較してみましょう。
表3:世代別 ランクル200系 中古価格相場(2025年時点目安)
| モデル | 年式目安 | 中古価格帯 (総額) | 特徴・パワートレイン |
|---|---|---|---|
| 前期型 | 2007年~2011年 | 約 250万円 ~ 380万円 | 4.7L 2UZ-FE (タイミングベルト) + 5速AT |
| 中期型 | 2011年~2015年 | 約 290万円 ~ 550万円 | 4.6L 1UR-FE (タイミングチェーン) + 6速AT |
| 後期型 | 2015年~2021年 | 約 500万円 ~ 1,000万円超 | 4.6L 1UR-FE + 6速AT + TSS-P |
出典:市場データを基に作成
この表は、中期型が「スイートスポット」である理由を明確に示しています。
後期型の最低価格(約500万円)は、中期型の最高価格(約550万円)に近接しています。つまり、後期型を選ぶということは、中期型に比べて最低でも150万~200万円以上の追加コストを支払うことを意味します。その差額は、主に最終デザインと先進安全装備(TSS-P)に対するものです。
一方で、前期型と中期型の最低価格の差は、約40万円ほどです。この価格差で、「タイミングチェーン化された新世代エンジン」「6速AT」「税金の安さ」「MTS」という、車の根幹をなす全てのアップグレードが手に入るのです。
なぜ今、ランクル200系 中期型が「買い」なのか
ランクル300系が新車で4年待ちという異常な納期遅延を記録し、新型のランクル250も登場した今、信頼性の高い先代モデルであるランクル200系の中古車市場は、かつてないほどの注目を集めています。
「300系のV6ターボより、熟成されたV8 NAエンジンが欲しい」
「しかし、前期型の2UZエンジンの維持費(タイミングベルト)は不安だ」
そう考える全てのユーザーにとって、新世代の1UR-FEエンジンを搭載し、価格が後期型ほど高騰していない中期型は、まさに理想的な受け皿となっています。
タマ数が豊富で、価格と性能のバランスが頂点に達している今こそ、この「V8の完成形」を手に入れる絶好のタイミングです。

中期型「狙い目」の根拠と中古車購入時の3つの注意点

中期型が「狙い目」である具体的な根拠と、それでもなお中古車として購入する際に確認すべき「3つの注意点」を、専門家の視点で解説します。
根拠①:【信頼性】タイミングベルト交換が不要な「1UR-FE」
最大の根拠は、やはりエンジンの信頼性です。前期型の2UZエンジンは10万kmごとにタイミングベルト交換(10万~15万円)が必須ですが、中期型の1UR-FEエンジンはタイミングチェーン式のため、この高額な定期メンテナンスが不要です。これは中古車として長期保有する上で、計り知れない経済的・心理的メリットとなります。
根拠②:【経済性】自動車税が年間11,500円安い
排気量が4.7L(4,663cc)から4.6L(4,608cc)になったことで、自動車税の区分が変わり、年間の税額が88,000円から76,500円へと、11,500円安くなりました。5年乗れば約6万円、10年乗れば11万5千円もの差額になります。
ランクル200系全体の維持費については、こちらの記事で詳しくシミュレーションしています。

根拠③:【先進性】「MTS」と「6速AT」による走行性能の向上
5速ATから6速ATへの多段化により、発進・加速がよりスムーズになっただけでなく、高速巡航時のエンジン回転数を低く抑えられるようになりました。これにより、静粛性と燃費性能が向上しています。また、MTSの搭載により、オフロードでの安心感も格段に高まっています。
【重要】購入前の注意点1:KDSS搭載車の「異音」と「故障」
ここからは、専門家の観点から、あえて注意点を指摘します。
中期型の「AX Gセレクション」と「ZX」には、オンロードの安定性とオフロードの走破性を両立するKDSS(キネティックダイナミックサスペンションシステム)が標準装備されています。これは素晴らしいシステムですが、同時にランクル200系の弱点(ウィークポイント)の一つとしても知られています。
走行距離が10万kmを超えてくると、ブッシュの劣化や油圧シリンダーの不具合から、段差を乗り越えた際に「コトコト」「ゴトゴト」という異音が発生することがあります。修理には高額な費用がかかるケースもあるため、試乗時には必ず異音の有無をチェックしてください。
KDSSの故障事例や修理費用については、こちらで詳しく解説しています。

注意点2:「ZX」グレードのエアサスペンション
最上級グレード「ZX」の魅力であるエアサスペンション(AHC)も、KDSSと同様に注意が必要です。非常に快適な乗り心地を提供しますが、構造が複雑なため、故障するとショックアブソーバーやコンプレッサーの交換で数十万円単位の修理費用が発生する可能性があります。
もし「ランクルらしいタフさと、修理コストの低さを最優先したい」と考えるならば、あえて豪華な「ZX」を外し、KDSSのみ(コイルスプリング式)の「AX Gセレクション」を選ぶのが、最も賢明で「狙い目」の選択となる可能性があります。
中古車としての失敗しない選び方を、より体系的に解説したガイドはこちらです。

注意点3:全モデル共通の「盗難リスク」
最後に、これは200系全モデルに共通する最大の注意点です。ランクル200系は、年式を問わず車両盗難のリスクが極めて高い車種です。
特に中期型・後期型は、スマートキーの電波を傍受する「リレーアタック」や、車両の制御システムに侵入する「CANインベーダー」といった最新の手口に対して脆弱です。
購入と同時に、ディーラーオプションのセキュリティに頼るだけでなく、物理的なハンドルロックやタイヤロック、そして専門業者が施工するイモビライザー(盗難防止装置)の導入を強く推奨します。
ランクル200系に必須の盗難対策については、こちらで詳しく解説しています。

ランクル200系 中期型に関するよくある質問10選

ランクル200系の中期型を検討する際、多くの方が抱く疑問について、Q&A形式で明確にお答えします。
まとめ:ランクル200系 中期型は、V8の完成形を味わえる賢者の選択

本記事では、ランクル200系の中期型(2011-2015年)がなぜ「狙い目」なのか、前期型との決定的な変更点を中心に徹底的に解説しました。
最大の変更点は、4.7L 2UZエンジン (タイミングベルト) から 4.6L 1UR-FEエンジン (タイミングチェーン) への換装です。
これにより、30PSのパワーアップ、6速AT化による走行フィールの向上、燃費の改善、そして年間11,500円の自動車税低減と、10万km毎のタイミングベルト交換費用(10万円以上)の削減という、計り知れないメリットが生まれました。さらに、新技術「マルチテレインセレクト」や最上級グレード「ZX」の登場も、この中期型からです。
この記事を読む前、あなたは「前期型と中期型の価格差は、内容に見合っているのか?」と悩んでいたはずです。
もはや答えは明確でしょう。エンジンとトランスミッション、そして長期的な維持費という「車の根幹」に関わる部分が、中期型では別次元に進化しています。この変更は、中古市場での数十万円の価格差を遥かに超える価値があります。
ランクル300系がV6ツインターボとなった今、トヨタが世界に誇った「大排気量V8 NAエンジン」のフィーリングと、14年間熟成されたボディオンフレームの信頼性を味わえる、最もバランスの取れたモデル。それがランクル200系の中期型です。
後期型(2015年~)はTSS-Pという魅力がありますが、中古価格は大きく跳ね上がります。「完成されたV8エンジン」を、最も賢いコストパフォーマンスで手に入れるなら、選択肢は中期型(URJ202W)以外にありません。
ぜひ、あなたにとって最高の相棒となる「1UR-FE」搭載の中期型を見つけて、大地のコンパスを広げてください。
ランクル200系について、さらに包括的な情報が必要な場合は、こちらの完全ガイドをご覧ください。

引用文献
- トヨタ ランドクルーザー200 新車情報・カタログ – carview!
https://carview.yahoo.co.jp/ncar/catalog/toyota/landcruiser200/






コメント