ランクル200系のクロールコントロールとは、アクセル・ブレーキ操作を完全に自動化し、ハンドル操作だけで悪路を走破できる「極低速オフロード専用クルーズコントロール」です。日常の舗装路では一切使用しませんが、砂浜や雪道でのスタック時には最強の緊急脱出装置として機能します。
「センターコンソールの『Crawl』スイッチ、一体いつ使うの?」
「試しに押したら足元から『ガガガッ』と壊れたような音がして、怖くてすぐ切った」
多くのオーナー様や購入検討中の方から、そんな不安の声をよく耳にします。
ディーラーの営業マンは「悪路でも安心の便利機能です」と笑顔で説明しますが、彼らの大半は実際に砂浜でスタックさせ、この機能で脱出した経験はありません。
正直にお伝えしますが、この機能は作動時に「知識がないとパニックになるほどの爆音」が鳴り響き、万が一「故障している個体を買うと30万円以上の修理費」がかかる、まさに諸刃の剣。
この記事では、歴代ランクルを乗り継いできた編集長の私が、クロールコントロールの正しい使い方から、カタログには載らない「音の正体」、そして中古車選びで泣きを見ないための故障チェック法までを徹底解説します。
これを読めば、いざという時のスタック脱出で焦ることなく、高額な修理費リスクも回避できるようになります。
クロールコントロール=「極低速・自動運転」システム

結論から言います。
クロールコントロールとは、「ハンドル操作だけに集中できる、オフロード専用の極低速クルーズコントロール」のこと。
ドライバーはペダルに触れる必要がありません。
どんな機能なのか?
通常、岩場や深い砂地を走る際は、タイヤが空転しないように繊細なアクセルワークが必要です。また、急な下り坂ではブレーキロックさせない絶妙なブレーキ操作が求められます。
これらを同時に行うのは、熟練のオフロードドライバーでも至難の業。
クロールコントロールをONにすると、車載コンピューターが路面状況を検知し、エンジン出力とブレーキを独立して自動制御します。
この技術は、トヨタ自動車の先進技術として世界中で評価されています。
※出典:トヨタ自動車公式:技術・機能紹介
具体的に役立つシーン
日常では使いませんが、以下のような非日常、あるいは緊急事態で絶大な効果を発揮します。
砂浜でのスタック脱出
アクセルを踏みすぎてタイヤが埋まってしまった時。
急勾配の岩場下り
ブレーキを踏むと滑り落ちそうな坂道。
深雪路
タイヤのグリップを最大限に探りながら進みたい時。
【専門家のワンポイントアドバイス】
多くのオーナーさんが誤解していますが、クロールコントロールは「進むための機能」であると同時に、「スタック(立ち往生)から脱出するための保険」でもあります。
一人で林道や砂浜に入り込み、身動きが取れなくなった時。JAFを呼ぶ前にこのスイッチを押してください。
人間には不可能な「タイヤ4輪ごとの独立ブレーキ制御」で、魔法のように脱出できることが多々あります。
【実録】メリットの前に知っておくべき「音」と「家族の目」

この機能の最大のネガティブポイント。
それは「作動音」と、それに伴う「同乗者の不安」です。ここは綺麗事抜きでお伝えします。
「壊れた!?」と勘違いするほどの爆音
初めてクロールコントロールを作動させた人の9割は、その音に驚いてすぐにスイッチを切ってしまいます。
スイッチを入れた瞬間、足元から鳴り響く轟音。
「ガガガガッ!ゴゴゴッ!バキバキ!」
車が破壊されるような激しい金属音と振動が発生します。
しかし、これは故障ではありません。
ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)のポンプとアクチュエーターが、1秒間に何度も高速でブレーキ制御を行っている正常な作動音です。
なぜあんなにうるさいのか?
200系のクロールコントロールは、タイヤの空転を感知した瞬間に、そのタイヤだけにブレーキをかけ、グリップしている他のタイヤに駆動力を送るシステム(LSD効果)だから。
3トン近い巨体を、滑りやすい路面でミリ単位で制御するために、油圧ブレーキを猛烈な勢いで出し入れしているため、どうしても大きな音が出ます。
| 項目 | 通常の走行 | クロールコントロール作動中 |
|---|---|---|
| 車内の静粛性 | レクサス並みに静か | 工事現場のような騒音 |
| ペダルへの振動 | なし | 足の裏から脳天に響くキックバック |
| 同乗者の反応 | 快適 | 「車、壊れたの?(怒)」 |
【実体験コラム】編集長が妻に激怒された日
以前、スノボの帰りに雪深い脇道へ入り込み、少しスタック気味になったことがあります。
「ここぞ出番!」と意気揚々とクロールコントロールをONにしました。
「ガガッ!!バキバキバキッ!!」
凄まじい音と共に車は無事に脱出しましたが、助手席で寝ていた妻は飛び起き、「あなたが変な運転するから車が壊れた!!」と激怒。
「いや、これは正常な制御で…」と説明しても、あの破壊音を聞かされた後では後の祭り。帰りの車内はずっと無言でした。
教訓:家族を乗せている時は、スイッチを押す前に必ず「これから凄い音がするけど、正常だから!」と大声で宣言しましょう。
【中古検討層へ】故障時の修理費という「隠れた爆弾」

これから200系の中古車を買おうとしているあなたへ。
「どうせ街乗りしかしないから、クロールコントロールなんて壊れててもいいや」と思っていませんか?
それは大きな間違いです。
ABSアクチュエーターと一蓮托生
クロールコントロールは、ブレーキ制御の中枢である「ブレーキアクチュエーター」を使用します。もしここが故障すると、以下の症状が出ます。
- メーターパネルにABS警告灯、VSC警告灯などが全点灯する(いわゆるクリスマスツリー状態)。
- 通常のABS機能も停止する可能性がある。
- 警告灯がついたままでは、車検に絶対に通らない。
修理費の現実:約20〜30万円
この部品(アクチュエーター)が非常に高価。
ディーラーで新品交換を行うと、工賃込みで20万円〜30万円コースが確定します。
【内訳の目安】
- 部品代:約15〜20万円(年々値上がり中)
- 工賃:約3〜5万円
「中古部品で安く済ませよう」と考える方もいるかもしれませんが、ブレーキという重要保安部品であるため、中古品のリスクは非常に高いです。
【整備士の裏話】なぜDIY交換が不可能なのか?
「部品だけネットで買って、自分で交換すれば安く済むのでは?」
そう考えるDIY派の方へ。絶対にやめてください。
このアクチュエーター交換には、トヨタ専用の診断機(GTS)を使用した「電子制御ブレーキのエア抜きモード」の実行が必須です。
従来のようにペダルをパカパカ踏むだけのエア抜きでは、複雑なユニット内部の気泡が抜けず、最悪の場合ブレーキが効かなくなります。
素直にプロに任せてください。これは「工賃をケチって命を削る」作業です。
中古車選びのチェックポイント
- 試乗時にエンジンをかけた際、ABS警告灯が点灯しっぱなしになっていないか確認する。
- 可能であれば、「L4」に入れてクロールコントロールを作動させ、エラーが出ないかチェックさせてもらう(断られる場合もありますが、交渉の価値あり)。
【編集長の助言】保証のない個人売買は避けるべし
200系のABS故障は「いつか必ず来る」と思ってください。だからこそ、購入時は「保証が充実している大手」か「整備記録簿が完璧な個体」を選ぶのが鉄則です。
修理費30万円のリスクを避けるために、まずは市場に出ている「保証付きの良質な在庫」をチェックしておきましょう。
| サービス名 | 特徴・おすすめな人 | アクション |
|---|---|---|
| カーセンサー | 【在庫数No.1】 全国の在庫を網羅。保証付き車両を条件検索できる。 じっくり比較したい人向け | 全国の中古車在庫を見る ※無料・登録不要 |
| ガリバー | 【非公開在庫あり】 市場に出る前の「未公開在庫」から提案してもらえる。 良質車を誰より早く探したい人向け | 在庫問い合わせをする ※60秒で完了・返品保証あり |
実践!クロールコントロールの正しい使い方

実際に使う際の手順を解説します。
この機能は、トランスファーが「L4(ローレンジ)」に入っていないと作動しません。
ここが最大のつまづきポイントです。
- 車を完全に停止させる。
- シフトレバーを「N(ニュートラル)」に入れる。
- トランスファーノブ(4WD切り替えスイッチ)を「H4」から「Push L4」へ回す。
- メーターパネルの「4LO」インジケーターが点滅から点灯に変わるのを待つ。
- シフトレバーを「D」または「R」に入れる。
- オーバーヘッドコンソール(天井)、またはセンターコンソールにある「Crawl」スイッチ(ON/OFF)を押す。
- マルチインフォメーションディスプレイに「CRAWL CONTROL」と表示される。
ダイヤルを回して速度を調整します。
状況に合わせて以下の3〜5段階(年式による)から選択してください。
| 設定 | 速度イメージ | 推奨シーン |
|---|---|---|
| LOW (L) | 1km/h以下 | 岩場 急な下り坂 スタック脱出 |
| MID (M) | 2〜3km/h | 砂地 モーグル地形 急な登り坂 |
| HIGH (H) | 5km/h程度 | 比較的平坦な雪道 砂利道 渡河 |
基本は「LOW」からスタートし、状況に応じて速度を上げてください。
あとは足をペダルから離すだけ。車が勝手に進みます。
「ガガガッ!」という音が鳴り響きますが、恐れずにハンドル操作で障害物を避けてください。
【注意点:長時間使用はNG】
ブレーキを多用するシステムのため、長時間連続で使用するとブレーキフルードが加熱し、システムが一時停止することがあります。
あくまで「難所を抜けるため」の機能と考えましょう。
オフロードを楽しむなら知っておきたい関連知識

クロールコントロールは強力な武器ですが、それだけで全ての道が走れるわけではありません。
タイヤのグリップ力や、車高(クリアランス)が不足していれば、いくら電子制御が優秀でも腹がつかえて動けなくなります。
足回りのカスタムも重要
もし、キャンプや釣りで積極的に未舗装路に入るなら、ノーマルタイヤでは性能を引き出せません。
オールテレーンタイヤ(A/T)への交換や、リフトアップも視野に入れると、ランクル200系の本領を発揮できます。
タイヤ選びで迷ったら

リフトアップの効果と費用

類似機能との違い
200系には「マルチテレインセレクト」や「デフロック」という機能もあります。
クロールコントロール:
速度を自動維持(ペダル操作不要)
マルチテレインセレクト:
トラクション制御の特性を変更(ペダル操作は自分)

デフロック:
タイヤの回転差を固定し、物理的にスタックを防ぐ(最終手段)
これらを状況に合わせて使い分けるのが、真のランクル使いです。
よくある質問(FAQ)

最後に、クロールコントロールについてよく寄せられる質問をまとめました。
まとめ:音にビビらず、愛車のポテンシャルを信じろ

ランクル200系のクロールコントロールについて解説しました。
「極低速・自動運転」
アクセル・ブレーキ操作不要で悪路を走破できる。
「爆音」は仕様
同乗者が不安になるレベルの音がするが、正常な制御音。
「修理費」は高額
中古購入時はABS警告灯の有無を必ずチェックする。
スタック脱出の切り札
砂浜や雪道で埋まった時の保険になる。
この機能を使う機会は、一生のうち数回かもしれません。
しかし、その「数回」で命拾いをする、あるいは家族を安全に家に帰すために、ランクル200系はこの機能を搭載しています。
もし安全な場所(砂浜や河川敷など)があれば、一度テストして「あの音」を体験しておくことを強くおすすめします。
いざという時にパニックにならずに済みますからね。
愛車の機能を知り尽くして、頼れる相棒と共に最高のカーライフを送ってください。
編集後記:あの音が「安心」に変わる時
初めてあの「ガガガッ!」を聞いた時は、私も正直肝を冷やしました。「これ、本当に大丈夫か?」と。
でも、実際にスタックから脱出できた瞬間、その音は「車が必死に路面を掴んでいる音」だと理解できました。
ランクル200系は、ただの高級SUVではありません。いざとなれば泥まみれになって、あなたと家族を守ってくれる「相棒」です。
この記事が、そんな相棒との信頼関係を深める一助になれば幸いです。
あなたの「クロールコントロール体験」や「故障エピソード」があれば、ぜひコメント欄で教えてください!
「爆音すぎて家族に怒られた」などの失敗談も大歓迎です笑
【この記事を書いた人】
大地(Daichi)
『大地のコンパス』編集長 / ランクル・ライフアドバイザー
歴代ランドクルーザー(80/100/200)を乗り継ぎ、地球12周分(総走行距離50万km超)を走破した現場主義の編集長。「ランクルはカタログスペックより、整備記録簿がすべて」が信条。
ディーラーが言わない「故障リスク」と「リアルな維持費」を包み隠さず伝え、あなたの相棒選びを全力でサポートします。
【オーナー様へ】高額修理になる前に…
200系の維持にはお金がかかります。もし、今後の車検や修理費(30万円〜)に不安を感じているなら、「今の愛車にどれだけの価値があるか」だけでも知っておくのが賢い防衛策です。
ランクルは海外需要が高いため、走行距離が多くても驚くような値段が付くことがあります。
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