ランクル300のアドブルー補充は、ディーラーに行く必要はありません。
DIYなら費用は1/3(約2,000円)、作業時間はたったの5分で完了します。
「あと2,400kmでエンジンが再始動できなくなります」
納車されたばかりの愛車に表示されるこの不穏なカウントダウン。
焦る気持ちは分かりますが、これを理由にディーラーへ駆け込むのは「時間とお金の無駄」と言わざるを得ません。
ただし、たった一つの手順ミスで、数百万円のエンジンが一瞬で全損するリスクがあるのも事実です。
歴代ランクルで50万km(地球12周分)を走り回り、酸いも甘いも噛み分けた編集長「大地」が、愛車を鉄の塊にしないための「正しい補充手順」と、メーカーが口を濁す「純正品神話の嘘」を暴露します。
【この記事の要約】
- 警告灯を無視してエンジンを切ると二度と再始動できない(レッカー確定)。
- ディーラー補充は情弱の極み。DIYなら2,000円で済み、在庫切れリスクも回避できる。
- 「緑のキャップ」に入れたら即廃車。絶対に「青」に入れること。
専門家のワンポイントアドバイス
【編集長・大地の経験則】
AdBlue(アドブルー)とは、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化するための「高品位尿素水」のことです。
ランクル300(F33A-FTVエンジン)の場合、実測で「約700km〜1,000kmで1リットル消費」します。
タンク容量は約13.8L。満タンから約1万km強走れますが、「オイル交換(5,000kmごと)」のサイクルと絶妙にズレて警告が出ます。
「ついでにやってもらおう」という甘えは捨て、「自分で管理するスキル」を身につけてください。それがランクル乗りとしての嗜みです。
1. 警告灯の真実:無視すると訪れる「鉄の塊」化

まず、一番恐ろしい「ネガティブな現実」から直視しましょう。
アドブルーは燃料(軽油)とは違い、空になっても走行中にエンジンが止まることはありません。
しかし、一度エンジンを切ると、補充するまで二度と再始動できなくなります。
これは脅しではなく、NOx規制(排ガス規制)に対応するためのトヨタの制御システム(法律対応)です。
警告の段階と「デッドライン」
300系の場合、残量が減ると段階的に警告が出ます。私の経験上の「心拍数」と共にどうぞ。
| 段階 | 警告メッセージ(目安) | 残り走行可能距離 | 状況・心境 |
|---|---|---|---|
| レベル1 | 「AdBlueを補充してください」 | 約2,400km | 【焦り:小】 まだ余裕。 Amazonでポチる時間はある。 |
| レベル2 | 「あと〇〇kmで再始動できません」 | カウントダウン開始 | 【焦り:大】 長距離ドライブ中なら冷や汗もの。 SAでエンジンを切る手が震える。 |
| レベル3 | 「再始動できません」 | 0km (不動) | 【絶望】 ロードサービス確定。 楽しい休日が終了し、家族の空気も凍りつく。 |
最悪のシナリオ:
携帯電波の入らない林道や、深夜の高速SAでレベル3を迎え、うっかりトイレ休憩でエンジンを切ってしまったら……。
数千円の液体をケチった代償が、数万円のレッカー代と「パパ何やってるの?」という視線になって跳ね返ってきます。
2. 費用比較:ディーラーの「養分」になるな

「警告が出たらとりあえずディーラーへ」
もしそう考えているなら、あなたは「いいお客様(養分)」です。
アドブルーの補充に、高度な整備士資格は不要。ウォッシャー液を入れるのと同じレベルの作業に、わざわざ予約して高い工賃を払う必要はありません。
補充場所別・コストと手間の比較(10L補充時)
| 補充場所 | 費用目安 | 手間・時間 | 編集長の評価 |
|---|---|---|---|
| ディーラー | 3,000円〜5,000円 | 要予約・待ち時間含め1時間 | 論外。 安心感はあるが、コスパが悪すぎる。技術料という名の「手間賃」を取られるだけ。 |
| ガソリンスタンド | 2,000円〜3,000円 | スタンドによる | △ トラックが多い店ならあるが、一般店には置いていないことも。探す時間が無駄。 |
| DIY(自分で) | 1,500円〜2,000円 | 作業5分 | ◎ 最強。 Amazonでポチって駐車場で入れるだけ。誰にも気を使わない。 |
結論:
ランクル300を賢く維持するなら、間違いなく「DIY」一択です。
浮いた3,000円があれば、家族で美味しいランチが食べられます。「また車にお金かけて!」という奥様の小言も少しは減るはずです。
3. 【写真なしでも分かる】絶対に失敗しない補充手順

では、実際の作業手順です。
ランクル300のアドブルー給油口は、実は「燃料給油口のすぐ隣」にあります。ボンネットを開けて手を汚す必要すらありません。
【免責事項】
※本記事の作業手順は、編集長の実体験およびトヨタ取扱説明書に基づくものですが、作業の安全を完全に保証するものではありません。
誤給油や液漏れによる車両トラブルについて、当メディアは一切の責任を負いません。
少しでも不安がある場合は、無理せずプロ(ディーラーや整備工場)に依頼してください。
用意するもの(三種の神器)
- AdBlue(アドブルー):5L〜10Lパック(ノズル付き)
- 濡れ雑巾(ウエス):これ重要!
- 水(ペットボトル):こぼした時の命綱
手順ステップ:恐怖の「誤給油」を避けるために
基本中の基本です。
いつものフタを開けます。
ここが運命の分かれ道です。
- 緑のキャップ = 軽油(ディーゼル)
- 青のキャップ = AdBlue(正解)
【警告】
もし寝ぼけて「緑のキャップ(軽油タンク)」にアドブルーを入れたら、エンジン全損コースです。インジェクターからサプライポンプまで全交換で、修理費は軽く数十万円〜100万円コース。
逆に、「青いキャップ(AdBlueタンク)」に軽油を入れてもアウトです。排気系システムが死にます。
「色は混ぜない」。これだけは肝に銘じてください。
AdBlueは意外と勢いよく出ます。「ボトボトッ!」と吹き返さないよう、ゆっくりと。
10Lパックなら、警告灯がついたタイミングでほぼ全量入りますが、溢れさせないよう音を聞きながら慎重に入れてください。
ここがプロのこだわり。
AdBlue(尿素水)は、乾くと白い結晶になり、塗装を強烈に攻撃(腐食)します。
もしボディやタイヤハウスにこぼしたら、雑巾で拭くだけでなく、必ず「水」でジャバジャバ洗い流してください。
「拭けばいいや」と甘く見ていると、数週間後に白い粉と共に塗装が浮いてきます。
警告灯が消えるのを確認して終了です。(消えるまで数分〜数km走行が必要な場合があります)
4. 「純正品以外は壊れる」のウソ・ホント

ネットやディーラーで「トヨタ純正のアドブルー以外を入れると詰まる」という噂を聞いたことがありませんか?
結論から言うと、それは都市伝説(ポジショントーク)です。
AdBlue®(アドブルー)は登録商標であり、「JIS規格(ISO 22241)」に適合した高品質な尿素水(尿素32.5%、純水67.5%)しかその名を名乗れません。
つまり、JISマークがついている「AdBlue」であれば、中身は純正品と全く同じです。
編集長が愛用する「間違いのない」ストック
私はいつも、新日本化成などのメジャーなメーカーの10Lパックをガレージに常備しています。
警告が出てからホームセンターを走り回るのはスマートじゃありません。「家に在庫がある」という安心感こそが、ランクルオーナーの余裕です。
おすすめのAdBlue 10Lパックと付属ノズル
▼ 新日本化成 AdBlue (アドブルー) 10L
Amazonでベストセラーの定番品。ノズル付きで注ぎやすく、ランクルのタンク(約13.8L)に対して10Lなら溢れる心配もほぼありません。
※適合車種:ランクル300/プラド/ハイエース等 ディーゼル全般OK
記憶に新しい「アドブルー不足騒動」。あの時、ネットでは10Lが1万円以上に高騰しました。
「必要な時に買えない」のが一番のリスクです。1箱だけでいいので、ストックしておくことを強く推奨します。
よくある質問(FAQ)

ランクル300のアドブルー補充に関して、オーナー様からよく頂く質問をまとめました。
300系を「一生モノ」にするために

アドブルーの補充は、300系オーナーとしての「初歩の初歩」です。
しかし、長く乗り続けるためには、他にも知っておくべき「維持のツボ」があります。
私たちのランクルは、適切に手入れをすれば50万kmでも走りますが、サボれば5万kmで壊れる繊細さも持ち合わせています。
▼ 燃費と維持費の「現実」を知る
カタログ値はあてになりません。私が実際に走り回って計測した「実燃費」を知れば、給油タイミングも予測できるようになります。

▼ ディーゼルエンジンの寿命を延ばす
アドブルー以外にも、ディーゼル特有の「DPF(煤焼き)」やトラブルについて深く知りたい方はこちら。ガソリン車との維持費比較もしています。

▼ メンテナンスの全体像を把握する
「オイル交換はいつ?」「タイヤの寿命は?」
ディーラー任せにせず、自分で管理するための「メンテナンス完全ガイド」です。ここに戻れば、全ての維持管理が分かります。

まとめ:その「青い液体」は、地球を走るためのパスポート

ランクル300のアドブルー補充について解説しました。
- 警告灯は「死のカウントダウン」。絶対無視するな。
- ディーラーに行くな。DIYなら5分・2,000円で終わる。
- 「青と緑」を間違えるな。誤給油=エンジン全損。
- こぼしたら水で洗え。塗装が死ぬ。
- 1箱ストックしろ。物流が止まったら車も止まる。
面倒くさいですか?
でも、その面倒くささすら愛おしくなるのがランクルという車です。
巨大なV6ツインターボディーゼルが排出するガスを、あなたが注いだ「青い水」がクリーンに変えている。
そう思えば、この作業も「地球を走らせてもらっている対価」として、少し誇らしくなりませんか?
さあ、トランクに予備のアドブルーを積んで、次の絶景へ向かいましょう。
もちろん、警告灯に怯えることなく。
私たちは、どこへでも行き、生きて帰ってくるのですから。
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「こんな失敗した!」というコメントもお待ちしています(笑)


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