ディーラーで渡されたスタッドレスの見積書を見て、コーヒーを吹き出しそうになったことはありませんか?
「タイヤとホイールで45万円になります」
涼しい顔でそう言う営業マンに対し、私はその提案のあまりの残酷さに言葉を失いました。
「ZXの品格を保つには、冬も純正サイズ(20インチ)が安心ですよ」
もしあなたがそう言われてハンコを押そうとしているなら、その手を今すぐ止めてください。
はっきり言います。冬のランクル300に、見栄を張って20インチを履くのは「お札をシュレッダーにかける」のと同じです。
この記事では、歴代ランクルで50万kmを走破し、現在は250系と200系を維持する私が、ランクル300における「18インチへのインチダウン」の絶対的正義と、浮いた15万円で家族と温泉に行くための具体的な方法を解説します。
これを読めば、あなたは「情弱」として搾取されることなく、賢いランクルオーナーとして冬を迎えられます。
なお、ランクル300の維持費全体のシミュレーションについては、下記の記事で詳しく解説しています。

ランクル300のスタッドレスタイヤ|20インチ純正サイズは「金の無駄」です

結論から言います。ランクル300のスタッドレスタイヤは、全グレード(ZX/GR-S含む)「18インチ」へのインチダウン一択です。
そもそも「インチダウン」とは、タイヤの外径(直径)を変えずに、ホイールのサイズだけを小さくし、その分タイヤのゴムの厚みを増やす手法のことです。
これにより、コストを大幅に抑えつつ、雪道での走行性能を向上させることができます。
「メーカーが20インチを設定しているんだから、それが一番いいんじゃないの?」
そう思う気持ちも分かります。しかし、現場の現実は違います。
理由は単純明快、「価格差」「雪上性能」そして「資産防衛(リセール)」の3点において、20インチを選ぶメリットが1ミリもないからです。
20インチと18インチの価格差という「現実」
まず、この残酷な価格差(4本セット・ホイール込みの相場)を見てください。
これが「見栄代」の正体です。
| サイズ | タイヤ・ホイールセット相場 | 特徴 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 20インチ | 35万〜45万円 | 見た目は良いが、タイヤの選択肢が少なく高額。 | × 論外 |
| 18インチ | 18万〜25万円 | タイヤの種類が豊富で安い。クッション性も向上。 | ◎ 正解 |
| 差額 | 約17万〜20万円 | – | – |
ご覧の通り、サイズを2インチ落とすだけで、約20万円も安くなります。
3〜4年で寿命が来る消耗品(ゴム)に、この差額を払う価値はありません。20万円あれば、最高級のセキュリティ「IGLAアラーム」が施工できます。どちらが愛車を守れるかは明白ですよね。
「扁平率」が雪道の命取り(と家族の不満)になる
「20インチでもスタッドレスなら止まるだろ?」
これは大きな間違いです。
20インチ(265/55R20)はタイヤの側面(サイドウォール)が薄く、路面追従性が低いです。対して18インチ(265/65R18)はゴムの厚みが増すため、路面の凹凸をしなやかに吸収し、滑りやすい路面でも粘り強くグリップします。
さらに、18インチ化には「乗り心地が劇的に良くなる」という副作用があります。
ゴムが分厚くなることで、冬の荒れた路面の突き上げがマイルドになります。
「最近、後ろの席で子供がよく寝るようになったね」
奥様からそんな言葉を引き出せれば、インチダウンの説得は成功したも同然です。
大切な純正20インチを「塩漬け」にするつもりですか?
ここが、ディーラー営業マンが絶対に口にしない「不都合な真実」です。
冬の道路には、車を強烈に錆びさせる「融雪剤(塩化カルシウム)」が大量に撒かれています。
高価なZX純正の20インチ切削光輝ホイールを冬も履き続けるということは、塩水の中にロレックスを沈めるようなものです。
- 純正ホイール: 1本10万円以上の価値。白サビが出ると査定額が激減。
- 冬用社外ホイール: 4本で6〜8万円。使い捨て感覚でOK。
冬は安価な社外18インチを履きつぶし、純正ホイールは倉庫で温存してピカピカの状態を保つ。
これが、売却時の査定を下げない、賢いオーナーの「資産防衛術」です。
ランクル300は18インチへインチダウン可能です【GR SPORT/ZX共通】

「ZXのブレーキキャリパーは巨大だから、18インチは入らないのでは?」
ネット上にはそんな噂もありますが、結論、入ります。
ただし、なんでも入るわけではありません。適当なホイールを買うと「ブレーキキャリパーにガリガリ干渉してタイヤが回らない」という大惨事を招きます。
以下の適合条件を必ず守ってください。これを無視すると、買ったホイールがただのゴミになります。
| 項目 | ランクル300 適合スペック | 備考(要注意!) |
|---|---|---|
| PCD | 139.7mm / 6穴 | 絶対注意! 200系の「150mm/5穴」は装着不可。 |
| ハブ径 | 95mm | プラド用(106mm)はハブリングが必要な場合あり。 |
| ナット | M14 × 1.5 | 一般的なM12ではない。200系用ナットは流用可。 |
| リム径 | 18インチ | 17インチはキャリパー干渉のため装着不可。 |
200系ホイールの流用は「物理的に不可能」
「前のランクル200で使ってたスタッドレスがあるから、それを履かせよう」
そう思っている方、残念ですが不可能です。
ランクル300は新開発プラットフォーム(GA-F)採用に伴い、ホイールを固定するボルトの数が「5穴」から「6穴」に変更されました。
物理的に穴の数が違うので、どうあがいても付きません。諦めてください。
逆に、ランクル250やプラド(150系)、ハイラックスとはPCD(139.7/6H)が同じですが、ハブボルトの太さ(M14)やオフセット、耐荷重(JWL-T基準)の問題があるため、安易な流用は危険です。
特にプラド用のホイールは、ランクル300の重量とパワーに耐えられない可能性があります。
「ランクル300専用設計」と謳われているホイールを選ぶのが、最も安全で確実な道です。
なお、夏用ホイールのカスタムやインチアップの話題については、下記の記事で詳しく解説しています。

おすすめのスタッドレスタイヤ&ホイールセット

では、具体的に何を買えばいいのか。
私が自信を持っておすすめする、失敗しない組み合わせは以下の通りです。
1. タイヤ:ブリヂストン ブリザック DM-V3
結局、北海道や雪国で最後に頼れるのはブリザックです。
氷上性能、耐久性、どれをとっても頭一つ抜けています。安いアジアンタイヤで3トン近い巨体のランクルを止めるのは、自殺行為に近いのでやめましょう。
サイズは 「265/65R18」 を選んでください。
2. ホイール:専用設計のエントリーモデル
冬用ホイールにデザイン性を求めてはいけません。融雪剤(塩カリ)ですぐに錆びるからです。
「キーラー タクティクス」や「マッドヴァンス」など、ランクル300対応(18×7.5J〜8.0J / インセット+50〜+55付近)の安価で丈夫なモデルを選びましょう。
大地編集長のワンポイントアドバイス

「冬のホイールなんて、鉄チン(スチール)でもいいくらいだ」
これが私の本音です。
ピカピカの20インチ切削光輝ホイールを履いて、凍結路面の縁石でガリっと削った時の精神的ダメージを想像してください。立ち直れませんよ。
それに、タイヤの厚み(ハイト)がある18インチの方が、雪に隠れた段差や穴ぼこを踏んだ時の衝撃吸収性が高く、サスペンションや車体へのダメージも少ないんです。
「ZXに乗ってるのに18インチなんてダサい」と笑う奴には笑わせておけばいい。
雪道でスタックしてJAFを待つ20インチの横を、涼しい顔で通過するのが本当の「ランクル乗り」です。
空気圧センサー(TPMS)の登録と複製の「落とし穴」

ランクル300でスタッドレスセットを買う際、最大の罠となるのが「空気圧センサー(TPMS)」です。
ここを甘く見ると、メーターパネルが警告灯だらけになり、せっかくのドライブが台無しになります。
センサー無しで走ると警告灯が消えない
ランクル300には全車にTPMSが標準装備されています。
ホイールにセンサーを付けずに走ると、メーターパネルに「オレンジ色のタイヤ警告灯」が点灯し続け、非常に目障りです。精神衛生上よくありません。
何より、同乗者に「あのオレンジのランプ何?故障?」と聞かれるのが、オーナーとして一番恥ずかしい瞬間です。
解決策:ID複製(クローン)か新規登録か
ここが面倒なポイントです。
- 純正IDを複製(クローン)する:
- 専門店で、現在の夏タイヤのIDをコピーしたセンサーを作ってもらう。これなら履き替えごとの設定変更が不要。おすすめですが、対応店舗が限られます。
- 新規IDを登録する:
- 一般的な方法。ただし、履き替えのたびに車両側の設定(マルチインフォメーションディスプレイ等)でIDセットを切り替える必要があります。
- しかも、センサーIDの登録には専用ツール(OBDII接続)が必要なケースが多く、「ネットで安く買ったけど、ディーラーに持ち込んで工賃を払って登録してもらう」という二度手間になりがちです。
この「センサー問題」は、実は兄弟車のランクル250や先代200系でも同様の悩みがあります。
他車種のオーナーがどう対策しているか知りたい方は、以下の記事も覗いてみてください。

ランクル300スタッドレスに関するよくある質問(Q&A)

ここでは、現場でよく聞かれる質問に、忖度なしで答えていきます。
まとめ:浮いた20万円は、家族と愛車の未来に使え

ランクル300のスタッドレス選び、正解は以下の通りです。
- 20インチは捨てろ: 18インチへのインチダウンでコストと安全性を確保する。
- 適合確認を怠るな: PCD139.7/6H、ブレーキ干渉逃げのある専用ホイールを選ぶ。
- TPMSを忘れるな: 警告灯地獄を避けるため、センサーの手配を確実に行う。
- タイヤはケチるな: 車重2.5トン超えを止めるのは、タイヤの性能だけ。
この選択をすれば、確実に15万〜20万円のお金が浮きます。
そのお金をどう使うか?
ディーラーに寄付する必要はありません。
家族と豪華なカニ旅行に行くもよし、愛車を守るセキュリティ(IGLA)に投資するもよし。
「見栄」ではなく「実利」を取れるオーナーこそが、真にランクル300を乗りこなす資格があります。
賢い選択で、冬のランクルライフを安全に、そして泥臭く楽しんでください。
なぜ私がここまで辛口な本音を書けるのか?私の過去の失敗と車歴は、下記のプロフィールで赤裸々に語っています。

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「インチダウンして浮いたお金で、こんなことしました!」という報告、待ってます。次の記事を書く原動力になります!
おすすめの購入先
ランクル300のような大型タイヤは、「ネットで買って、近くの店で取り付ける」のが最も賢い方法です。
1本30kgを超えるタイヤを自分で車に積んで運ぶ必要はありません。腰を痛めるだけです。
ネット購入には「運びたくない」「ポイントを貯めたい」など、人それぞれの事情があると思います。
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迷ったら「TIREHOOD」一択です。
重たいタイヤを玄関から車に積み込む作業は、想像以上に腰に来ます。その苦労とガソリン代を考えれば、直送サービスの利用が最も合理的です。
「ネットで買うと、持ち込み交換で店員に嫌な顔をされるのが怖い…」
そんな心配も不要です。TIREHOODなら、購入と同時に「近所のガソリンスタンド」で取付予約が完了。タイヤはお店に直送されるので、あなたは手ぶらで行くだけです。
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※免責事項
本記事の情報は執筆時点のものです。ホイールのマッチングは個体差やグレード、製造時期により異なる場合があります。また、空気圧センサーの登録等は専門知識を要します。最終的な適合確認は必ず購入店舗で行い、作業はプロショップに依頼することを推奨します。
ランクル300の総合的な解説に戻る場合は、下記の記事を参考にしてください。


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