「次の車検、通すだけで20万コースか…」
「エアコンの効きも悪くなってきたし、そろそろ潮時なのかもしれない」
長年連れ添ったランクル80を手放す決断、本当に胸が痛みますよね。
その気持ち、痛いほどわかります。私もかつて80系を手放した夜は、ガレージの床でオイルの匂いに包まれながら酒を飲み明かしました。家族からは「やっと普通の車に乗れる」と安堵されましたが、私にとっては体の一部をもがれるような痛みでした。
しかし、感傷に浸っている場合ではありません。ここであなたに「不都合な真実」をお伝えしなければなりません。
もしあなたが、近所の大手買取チェーン店にそのまま80を持ち込もうとしているなら、それは数十万円、下手すれば100万円以上、本来得られたはずの価値を失う行為です。
なぜなら、今のランクル80の本当の価値は、日本の市場ではなく「海を越えた先」にあるからです。
この記事では、アメリカの「25年ルール」が引き起こしている80系輸出バブルの正体と、あなたの愛車を本来の価値で評価してもらうための条件を、業界の裏側まで踏み込んで解説します。
結論から言うと、「輸出ルートを持たない業者」に売るのは、みすみす現金を捨てるようなものです。
▼ この記事の要約(30秒で理解)
- 80系は「25年ルール」により米国でカルト的人気。
- ディーゼルターボ(1HD)なら走行30万kmでも高値。
- 国内買取店と輸出業者では、査定額に50万円以上の差が出ることも。
なお、ランクル80のリセールバリュー全体の基礎知識については、下記の記事で詳しく解説しています。
\ 80系リセールの全貌を、数字で完全解説 /

アメリカ「25年ルール」による80系爆買い現象

まずは結論から言います。あなたのランクル80が高く売れる最大の理由は、アメリカ合衆国の法律にあります。
アメリカの「25年ルール」とは
アメリカには、右ハンドル車の輸入登録を原則禁止する厳しい規制があります。しかし、「製造から25年が経過した車両(クラシックカー扱い)」に限り、この規制が免除されるという特例措置があります。これが通称「25年ルール」です。
ランクル80系は1989年から1997年までの製造です。つまり、すべての年式において、すでにこの「25年」の壁を突破しています。
なぜアメリカ人は80系を欲しがるのか
「アメリカにはもっとデカい車があるだろう」と思いますよね?
しかし、現地のアウトドア愛好家やカーマニアにとって、日本のランクル80(特にディーゼルモデルや観音開き仕様)は「JDM(Japanese Domestic Market)」の象徴であり、喉から手が出るほど欲しいお宝なのです。
彼らが求めているのは、現代の車が失ってしまった以下の要素です。
- 直列6気筒ディーゼルの重厚な鼓動(1HDエンジンの信頼性)
- 電子制御の少ないアナログな走破性(自分で直せる構造)
- カクカクした無骨なスタイリング
現地では3万ドル〜5万ドル(約450万〜750万円)以上で取引されることも珍しくありません。この「外貨獲得能力」こそが、国内の買取相場を押し上げている正体です。
日本で「ボロい」と言われる錆びた個体ですら、彼らにとっては「レストアベース」として宝の山に見えているのです。
なお、25年ルール以外にもランクルが世界中で高値取引される「根本的な理由」については、下記の記事で詳しく解説しています。
\ ボロい80が、世界で奪い合いになる理由 /

輸出向け高額査定の条件(ディーゼル・低走行・VX-LTD)

では、どんな80でも高く売れるのでしょうか?
残念ながら、そう甘くはありません。
輸出業者が血眼になって探している「ドル箱車両」と、そうでない車両には明確な差があります。
以下の表に、輸出市場での評価ポイントをまとめました。
| 評価項目 | Sランク(即輸出対象) | Bランク(国内・一部輸出) | Cランク(減額対象) |
|---|---|---|---|
| エンジン | 1HD-T / 1HD-FT(ディーゼルターボ) | 1HZ(ディーゼルNA)、1FZ(ガソリン) | 状態不良のエンジン |
| グレード | VX-LTD、VX | GX | – |
| 走行距離 | 20万km以下 | 20万km〜30万km | 40万km以上、メーター改ざん |
| 外装色 | 純正黒(202)、純正ツートン | オールペン車(質による) | 粗悪な全塗装 |
| ハンドル | 左ハンドル(希少)、右ハンドル | 右ハンドル | – |
| 装備 | デフロック、サンルーフ、背面タイヤ | 標準装備 | 欠品あり |
特に「ディーゼルターボ」は別格
アメリカではガソリンエンジンの80系も販売されていましたが、ディーゼルモデルは販売されていませんでした。
そのため、「1HDエンジンの力強いトルクを味わいたい」という需要が爆発しています。もしあなたの80がディーゼルターボなら、それだけで勝ったも同然です。
逆に、ガソリン車(1FZエンジン)は現地でもタマ数があるため、ディーゼルほどの高騰は見込めません。リッター3〜4kmという極悪燃費も、原油安のアメリカですら敬遠される要因の一つになりつつあります。
走行距離の許容範囲
日本では「10万km」が寿命の目安とされがちですが、輸出市場では20万kmまでは「慣らし運転」扱いです。
30万kmを超えてくるとさすがに価格への影響は出ますが、それでもエンジンさえ調子が良ければ、国内相場より遥かに高い値段がつきます。
「過走行だから廃車かな」なんて考えるのは、現金をシュレッダーにかけるようなものです。絶対にやめてください。
大地編集長のワンポイントアドバイス

私が以前所有していたランクル80は、走行28万kmのディーゼルターボでした。
ある日、興味本位で大手チェーン店で査定したら「この距離だと値段がつかないですね、廃車手数料はサービスしますよ」と、営業マンに爽やかな笑顔で0円提示をされました。彼の目には、私の愛車がただの鉄屑にしか見えていなかったのでしょう。
その足で輸出に強い専門業者に持っていったところ、なんと150万円の値段がつきました。
いいですか、これが現実です。営業マンの笑顔を信じてはいけません。彼らは「安く仕入れる」のが仕事であり、あなたの資産を守る義理はないのです。
自分の車の価値を知らないまま交渉のテーブルに着くのは、丸腰で戦場に行くようなものですよ。
事故歴・修復歴があっても輸出なら売れる?

結論から言うと、売れます。ただし、程度によります。
そして重要なのは、「直してから売る」のは絶対に損だということです。
「修理代>査定アップ額」の法則
例えば、エアコンが壊れているとします。80系のエアコン修理にはコンプレッサー交換などで約15万〜20万円かかります。
しかし、修理して完動品にしたところで、査定額が20万円アップするかといえば、絶対にしません。せいぜい数万円です。
- 噴射ポンプのオーバーホール:約30万円
- ナックルのオーバーホール:約10万円
- 全塗装(オールペン):約50万円
これらは、乗り続けるなら必要な出費ですが、売るなら「そのまま売る」のが正解です。海外バイヤーは独自のパーツルートを持っており、安く直す術を知っています。あなたが高い工賃を払って直す必要はありません。
フレームのダメージは致命傷
ただし、ランクル80の命であるラダーフレームのダメージは別です。
フレームの曲がりや修正跡、そして深刻な「錆(サビ)」にはシビアです。特に下回りの腐食穴は、輸出検査で弾かれるリスクがあるため、大幅な減額対象になります。
それでも、エンジンやミッションが生きていれば、海外では「部品取り車」として驚くほどの価値がつきます。他店で「廃車費用がかかる」と言われた場合でも、諦めずに査定に出してみてください。
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買取専門店と輸出業者の査定差

ここが一番重要です。あなたの80を買う業者は、その車をどこへ売るつもりなのでしょうか?
一般買取店・ディーラーの限界
一般的な中古車店やディーラーは、下取りした車を「国内のオークション」に流すことを前提としています。
彼らの査定額は「国内で売れる相場(中間マージン含む)」を基準にするため、過走行や古い年式の車に対しては、どうしても弱気な金額しか出せません。彼らにとって在庫リスクは恐怖でしかないからです。
輸出専門業者の強み
一方で、輸出ルートを持つ業者は「海外バイヤーへの直販」や「海外オークション」という出口を持っています。
彼らにとって重要なのは日本の相場ではなく、「ドル建ての現地相場」です。円安の局面では特に、国内相場より30万〜50万円以上高い金額を提示できる強さを持っています。
【必見】売却ルート別・特徴比較表
あなたの状況に合わせて、最適な売却ルートを選んでください。大手だから安心、という思考停止が一番の損失です。
| 売却ルート | 輸出対応力 | 査定額期待度 | 電話営業 | おすすめな人 |
|---|---|---|---|---|
| 近所の買取チェーン店 | △ | 低 | 少 | 手続きを丸投げしたい人 |
| 一括査定サイト | ○ | 中〜高 | 多 | 相見積もりを取りたい人 |
| オークション形式(ユーカーパック等) | ◎ | 高 | 少 | 電話回避&高値狙い |
| 廃車・輸出専門店(カーネクスト等) | ◎ | 中 | 少 | 廃車・事故車を現金化 |
輸出業者の選び方や、仕向地による人気の違いについては、下記の記事で詳しく解説しています。
\ 輸出先で買取額が変わる? 驚きのカラクリ /

今後相場はどうなる?手放すタイミング

「もっと待てば、もっと上がるのでは?」
投資的な視点でそう考える方もいるでしょう。しかし、維持費という「見えない損失」を計算に入れていますか?
タマ数減少による希少価値
確かに、状態の良い80系は年々減っており、希少価値は上がり続けています。物理的に台数が増えることはないため、コレクターズアイテムとしての価値は底堅いと言えます。
為替リスクと売り時の判断
しかし、輸出相場は為替相場(円安・円高)の影響をモロに受けます。
極端な円高になれば、海外バイヤーの購買力は落ち、買取相場は一瞬で暴落します。また、アメリカの規制変更や関税強化といった政治的リスクもゼロではありません。
さらに、保有しているだけで以下の維持費がかかり続けます。
- 自動車税(1ナンバー):17,600円/年(※13年超重課税含むとさらにアップ)
- 自動車税(3ナンバー):88,000円〜/年(※13年超重課税)
- 車検費用:10万〜20万円/回
- 燃費リッター5kmのガソリン代
毎年8万円以上の税金を払って、年に数回しか乗らないなら、それは車ではなく底に穴が開いた巨大な貯金箱です。
「値段が上がるのを待つ」間に、これらの維持費が利益を食いつぶしてしまっては本末転倒です。「売りたい」と思った時が、一番の売り時であることは間違いありません。
ランクル80輸出に関するよくある質問(FAQ)

まとめ:手放す時は国内だけでなく世界を見ろ

最後に、ランクル80を安売りしないための鉄則を叩き込みます。
- 「25年ルール」は神風。アメリカ需要を逃すな。
- ディーゼルターボ(1HD)なら、走行30万kmでも現役選手。
- 直すな。傷も凹みも、海外では「勲章」になる。
- 近所の買取店で満足するな。世界と繋がっている業者を選べ。
あなたの愛車は、地球の裏側で第二の人生を輝かせることができる名車です。
それを、日本のスクラップ置き場で朽ち果てさせるのか、それとも中東の砂漠やアメリカの岩場を駆け巡る「現役」として送り出すのか。
その選択権は、オーナーであるあなただけが持っています。
もし手放すと決めたなら、その価値を正当に評価してくれる相手にバトンを渡してください。それが、これまで走ってくれた相棒への最後の礼儀だと、私は思います。
国内の流通網だけでなく、輸出業者が参加するオークション形式などを活用して、愛車の本当の価値を見定めてください。
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なぜ私がここまで辛口な本音を書けるのか?私の過去の失敗と車歴は、下記のプロフィールで赤裸々に語っています。
\ 私がランクルで500万円以上使った失敗談 /

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また、ランクル60や100の輸出事情と比較したい場合は、下記の記事も参考にしてください。
\ 100系も輸出バブル? その条件とは /

\ 60系の輸出相場もヤバいことになってます /
※本記事における買取相場や輸出条件は、執筆時点での市場動向および編集長の実体験に基づくものであり、全ての車両において提示額を保証するものではありません。査定額は車両状態、時期、為替相場により変動します。

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