▼ 記事の要約(3行まとめ)
- 費用は最低800万〜1500万円。 一般的なオートローンは通らず、現金か高金利ローン必須。
- 納期は「未定(最低2年)」。 車検に間に合わせる等の要望は門前払いされる。
- 部品は「製廃」の嵐。 お金があっても直せないリスクと、完成後の盗難リスクが永続する。
最初に残酷な質問をします。
あなたは、目の前のボロボロの鉄塊に「1000万円」と「2年の歳月」を捧げる覚悟がありますか?
もし「なんとなく綺麗にしたい」「予算は300万円くらい」と考えているなら、先輩として全力で止めます。
無理してボロい60に手を出すと、修理地獄で大切なお金をドブに捨てることになりかねません。
あなたのカーライフが「苦痛」であってほしくないのです。
「正直、1000万円も出せない…でもランクルには乗りたい」という方へ。
無理に60に固執せず、毎日500台が入荷する非公開在庫から、故障知らずの「アタリ車両(プラドや100系)」を見つけるのも、立派な資産防衛です。
\ 故障の恐怖におびえたくない人だけ見てください /
ランクル60のフルレストア、特に「フレームオフ」と呼ばれる完全再生は、もはや整備の領域を超えた「文化財修復事業」です。
生半可な覚悟で手を出すと、追加請求の嵐と終わらない納期に心が折れ、資金が尽きて廃車にする末路が待っています。
これは私が50万km走り、数多くのオーナーの栄光と挫折を見てきたからこそ言える事実です。
しかし、その絶望を乗り越えた先には、現代の電子制御されたSUVでは絶対に味わえない、鉄の塊が呼吸するかのようなエンジンの鼓動、金庫のように重厚なドアの開閉音、あなただけの「一生モノの相棒」が手に入ります。
この記事では、ランクル60のフルレストアにかかるリアルな費用、期間、そして多くのオーナーが直面する「部品欠品の絶望」について、包み隠さず解説します。
ランクル60の「フルレストア(フレームオフ)」とは

結論から言うと、フルレストアとは「車をネジ一本まで分解し、新車製造ラインと同じ工程をやり直すこと」です。
巷でよくある「全塗装済み!リフレッシュ中古車」とは次元が違います。
【定義】全塗装とは別次元の「完全再生」
通常の全塗装は「化粧直し」に過ぎません。
対してフルレストアは、ボディとフレームを切り離す「フレームオフ」を行い、普段は見えないフレームの裏側やマウント部分まで手を入れる作業を指します。
人間で言えば、化粧をするか、骨格矯正の手術をするかほどの違いがあります。
【理由】腐食根絶には「ボディ分離」が不可避
ランクル60は製造から40年近く経過し、日本の湿気と塩カルに晒され続けたフレームは、内部から腐食が進んでいます。
ボディを載せたままでの防錆塗装には限界があります。
ボディとフレームの結合部(マウント部分)の錆を落とし、潰れたゴムブッシュを全交換するには、ボディを持ち上げる(フレームオフ)しか物理的に方法がないのです。
【実体験】大地編集長の現場メモ
以前、見た目はピカピカの「全塗装済み60」をリフトアップした時のことです。
下回りを見た瞬間、戦慄しました。
フレームの内側から錆が進行し、指で押すと「メリッ」という音と共に鉄板が崩れ落ちたのです。
まさに「厚化粧の下はボロボロ」の状態。
表面だけのレストアがいかに無意味か、痛感した瞬間でした。
フレームオフをしていない個体は、どんなに外装が綺麗でも「時限爆弾」を抱えていると思った方がいいです。
フルレストアの費用総額と内訳【1000万円の現実】

「新車同様」を目指すなら、車両代別で最低でも800万円、妥協なく仕上げるなら1000万円〜1500万円を用意してください。
これが2025年現在の相場です。
【内訳】車両代別で800万〜1500万円
以下は、ボロボロのベース車両をフルレストアする場合の概算見積もりです。
| 項目 | 費用目安(税込) | 内容・備考 |
|---|---|---|
| 分解・組み付け工賃 | 150万〜250万円 | 全パーツの取り外し、管理、再組み上げ。 |
| フレーム補修・塗装 | 80万〜150万円 | サンドブラスト処理、錆穴の板金、防錆塗装。 |
| ボディ板金・全塗装 | 150万〜300万円 | 腐り箇所の切り接ぎ、下地処理、高級塗料での塗装。 |
| エンジンOH | 80万〜150万円 | ピストンリング、メタル類、パッキン全交換。補機類含む。 |
| ミッション・デフOH | 50万〜100万円 | ギア欠け点検、ベアリング全交換。 |
| 内装フルリメイク | 100万〜200万円 | シート張替え、天井張替え、ダッシュボード補修。 |
| サスペンション一式 | 50万〜80万円 | リーフスプリング、ショック、ブッシュ全交換。 |
| ゴム・消耗部品代 | 50万〜100万円 | ウェザーストリップ、ホース類、ボルト類(欠品多数)。 |
| 合計 | 710万〜1330万円 | ※ベース車両代は含みません |
職人が1年〜2年かけて手作業で鉄を叩き、錆を削り落とす人件費を考えれば、これは適正価格です。
これより安い見積もりは「手抜き」を疑ってください。
【予備費】見積もり+20%の「現金」を用意せよ
レストアの現場では、分解してみて初めて発覚する不具合が必ずあります。
「開けてみたらフロアが錆で抜けていた」
「エンジンのシリンダーブロックにクラックが入っていた」
こうした事態になるたびに、数十万円単位の追加費用が発生します。
ギリギリの予算で始めると、途中で資金が尽きてしまう可能性があります。
【軍資金】レストア貧乏を防ぐ「高額売却」
この莫大な費用を捻出するために、ディーラーの下取り価格を信じてはいけません。彼らは「安く買うプロ」です。
判子を押す前に、自分の車の「本当の価値(最高値)」を知っておくことが、資金計画の第一歩です。
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具体的工程と「納期2年」の覚悟

フルレストアは、以下の手順で進みます。
気の遠くなるような作業の連続です。
【工程】分解から完成まで「6つのステップ」
1ヶ月。部品を保管するだけでも巨大なスペースが必要です。
2〜3ヶ月。ブラスト処理で錆を飛ばし、最強の防錆塗料を塗ります。
6ヶ月〜1年。ここが最大の山場。錆びた鉄板を切り取り、新しい鉄板を溶接して整形します。
2ヶ月。何層にも塗り重ね、新車以上の輝きを出します。
並行して3〜6ヶ月。
3〜6ヶ月。欠品部品の捜索待ちで作業が止まることも日常茶飯事です。
パーツの置き場所問題で、「邪魔!捨てて!」と家族と揉めてしまうのは、レストアあるあるの悲劇です。
レストア期間中だけ、あなただけの秘密基地を確保するのが、家庭円満の秘訣です。
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【納期】「未定」が基本。車検期限は無視
人気ショップには数年分のバックオーダーが溜まっています。
「今から頼んで着手は2年後、完成はさらに2年後」というケースも珍しくありません。
「来年の車検までに」といった期限付きの依頼は断られます。
気長に待てる人しか、この扉を開く資格はありません。
大地編集長のワンポイントアドバイス

編集長の大地です。
はっきり言います。
「予算がないから、とりあえず外装だけ綺麗にして、中身は後回し」という考えは、結果的に一番高くつきます。
60系のような旧車は、内側から腐ります。
見た目だけ全塗装でピカピカにしても、半年後には塗装の下から錆が浮き上がり、エンジンのオイル漏れで駐車場を汚すことになってしまいます。
これでは、せっかくのお金が無駄になってしまいます。
私はこれまで、中途半端なレストア車を買ってしまい、修理地獄に陥って手放したオーナーを何人も見てきました。
1000万円かける覚悟がまだ持てないなら、あえて「ボロのまま乗る(現状維持)」か、潔く諦めて他の車種を楽しむのも、賢い選択肢の一つですよ。
レストア最大のリスク「部品欠品と盗難」

フルレストアにおける敵は、費用や期間だけではありません。
「部品の供給終了(廃盤)」と、完成後の「盗難リスク」です。
【絶望】ゴム・内装・モールは「メーカー廃盤」
ランクル60の純正部品は、すでに多くが製廃(製造廃止)となっています。
特に以下の部品は入手困難です。
- ウェザーストリップ(ゴム類): 窓枠やドア周りのゴム。雨漏り直結の重要部品。
- 内装樹脂パーツ: ダッシュボードやスイッチ類。新品はまず出ません。
- 外装モール類: 程度の良い中古品がヤフオクで数万円で取引される異常事態です。
【対策】世界中からパーツを狩る「執念」
しかし、諦めるのはまだ早いです。
国内で部品が出ない場合でも、オーストラリアや中東、アメリカからリプロダクト品(社外品)を探せば見つかることがあります。
また、どうしても部品がない場合は、ワンオフで作るか、他車種の部品を加工して流用する道もあります。
この「宝探し」を楽しめるかどうかが、レストアの分かれ道です。
【防犯】完成直後の60は「窃盗団の標的」
残酷な現実ですが、1000万円かけてピカピカになったランクル60は、窃盗団にとって「走る金塊」です。
旧車ゆえに最新のセキュリティ(イモビライザー等)がなく、物理的な鍵穴を回せば簡単にドアが開き、直結でエンジンがかかります。
納車されたその日に盗まれる悲劇を避けるため、ハンドルロックやタイヤロックなどの物理的な防犯対策は必須です。
なお、レストアの天敵である「錆」や、見た目を決める「全塗装」の深淵については、ここで語りきれないほど奥が深いです。
それぞれの地獄(詳細)は、以下の記事で解説しています。覚悟のある方はクリックしてください。


ゼロから作るか、コンプリートカーを買うか

ここまで読んで心が折れかけた方に、もう一つの選択肢を提示します。
それは、専門店が製作した「リノベーション済みコンプリートカー」を購入することです。
【持ち込み】理想追求型の「修羅の道」
自分の持ち込み車両をレストアする場合、色、生地、エンジンの仕様まで全て自分の理想通りに作れます。
しかし、前述の通り費用は青天井、期間も数年単位でかかります。
完成するまで乗れない期間が続くのが最大のデメリットです。
【購入】Renocaなら「納期・価格」が確定
FLEXの「Renoca(リノカ)」などは、ある程度パッケージ化されたレストアを提供しており、1000万円以下の予算でも現実的な選択肢となり得ます。
価格が決まっており、完成済み車両なら即納も可能です。
ただし、フレームオフまで行っているかは車両によります。購入前に必ず「整備記録簿」と「レストア中の写真」を確認してください。
ランクル60レストアに関するよくある質問(Q&A)

1000万円という金額に迷っている方へ。
現場でよく聞かれる「不都合な真実」にも正直にお答えします。
【結論】修羅の道を行くか、引き返すか

ランクル60のフルレストアは、現代において最も贅沢で、狂気じみた遊びです。
- 費用は1000万円オーバーを覚悟する。
- 納期は2年以上。気長に待てる余裕が必要。
- 部品探しも楽しむくらいのメンタルを持つ。
この3つの条件をクリアできる人は、日本にそう何人もいません。
だからこそ、完成した暁には、世界に一台だけの、新車を超えた輝きを放つ60があなたのものになります。
その車は、適切にメンテナンスすれば、あなたの孫の代まで走り続ける「資産」となるでしょう。
もし、この修羅の道に進む覚悟が決まったのなら、まずは信頼できるショップ探しから始めてください。
それが成功の9割を決めます。
なぜ私がここまで辛口な本音を書けるのか?私の過去の失敗と車歴は、下記のプロフィールで赤裸々に語っています。

この記事を読んで「やっぱり60しかない!」と思った同志よ。
いつかどこかのオフ会で、ピカピカの60を見かけたら声をかけさせてください。
ランクル60のカスタムや維持に関する総合的な解説に戻る場合は、下記の記事を参考にしてください。

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