毎年5月に届く自動車税の封筒を見て、怒りで手が震えたことはありませんか?
4,000ccのガソリンエンジンを積むランクル60(FJ62G)の場合、13年超の重課税を含めると年間101,200円。ただ置いておくだけで、財布から10万円以上が消えていきます。奥様の冷ややかな視線に耐えながら、「来年こそは手放すしかないか…」と枕を濡らす夜はもう終わりにしましょう。
「1ナンバー(貨物)にすれば税金が1万6千円になる」
この甘い言葉に惹かれて構造変更を検討する気持ち、痛いほど分かります。しかし、そこには「毎年車検の刑」と「高速料金の値上げ」、そして「外したシートの保管場所問題」という、営業マンがあまり語りたがらない「不都合な真実」が隠されています。
この記事では、ランクル60を3ナンバーから1ナンバーへ構造変更する際のリアルな費用と、維持費の損益分岐点をシミュレーションします。
結論から言えば、「毎日高速道路に乗る人」以外は、1ナンバー化した方がトータルコストは圧倒的に安くなります。
あなたのランクルライフを「維持費地獄」から救い出し、家族の笑顔を取り戻すための判断材料を、すべてここに置いておきます。
▼ この記事の要約(3行)
- 自動車税は年10万円→1.7万円に激減するが、毎年車検の手間が増える。
- 高速料金は中型車扱いで約1.2倍になり、休日割引も消滅する「地獄」が待っている。
- 構造変更にはLTタイヤやJWL-Tホイールが必須。事前の保険確認を怠ると無保険リスクも。
1ナンバー(貨物)登録とは?3ナンバーとの決定的違い

結論から言います。1ナンバー化は「税金貧乏」から脱出する唯一の特効薬ですが、同時に「快適なカーライフ」を捨てる覚悟が必要です。
1ナンバーとは、車検証の「用途」が「貨物」となる登録区分のことです。
ランクル60(ワゴンモデル)を貨物登録することで、税制上の扱いが乗用車からトラックと同じ扱いになります。最大のメリットは自動車税の激減ですが、それと引き換えに失うものも明確です。まずは基本スペックの違いを直視してください。
メリット・デメリット比較表
| 項目 | 3ナンバー(乗用) | 1ナンバー(貨物) | 判定 |
|---|---|---|---|
| 自動車税(年額) | 101,200円 | 17,600円 | ◎ 圧勝 |
| 重量税(年額換算) | 約25,200円 | 約15,000円 | ◯ 少し安い |
| 車検頻度 | 2年に1回 | 1年に1回 | × 面倒 |
| 自賠責保険(年額) | 約10,000円 | 約17,000円 | △ 高くなる |
| 高速道路料金 | 普通車料金 | 中型車料金(約1.2倍) | × 高い |
| 高速休日割引 | 適用あり | 適用なし | × 最悪 |
| 乗車定員 | 5人〜8人 | 2人〜5人 | △ 3列目撤去 |
このように、固定費(税金)は劇的に下がりますが、変動費(高速代)と手間(車検)が増えるのが特徴です。
私自身、初めての1ナンバー車検の通知が来たとき、「えっ、もう1年経ったの?」と絶望しました。このサイクルの速さは想像以上です。
ランクル60を1ナンバー化する構造変更の要件

3ナンバーのランクル60をそのまま陸運局に持ち込んでも、1ナンバーにはなりません。
「貨物車」として認められるためには、物理的な構造変更が必要です。ここがDIY派にとって最初のハードルとなります。
1. 3列目シートの完全撤去と「保管場所問題」
貨物車は「床面積の半分以上が荷室」でなければなりません。
そのため、サードシート(3列目)がついている車両は、これを台座ごと取り外す必要があります。これにより乗車定員は最大でも5名になります。
ここで問題になるのが、「外したシートをどこに置くか」です。
将来売却する際や、3ナンバーに戻したくなった場合、純正シートがないと査定額が暴落します。しかし、ランクル60のサードシートは巨大で重く(約30kg)、アパートのベランダにはとても置けません。しかも固定ボルトは30年の時を経てガチガチに固着しています。「シートを保管する物置があるか」「ボルトをねじ切らずに外せる腕があるか」が、隠れた第一関門です。
2. セカンドシートのリクライニング固定(または制限)
意外と知られていないのがこれです。
荷室を確保するために、セカンドシートを一番後ろまで下げた状態でも、荷室スペースが座席スペースよりも広くなければなりません。
場合によっては、リクライニング機能を殺す(固定金具を入れる)か、スライド量を制限する加工が必要になります。後部座席の家族からは「背もたれが直角すぎて寝られない」と不満が出る覚悟をしてください。
3. 最大積載量のステッカー表示
リアゲートに「最大積載量〇〇kg」という表示が必要です。
手書きでも車検に通ることはありますが、カー用品店で売っているステッカーを貼るのが無難です。
4. 貨物用タイヤ(LTタイヤ)とホイール(JWL-T)
ここが一番の出費ポイントです。
足元には、重い荷物を支えられる「LT(ライトトラック)タイヤ」の装着が義務付けられます。乗用車用タイヤでは車検に通りません。 また、ホイールにもトラック規格の強度証明である「JWL-T」の刻印が必須です。社外アルミホイールを履いている場合は、この刻印があるか今すぐ確認してください。
車検に通るLTタイヤは、実店舗で買うと高額になりがちです。構造変更の費用を抑えるなら、ネット通販で安く入手して持ち込むのが賢い選択です。
\ 輸入LTタイヤなら4本で2〜3万円浮くことも /
大地編集長のワンポイントアドバイス

1ナンバー化で一番揉めるのが「任意保険」です。
私も経験がありますが、3ナンバーから1ナンバーに構造変更すると、ネット型保険(ダイレクト系)の多くで「Web継続手続き不可」になったり、最悪の場合は「引受拒否」を食らったりします。
「型式不明」や「改」がつかなくても、用途車種が変わることで、これまで適用されていた「年齢条件(35歳以上補償など)」が外れ、「全年齢補償」しか選べなくなる保険会社もあります。その場合、保険料が年額5万円から15万円に跳ね上がり、税金の節約分がすべて吹き飛びます。
構造変更してから保険会社に電話すると、「えっ、継続できません」と言われて無保険になるリスクがあります。必ず、着手する前に保険会社へ「1ナンバーに変更予定だが、等級継承と条件はどうなるか?」を確認してください。
これをやらずに税金だけ見て突っ走ると、マジで泣きを見ますよ。
構造変更前に、まずは現在の保険等級が引き継げる保険会社を探しておくことが必須です。無保険期間を作らないよう、早めに見積もりをとって確認しておきましょう。
\ 無料・60秒で1ナンバー対応の保険会社を探す /
1ナンバー化のデメリット|高速料金と毎年車検の現実

ここでは、きれいごとは抜きにして、1ナンバー化による「痛み」を具体的に解説します。
高速道路料金が「中型車」になる地獄
ランクル60のような大型クロカンが1ナンバーになると、高速道路の車種区分は「普通車」から「中型車」に格上げ(?)されます。
これにより、料金は約1.2倍になります。
さらに痛いのが、「休日割引(30%OFF)」が適用されなくなることです。
週末に遠出をしてキャンプに行くような使い方がメインの場合、往復の高速代の差額だけで年間数万円の損が出ます。深夜割引は適用されますが、休日の昼間に動く人にとっては大きな痛手です。
私はこれを忘れて高速に乗り、出口のゲートが開かず、後続車に白い目で見られながら係員に詰められた経験があります。ナンバーが変わったのにETC情報を更新しないと、最悪の場合「不正通行」として扱われます。構造変更と同時に必ずカー用品店で再セットアップを行ってください。
毎年車検という「手間」のコスト
「車検代も安いんでしょ?」と聞かれますが、これは半分正解で半分間違いです。
重量税などは安くなりますが、整備費用(点検工賃)は毎年発生します。
自分である程度ユーザー車検を通せる人なら印紙代と自賠責だけで済みますが、毎回ショップに依頼する場合、代行手数料(1.5万〜3万)が毎年かかります。
何より、「また車検か…」という心理的ストレスは馬鹿になりません。
維持費シミュレーション|損益分岐点はどこか?

では、実際にいくら得するのか計算してみましょう。
費目ごとの維持費比較(概算)
| 費目 | 3ナンバー(2年総額÷2) | 1ナンバー(1年総額) | 差額(1ナンバーの得) |
|---|---|---|---|
| 自動車税 | 101,200円 | 17,600円 | +83,600円 |
| 重量税 | 25,200円/年 | 15,000円/年 | +10,200円 |
| 自賠責 | 10,000円/年 | 17,000円/年 | -7,000円 |
| 車検整備費 | 30,000円/年(2年に1回6万) | 40,000円/年(毎年4万) | -10,000円 |
| 合計 | 約166,400円 | 約89,600円 | 約 +76,800円 |
結論:年間約7〜8万円の節約になる
車検の手間賃や自賠責の高さを含めても、自動車税の圧縮効果が強烈すぎるため、年間で7〜8万円ほど維持費が安くなります。
ただし、ここに高速料金の差額が入ってきます。
年間7万円の差額を埋めるには、高速道路で相当な距離を走る必要がありますが、「月2回のキャンプ(往復高速)」程度なら、それでも1ナンバーの方が安い計算になります。深夜割引(0時〜4時)を駆使して高速代を浮かせようとするのも、ランクル乗りの悲しい性(さが)ですよね。
逆に、「毎日通勤で高速を使う」「仕事で長距離移動する」という人は、中型車料金の差額でメリットが相殺される可能性があります。
構造変更の具体的な手順と費用

実際にショップに依頼する場合と、自分でやる場合の流れです。
結論を言えば、「ショップに丸投げ」が一番賢い選択です。自分でやろうとすると、有給休暇を最低2日はドブに捨てることになります。
1. ユーザー車検(DIY)の場合
- メリット: 費用が安い(代行手数料が浮く)。
- デメリット: 陸運局の検査官はプロ相手の対応が基本なので、素人には冷たい(と感じる)。書類作成が複雑怪奇。測定レーンでミスると後ろの業者から舌打ちされるプレッシャー。
- 費用: 法定費用+ナンバー代のみ。
2. ショップに依頼する場合
- メリット: 確実。構造変更に必要な書類(最大積載量の計算書など)も全てやってくれる。
- デメリット: 費用がかかる。
- 費用相場: 通常の車検費用 + 構造変更手数料(2万〜5万円)
構造変更は、通常の継続車検とは異なり「検査ライン」を通す必要があります。サイズや重量を測り直すため、一発で通らないリスクも高いです。数万円の手数料は「安心と時間」を買うと思えば安いものです。プロに任せましょう。
ランクル60をより深く知るための関連記事
1ナンバー化は維持費削減の特効薬ですが、ランクル60には他にも「ディーゼル規制」や「そもそもの維持費」という高いハードルがあります。
特にディーゼル車の場合、1ナンバー化してもNOx・PM法で乗れない地域があるため注意が必要です。
ランクル60の維持費全体像や、ディーゼル規制の解除方法については、下記の記事で詳しく解説しています。
\ 年間100万円!? 60維持費のリアルを見る /

\ あなたの地域は大丈夫? 規制エリアを確認 /

\ 1ナンバーと3ナンバー、結局どっちが得? /
\ ランクル80オーナーはこちらの記事へ /

ランクル60 1ナンバー化に関するよくある質問(Q&A)

最後に、現場でよく聞かれる質問に、大地編集長が本音で回答します。
まとめ:税金を払うために乗るな、乗るために税金を削れ

ランクル60の維持において、1ナンバー化は「最強の延命措置」です。
毎年車検の手間は増えます。高速料金も上がります。後部座席は少し窮屈になるかもしれません。
それでも、毎年10万円の税金を払うストレスから解放されることの意味は大きいです。
その浮いた8万円で、家族と美味しいものを食べに行ったり、壊れかけたオルタネーターを予防交換したりできます。
- 自動車税が年額10万→1.7万へ激減する。
- トータルで年間7〜8万円の維持費削減が見込める。
- 手間は増えるが、それは愛車と向き合う時間が増えるということ。
もしあなたが、「税金が高すぎて維持できないから手放そうか…」と悩んでいるなら、迷わず1ナンバー化して乗り続けてください。
ランクル60は、手放したら二度と手に入らない、日本の自動車文化遺産です。税金ごときに負けて、この名車を手放すことだけは避けてください。
なぜ私がここまで「維持費の現実」にこだわるのか?それは、私自身が過去に維持費で苦しみ、それでもランクルを愛し続けてきたからです。私の泥臭い車歴と失敗談は、下記のプロフィールで赤裸々に語っています。
\ 私が維持費の鬼になった「痛い失敗談」 /

もしこの記事が、あなたのランクルライフを救うきっかけになれば嬉しいです。
役に立ったと思ったら、SNSでシェアして同じ悩みを持つオーナー仲間に教えてあげてください!
それでは、また次の記事で。フィールドでお会いしましょう。
ランクル60の総合的な解説や、中古車選びのポイントに戻る場合は、下記の記事を参考にしてください。
\ 60購入前に知っておくべき全知識 /

▼ 免責事項
本記事の情報は執筆時点(2026年)の法令・税制に基づきます。
構造変更の要件や税額は地域や年式により異なる場合があります。
DIYでの作業や構造変更申請は自己責任で行ってください。

コメント