「インスタで見かけるあのスタイル、かっこいいけど実際どうなの?」
深夜2時。隣で寝ている妻を起こさないように、ベッドの中でスマホの光度を下げ、ルーフテントを載せたランクルの画像を眺めているあなたに。
歴代ランクルで地球12周分(50万km)を走り、数々の失敗で財布を痛めてきた私から、まずは残酷な結論をお伝えします。
初期費用は最低50万円。そして、イオンの立体駐車場には二度と入れなくなります。
週末の買い出しで、雨が降っているのに「高さ制限2.1m」のバーに阻まれ、屋根のない遠くの駐車場へ回る時の、助手席からの冷ややかな視線。
それがどれほどの家庭内不和を生むか、想像できていますか?
脅すつもりはありませんが、「こんなはずじゃなかった」と後悔し、なけなしの小遣いで買ったギアを半年で手放してほしくないからこそ、あえて厳しい現実を先に伝えます。
オーバーランドスタイルとは、単なるファッションではなく「生活の利便性を捨てて、移動の自由を得る」ための覚悟のカスタムです。
この記事では、現役ランクル250オーナー兼編集長の私「大地」が、憧れのスタイルの「不都合な真実」と、それでも挑戦したい人のための「失敗しない始め方」を解説します。
これを読めば、見た目だけのカスタムで100万円をドブに捨てる悲劇を回避できます。
【30秒でわかるこの記事の結論】
- 費用感:テント+ラック+周辺装備で50万円〜(世帯年収800万でも痛い出費)
- 最大のリスク:「全高2.1m」を超え、街乗り・洗車機がNGになる
- 正解ルート:いきなりテントを買わず、まずは「車内泊」から始める
ランクルの歴史を知らずに乗るのは、地図を持たずに航海に出るのと同じです。
「なんとなく」で選んで後悔する前に、歴代モデルの「血統」と「資産価値」の全貌を頭に入れておいてください。
\ 失敗しないモデル選びの答え合わせ /

オーバーランドとは「移動する生活」|キャンプとの違いは自立性

結論から言うと、オーバーランドとは「目的地(キャンプ場)での滞在」ではなく、「旅のプロセス(移動)」そのものを目的とするスタイルのことです。
キャンプは「点」、オーバーランドは「線」の旅
一般的なオートキャンプは、A地点からB地点(高規格キャンプ場)へ移動し、そこでテントを張ってBBQを楽しむことがゴールです。
一方、オーバーランドは、未舗装路や荒野を含めた長い距離を、車中泊を繰り返しながら移動し続ける「旅」です。
オーストラリアや北米の広大な荒野を数週間かけて横断する文化が発祥ですが、日本では「予約合戦に疲れたキャンパー」の最終到達点として定着しつつあります。
インフラに頼らない「完全自立」が条件
電気、水、食料、そして寝床。
これら全てを車一台に積載し、インフラのない場所でも数日間自活できる装備を持つことが条件です。
日本では「法的に野宿できる場所」はほぼありませんが、その「どこへでも行ける機能美」をカスタムに取り入れ、車中泊旅を楽しむスタイルです。
日本での残酷な現実|全高2.1m制限と燃費リッター3kmの代償

憧れのスタイルを実現するためには、以下の「痛み」を受け入れる必要があります。
これはカタログには載っていない、現場の真実です。
| 項目 | 現実(デメリット) | 具体的な数値 |
|---|---|---|
| 高さ制限 | 立体駐車場・洗車機NG | 車高2.1m〜2.3m超が確実 |
| 重量増 | 燃費悪化・ブレーキ負担増 | 常に大人2人分(100kg〜)積載 |
| 重心 | コーナリングでのロール増 | ルーフに50kg以上の重量物 |
| 費用 | 初期投資が非常に高額 | テント+ラックで50万円〜 |
【高さ制限】イオンに入れない生活と洗車機の拒絶
ルーフトップテントとルーフラックを装着すると、リフトアップしていなくても全高は2.1mを超えやすくなります。
これは、都市部の多くの立体駐車場(ショッピングモールやコインパーキング)に入れないことを意味します。
さらに絶望的なのが「洗車機」が使えなくなることです。
泥だらけになった巨大なランクルの屋根を、毎週脚立に乗って手洗いする覚悟はありますか?
冬場の洗車は修行そのものです。その労力は、想像以上にあなたの腰と休日を削り取ります。
【燃費悪化】リッター3km台の絶望と航続距離
空気抵抗の塊であるテントを屋根に載せ、満載の荷物を積めば、燃費は劇的に悪化します。
私のランクル80の場合、リッター5km台が3km台まで落ち込みました。
今のガソリン価格(170円/L)で計算すると、1,000km走るごとに約2万円も余計にガソリン代が消える計算です。
また、屋根上の重量物は重心を上げます。カーブを曲がるたびにグラッとくる「不快なロール(横揺れ)」は、助手席の家族を車酔いさせる原因になります。
必須装備と初期費用|テント・オーニング・冷蔵庫で最低50万円

それでもこのスタイルを貫くなら、以下の装備は必須です。
これらは「映え」のためではなく、旅を継続するための機能部品です。
【三種の神器】テント・オーニング・冷蔵庫の役割
- ルーフトップテント(または車内ベッド)
設営・撤収が「3分以内」で終わることが重要です。毎日移動する旅において、ペグ打ちは時間の無駄です。ARBやiKamperなどの信頼できるブランドを選ぶと、ここだけで30万〜50万円飛びます。 - サイドオーニング
雨や強烈な日差しを遮り、車の横を即座にリビングにします。これも展開スピードが命です。 - 車載冷蔵庫
クーラーボックスの氷を毎日探すストレスから解放されます。生鮮食品を数日間保存できることは、食生活の質(=旅のモチベーション)に直結します。
【ライフライン】水と電気がないと「ただの野宿」
- ウォータータンク: 飲料水とは別に、手洗いや食器洗い用の生活用水を20L以上確保します。
- ポータブル電源: 冷蔵庫を稼働させ、PCやカメラを充電するために必須です。走行充電システムと組み合わせるのが理想です。
【資金計画】ガレージの肥やしを「50万円」に変える
カスタム費用を捻出するために、生活費を削るのはナンセンスです。まずはガレージに眠っている「使わないキャンプ道具」や「純正ホイール」を現金化してください。
「いつか使うかも」という道具が、新しい旅の資金に変わります。
\ ゴミをお金に変えてカスタム資金へ /
>>あなたのお家のいらないものをお金に変える・最短即日対応【錬金堂】
【編集長の警告】いきなりテントを買うな、まずは車で寝ろ

はっきり言いますが、いきなり高価なルーフトップテントを買うのはやめなさい。
「カッコいいから」という理由は立派な動機ですし、その気持ちは痛いほど分かります。私も最初はそうでした。
しかし、インスタの「映え」や見た目だけで50万円のテントを載せると、普段の風切り音(ヒューヒューという不快音)と重心の高さにストレスを感じて1年で売却することになりかねません。
まずは、車内のシートを倒して、銀マットと寝袋だけで寝てみてください。
ただし、寝床だけはケチってはいけません。
ペラペラの銀マットで翌朝「腰が砕けるような痛み」を味わうと、旅自体が嫌になります。
テントの10分の1の価格で、「自宅以上の快眠」が手に入るなら安い投資です。
\ 翌朝、腰痛で旅を台無しにしたくない人へ /
これで「狭い」「荷物の移動が面倒」と心底感じて、それでも「もっと旅を続けたい」と思った時初めて、テントの購入を検討すべきです。
オーバーランドは「不便を楽しむ」ものではなく、「不便を機能で解決する」スタイルです。自分の旅のスタイルが固まる前に形から入ると、間違いなく後悔しますよ。
【車種別】ランクル・プラドごとの「正解」と「泥沼」

ここまで装備の話をしてきましたが、ベースとなる車両によって「似合うスタイル」も「維持の地獄度」も異なります。
特にタイヤ選びを一歩間違えると、「車検に通らない」「立体駐車場に入れない」という最悪の事態を招きます。
自分の相棒に合わせた「正解ルート」を、以下の記事で確認してください。
■ 250系:最新にして最強の優等生
納車されたばかりの私が断言しますが、250はノーマルでも十分「旅」ができます。しかし、カスタムの誘惑(沼)は深いです。
\ 納車待ちの人は必読 /

■ 70系:不便を愛する変態(褒め言葉)の極致
再販・再々販問わず、70に乗るなら「積載」の工夫が命です。無骨なスタイルを極めたいならこちら。
\ 貨物車の宿命と付き合う /
■ 80系・60系:走る世界遺産と旅する覚悟
壊れます。間違いなく壊れますが、直してでも乗り続けたい「色気」があります。維持の覚悟を決めた人だけクリックしてください。
\ レッカー代も旅費の一部 /
■ 足回りと積載の基礎知識
タイヤサイズを間違えると、ハンドルを切った瞬間にインナーフェンダーと接触して泣きを見ます。
\ ディーラー出禁にならないための教科書 /

Q&A|車検・寒さ・普段使いのリアルな疑問

検索候補(サジェスト)や現場で頻出する、購入前のリアルな疑問に本音で答えます。
まとめ|不便を買って「圧倒的な自由」を手に入れる

最後にもう一度、オーバーランドスタイルを実践するための「鉄則」を復習しましょう。
- 2.1mの壁: 生活圏の駐車場に入らなくなる覚悟を持つ。
- まずは車内泊から: いきなりテントを買わず、自分の旅のスタイルを見極める。
- 機能美の追求: 設営・撤収の速さを最優先にギアを選ぶ。
で、結局どうすればいい?
まずは今すぐ、「自宅の車庫」と「よく行くスーパーの駐車場」の高さをメジャーで測ってください。
そこが2.3m以上あるなら、あなたは選ばれし者です。今すぐカスタム計画を立てましょう。
不便で、金がかかり、燃費も悪い。
しかし、その対価として手に入る「どこでも寝られる自由」と「圧倒的な非日常感」は、あなたの人生を間違いなく豊かにしてくれます。
さあ、最高の相棒と、地図にない旅へ出かけましょう。
編集長厳選ギア|暗闇と通信遮断を防ぐ「命綱」2選

オーバーランドの夜は暗く、移動は長いです。
私が実際に使って「これは必須だ」と感じた機能パーツを紹介しておきます。
暗闇を昼間にする最強ライト
真夜中の山奥でパンクした時、スマホのライトだけで作業できますか?「光量=命」です。
安物を買って肝心な時に点かない恐怖を味わう前に、本物のギアを一本持っておいてください。
\ 真っ暗闇のトラブルで絶望したくない人へ /
移動中も途切れない通信環境
電波の悪い山間部でも、Googleマップと家族への連絡手段だけは確保してください。
月額契約の縛りがなく、「旅に出る時だけ」課金できるのが最強のメリットです。
\ 毎月の通信費をドブに捨てたくない人へ /
>>契約不要・月額費用0円!バッテリーレス車載Wi-Fiルーター
なぜ私がここまで辛口な本音を書けるのか?私の過去の失敗と車歴は、下記のプロフィールで赤裸々に語っています。

免責事項
※本記事の情報は執筆時点のものです。道路運送車両法の解釈は地域や検査官により異なる場合があります。カスタムを行う際は、必ず管轄の陸運支局または専門ショップにご確認ください。DIY作業による事故や故障について、当メディアは一切の責任を負いません。
もしこの記事が、あなたのカスタムの方向性を決める一助になれば嬉しいです。
SNSでのシェアや、「こんな装備で旅してます!」というメッセージもお待ちしています。次の記事を書く原動力になります!
ランドクルーザーの歴史や全モデルの解説に戻る場合は、下記の記事を参考にしてください。
\ 失敗しないモデル選びの答え合わせ /


コメント