結論から言います。
Renoca(リノカ)をはじめとする80/100系ベースの60フェイスは、「中身が新しいから壊れない」わけではありません。
普通に壊れる立派な旧車です。
「ランクル60の見た目は最高だけど、古すぎて家族を乗せるのは不安だ…」
そんな葛藤から、中身が(少しだけ)新しいコンプリートカーに逃げようとしていませんか?
本記事では、歴代ランクルで50万kmを走破し、現在も現場で車を触る筆者(編集長の大地)が、本物のランクル60とRenoca(80/100ベース)の「維持費・乗り心地・リセールの現実」を忖度なしで比較します。
この記事を読めば、購入後に「こんなはずじゃなかった」と数十万円の修理代に絶望する未来を回避し、あなたのライフスタイルに最適な「本物か、Renocaか」の決断を下すことができます。
【この記事の要約(3秒でわかる不都合な真実)】
- 中身の現実:80も100も20万km超えの旧車。高額修理からは逃げられない。
- リセール:「本物の60」は究極の資産。「Renoca」は改造車扱いのリスクあり。
- 乗り心地:家族から文句が出ない安全性・快適性なら、Renocaの圧勝。
なお、Renocaを含めたランクル60のカスタム全般の全貌については、下記の記事で網羅的に解説しています。

ランクル60 Renoca(リノカ)とは?80/100ベースの違い

結論から言います。
Renoca(リノカ)とは、ランクル専門店「FLEX」が手掛けるリノベーションカーの名称です。
ランクル80をベースにした「Wonder」や、ランクル100をベースにした「106」など、高年式(と言っても旧車ですが)のシャーシに、ランクル60風のフロントフェイス(丸目や角目)を移植したコンプリートカーを指します。
コンセプトは「いいクルマを自分らしくデザインして長く乗る」という素晴らしいものです。
ただし、知っておくべきは「ベースはあくまで80系や100系である」という事実です。
【メリット】コイルサスと安全装備の圧倒的安心感
本物の60(特に前期・中期)は板バネ(リーフスプリング)を採用しており、トラックのような突き上げがあります。
しかし、Renocaのベースとなる80系はコイルスプリング、100系に至っては独立懸架やAHC(アクティブハイトコントロール)を採用しているため、乗り心地は現代の車にかなり近いです。
また、100系ベースであればエアバッグやABSが標準装備されており、家族を乗せる上での安全性は本物の60よりも圧倒的に高いです。
【デメリット】本物と並ぶとバレる骨格とプレスの違い
「パッと見は60」ですが、本物の60オーナーから見れば一目で違いが分かります。
特にボンネットの高さ、フェンダーの膨らみ、そしてサイドのプレスラインはベース車の骨格に依存するため、完全な60の再現は物理的に不可能です。
「ランクル60風」であって、本物ではありません。
ランクル60 Renocaの維持費は年間60万!本物との費用比較

ここからは、綺麗なカタログには載っていない「リアルな維持」の観点で比較します。
【比較】快適性のRenocaと資産価値の本物
| ランクル60 vs Renoca 維持費比較 | 本物のランクル60 | Renoca(80/100ベース) |
|---|---|---|
| 車両本体価格 | △ 300万〜600万円超 | △ 350万〜500万円 |
| 納期(製作待ち) | △ 個体探しで数ヶ月 | × オーダー後半年〜1年 |
| 乗り心地・快適性 | × トラック(板バネ) | ◎ 快適(コイルサス等) |
| 安全性(エアバッグ等) | × 装備なし | ◎ 装備あり |
| 故障頻度・修理リスク | × 極めて高い | △ 高い(20万km超の旧車) |
| 年間維持費目安 | × 50万〜80万円 | △ 40万〜60万円 |
| 売却時のリセール | ◎ 爆上がり(資産防衛) | × 改造車扱い(消費財) |
表の通り、「家族を乗せる快適性・安全性」なら圧倒的にRenoca、「資産価値(リセール)」なら本物のランクル60という明確な結論です。
【警告】中身が新しいから壊れないという甘い幻想
どちらを買うにせよ、「中身が新しいから壊れない」という幻想は今すぐ捨ててください。
ベースとなるランクル80は1989年〜1997年、ランクル100は1998年〜2007年の生産です。「60よりはマシ」というだけで、オイル漏れ、オルタネーターの突然死など、30万円〜50万円コースの高額修理はいつ起きてもおかしくありません。
こうした高額修理に備え、削れる固定費は徹底的に削るのが旧車乗りの鉄則です。
自動車保険はディーラー任せにせず、ネットで一括比較するだけで年間数万円安くなるケースが多々あります。浮いたお金は全額、必ず来る「修理貯金」に回してください。
\ 突然の高額修理は旧車の宿命。無駄な保険料を削り、その分を「修理貯金」に回して愛車を守り抜いてください /
ランクル60 Renocaの自作は地獄!顔面スワップの全工程

Renoca等のコンプリートカーが高いからといって、「安い80系のベース車両と60の顔面パーツを買って、DIYや知り合いの工場で安く作ろう」などと考えていませんか?
そのお気持ちは痛いほど分かりますが、顔面スワップ(移植)の現場は想像以上に過酷です。泥臭い現実を解説します。
【現実】ベース車両破壊から始まる泥臭い作業手順
プラモデルのように、バンパーやフェンダーを外して新しいパーツをネジ止めするだけの簡単な作業ではありません。具体的な工程は以下の通りです。
80や100のライト周りの骨格である「コアサポート」は形状が全く違うため、サンダーを使って車体の骨格を容赦なくぶった切る大工事からスタートします。
丸みを帯びた80/100のボディに、角張った60のフェンダーとボンネットを繋ぎ合わせます。
当然、そのままでは絶対に合いません。数ミリのズレでボンネットが閉まらなくなるため、鉄粉とパテまみれになりながら、ハンマーで叩き出しと切断・溶接を永遠と繰り返す地獄の板金作業です。
経験のない方がDIYで挑むと、チリが合わずツギハギだらけの仕上がりになるリスクが非常に高いです。
車体の全長や幅、ライトの位置が変わるため、完成してもそのままでは公道を走れません。
厳格な「構造変更(公認)」の審査を受ける必要があります。強度が不足していればハネられ、光軸も出ずに車検落ちの連続です。
これをサボれば「違法改造車」となり、事故時に任意保険も下りない最悪の事態に陥ります。
万が一DIYで骨格の強度を落とせば、高速走行中にボンネットが開いたり顔面が崩壊する危険があります。
FLEX等のコンプリートカーが高いのは、この「地獄のようなワンオフ板金作業と公認取得」をプロが確実にやっている技術代なのです。
大人しくプロの完成品を買うのが一番安上がりで安全です。そのためには、まずは足元を見られないよう今の愛車を限界まで高く売り、確実な軍資金を作ってください。
\ ディーラーの下取りでは「改造車」として買い叩かれがちです。相場を知らずに数十万円をドブに捨てる前に /
ランクル60 Renocaを選ぶべき人・本物が向いている人

これまでの事実を踏まえ、どちらを選ぶべきかの基準を明確にします。
【Renoca】家族の笑顔と「快適な移動」を最優先する人
- 家族からのクレーム(乗り心地・エアコンの効き)を回避したい人
- 万が一の事故に備えて、エアバッグやABSの安全装備が必須な人
- 納車まで半年〜1年の期間を気長に待てる人
【本物】匂いや不便さを愛し「資産価値」を守り抜く人
- 一部のマニアから「オリジナルではない」という視線を向けられることに、少しでも抵抗がある人
- 重いステアリング、エンジン音など「旧車の不便さ」を愛せる人
- 経営者層など、数年後のリセールバリュー(節税・資産防衛)を最優先する人
▼大地編集長のワンポイントアドバイス
現場の車屋としての本音を言わせてもらいます。
「故障が怖いからRenocaにする」という消極的な理由で選ぶなら、絶対にやめた方がいいです。
80も100も、お金のかかる立派な旧車です。「中身が新しいから維持費が安い」なんてことはあり得ませんし、ランクルである以上、古典的な手口での盗難リスクも常に付き纏います。
もしあなたが「60の形が好きだけど、絶対に家族を快適に乗せたい」という明確な目的があるならRenocaは最高の選択になります。
しかし、ランクル乗りの集まりに行ったとき、隣に本物の60が並んでも「自分は家族のためにこのスタイルを選んだ」と、純粋に胸を張れるか。そこを自分の胸によく聞いてみてください。
ランクル60 Renocaのベース車を知る関連記事

Renocaを検討するなら、ベースとなる80系や100系の丸目カスタムの特徴、そして本物の60の丸目・角目の違いを正確に把握しておく必要があります。
それぞれのベース車両の特性や、本物のフェイスデザインの歴史的背景を理解しなければ、高いお金を払って後悔することになります。
本物の60が持つ顔つきの歴史的背景や、角目から丸目への換装などリアルな60のフェイスについて知りたい場合は、下記の記事でその違いを詳しく解説しています。

また、乗り心地や安全性を重視して80系をベースに丸目化(Renoca Wonderなど)を検討している方には、その具体的なカスタム費用や注意点を以下の記事でまとめています。

さらに、より現代的な装備と旧車のスタイルを両立させたいと100系ベースの丸目化(Renoca 106など)に興味がある方は、こちらの記事で詳細をご確認ください。

ランクル60 Renocaに関するよくある質問(Q&A)

まとめ:ランクル60 Renocaで後悔しないための最終結論

最後にもう一度、「本物かRenocaかで後悔しないための鉄則」を復習しましょう。
- 中身の現実:80も100も立派な旧車。「中身が新しいから壊れない」は幻想。
- 安全性と快適性:家族を安全に乗せるなら、エアバッグ・コイルサスのRenoca一択。
- リセールバリュー:歴史的価値を持つ「本物の60」の圧勝。Renocaは改造車扱い。
- 世間体:マニアからの視線も受け止め、己のスタイルを貫く覚悟が必要。
で、結局これからどうすればいい?
本物の60を選ぶにせよ、家族のためにRenocaを選ぶにせよ、乗り出しには最低でも350万〜500万円という高額な資金が必要です。
資金計画を間違えれば、購入後の高額な修理代に耐えられず、すぐに手放す羽目になります。
だからこそ、まずは今の愛車が「いくらで売れるのか」、正確な相場(軍資金)を把握することから始めてください。
私が過去の乗り換えで身をもって学んだのは、「下取りに出す前に、必ず買取専門店の相場を知っておくべき」だということです。
\ 資金不足で家族を泣かせないために。まずは今の愛車の「本当の価値」を正確に把握しておきましょう /
本物の60も、Renocaも、維持にはお金と手間がかかります。
しかし、その苦労を乗り越えてガレージに収まった「60フェイス」のランクルを眺める時間は、他では絶対に味わえない最高の贅沢です。覚悟を決めて、一生モノの相棒を手に入れてくださいね。
なぜ私がここまで辛口な本音を書けるのか?私の過去の失敗と車歴は、下記のプロフィールで赤裸々に語っています。

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Renoca以外の選択肢も含め、ランクル60の総合的なカスタム知識に戻りたい場合は、下記の記事を参考にしてください。


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