「納車されたその日に盗まれた。」
そんな馬鹿な話があるかと思うかもしれませんが、ランクル界隈では決して珍しい話ではありません。
納車待ちのワクワクに水を差すようで心苦しいですが、ハッキリ言います。今のランクル250は、無防備な状態で街中に停めておけば、プロの窃盗団にとって「ご自由にお持ち帰りください」と書かれたプレゼント箱と同じです。
純正セキュリティ? 残念ながら、彼らの前では「3分で突破されるおもちゃ」でしかありません。
この絶望的な状況に対抗できる、現時点で極めて有効な防壁。それがデジタルイモビライザー「IGLA(イグラ)」です。
しかし、このIGLA、最強クラスの防御力を誇るがゆえに「使い勝手が悪い」「ディーラーで嫌な顔をされる」という強烈なデメリット(毒)も持ち合わせています。
今回は、歴代ランクルを乗り継ぎ、実際にセキュリティの煩わしさに何度も叫び声を上げそうになった私が、その費用対効果から導入前に知っておくべき「不都合な真実」まで、包み隠さず暴露します。
この記事の要約
- ランクル250にIGLA2+は「オプション」ではなく「義務」。
- ただし、毎回のPINコード入力は拷問レベルに面倒くさい。
- 「キーフォブ」をケチると、後悔して設定オフにする羽目になる。
結論:ランクル250にIGLA2+は「覚悟を持って」導入すべき必須装備

まず結論から申し上げます。ランクル250オーナーになるなら、IGLA2+の導入は「義務」だと思ってください。
ただし、それは「魔法の杖」ではありません。日々の利便性を犠牲にして、安心を買う「契約」です。
理由は単純。「CANインベーダー」という手口に対抗できる、数少ない有効手段だからです。
純正セキュリティが無力な理由(CANインベーダーの恐怖)
IGLA(イグラ)とは?
IGLAとは、車両のデジタル通信網(CAN-BUS)に直接介入し、不正なエンジン始動をデジタル信号で無効化する次世代のイモビライザーです。物理的な配線切断を行わず、コンピューター制御で車を守る点が従来のアナログセキュリティと異なります。
近年の車両盗難の手口「CANインベーダー」は、左フロントタイヤ付近のバンパー隙間などから配線にアクセスし、特殊な端末を接続。車両の頭脳であるコンピューター(ECU)に直接「解錠」と「エンジン始動」の信号を送り込みます。
この信号は純正スマートキーと全く同じ形式であるため、車側は「正規のオーナーが乗ってきた」と誤認し、純正アラームを解除してエンジンをかけてしまいます。
つまり、純正セキュリティは、侵入される前段階で無力化されてしまうのです。
IGLAは、このCANインベーダーによる「偽のエンジン始動命令」を検知し、エンジン始動そのものを強制的にブロックします。たとえドアを開けられ、ナビを引っこ抜かれたとしても、車体ごと海外へ飛ばされる最悪の事態だけは回避できる可能性が高い。これが「必須」と言い切る理由です。
【重要】導入前に知っておくべき「3つの猛毒(デメリット)」

メーカーのHPには「愛車を完璧に守ります」としか書かれていませんが、現場のオーナーとして「導入後のリアルな痛み」を先に伝えます。これを許容できないなら、IGLAを入れるべきではありません。
1. 毎回の「PINコード入力」という儀式
IGLA装着車は、エンジン始動時にステアリングのスイッチやエアコンのボタンなどを特定の順番(例:クルーズ↑・↓・↑)で押す「PINコード認証」を行わないと、シフトをDに入れた瞬間に「ストン」とエンジンが停止します。
これが毎回の乗車時に必要です。
- 急いでいる時に限って入力をミスり、エンジンストップ。
- 再始動してもう一度入力し直す間の、同乗者の冷ややかな視線。
- 「パパ、早く出してよ!」という子供の声。
これがIGLAオーナーの日常です。
※後述する「キーフォブ」があれば解消しますが、電池切れの際は地獄を見ます。
2. 妻や家族からの「乗りにくい」というクレーム
これが最も家庭内不和を生みます。車を奥様と共有している場合、彼女にもこの「儀式」を強要することになります。
「スーパーに行こうとしたらエンジンが止まった!もうこんな車乗りたくない!」
そう電話がかかってくるリスクを覚悟してください。私の知人は、奥様の猛反対でセキュリティを「設定オフ」にさせられ、その一週間後にプラドを盗まれました。 笑えない実話です。
3. ディーラー入庫時の「白い目」とリスク
点検や車検でディーラーに預ける際、IGLAを一時的に無効化する「サービスモード」への切り替えが必須です。
これを忘れて預けると、メカニックが車を動かそうとした瞬間にエンストし、ピットが大騒ぎになります。
最悪の場合、「社外セキュリティのせいでコンピューターに異常が出ている可能性がある」とみなされ、保証対象外の宣告や、今後の入庫拒否を示唆されることすらあります。ディーラー担当者との関係性が悪化するリスクがあることを知っておいてください。
費用の現実と「IGLA2+」vs「ALARM」の選び方

リスクを理解した上で、それでも愛車を守りたいあなたへ。選ぶべきは以下の2択です。
| 項目 | IGLA2+ (イグラ・ツープラス) | IGLA ALARM (イグラ・アラーム) |
|---|---|---|
| 機能 | エンジン始動ブロックのみ (デジタルイモビライザー) | IGLA2+の機能 + サイレン発報・衝撃検知 |
| 費用相場 (工賃込・税込) | 8万〜10万円 | 18万〜22万円 |
| メリット | コスパ最強。誤作動で近所迷惑になる心配がない。 | 車上荒らし(窓割り)にも対応。 完全防備。 |
| デメリット | 窓を割られて車内を荒らされてもサイレンは鳴らない。 | 誤作動(台風や爆音マフラー車通過時)のリスクあり。 費用が高い。 |
| こんな人に | とにかく車体盗難だけ防げれば良い人 | 車上荒らしも防ぎたい、予算に余裕がある人 |
編集長の推奨構成:迷ったら「IGLA2+」&「キーフォブ」
予算が潤沢なら「IGLA ALARM」ですが、ランクル250の購入で資金がカツカツなら「IGLA2+」で十分です。最も避けるべきは「車体ごと盗まれること」だからです。
そして絶対にケチってはいけないのが、オプションの「キーフォブ(Key Fob)」です。
これを持っているだけで、面倒なPINコード入力が自動解除されます。これがあるだけで、IGLAのデメリットの8割が解消します。数千円〜1万円程度のオプションですが、これ無しでの運用は拷問に近いと思ってください。
【編集長のアドバイス】施工店選びは「命綱」選び

IGLAはデジタル制御のため、物理的な配線カットは行いませんが、車両のCAN通信線(神経)にアクセスします。つまり、施工店の技術力が全てです。
編集長・大地のワンポイントアドバイス
「家から近いから」「相場より1万円安いから」という理由で、実績の少ない量販店や整備工場に依頼するのは自殺行為です。
私は以前、配線処理が雑なショップで施工した友人のランクルが、高速道路の追い越し車線で突然「盗難」と誤判定され、エンジン出力をカットされて失速するという恐怖体験を聞きました。後ろからトラックが来ていたら、彼は死んでいました。
ランクル250は最新の電子制御の塊です。生半可な知識でCAN配線に触れれば、チェックランプの点灯や、最悪の場合は車両火災や走行中のエンジン停止に繋がります。
セキュリティは「命綱」です。 命を預けるパラシュートを、安売りワゴンセールで買いますか?
必ずメーカー(AUTHOR ALARM)の「テクニカルショップ(認定店)」を選んでください。正規代理店の中でも、特に「ランクル施工実績」をブログ等で公開しているお店一択です。
失敗しない施工店選びのチェックリスト
- AUTHOR ALARMの「テクニカルショップ」認定を受けているか
- ランドクルーザー(300/250/プラド)の施工ブログが多数あるか
- 「万が一の誤作動時」の緊急連絡先や対処法を教えてくれるか
セキュリティの「全体像」を知る IGLAだけがセキュリティではありません。アナログな防犯対策(ハンドルロック等)との併用や、パンテーラ・ゴルゴとの違いを詳しく比較したい方は、こちらの総まとめ記事をご覧ください。

合わせて検討したい「物理的」な守り

デジタル最強のIGLAですが、唯一の弱点は「外から見ても付いているか分からない」こと。
ガラスを割られてから「あ、エンジンかからないわ」と気づかせるのではなく、「この車は面倒くそうだ」と窓を割る前に諦めさせるには、泥臭いアナログな視覚効果が最強です。
ハンドルロック(ステアリングロック)
キタコ(KITACO) ハンドルロックなどが最強クラス。切断に時間がかかる強固なものを。「見た目」の威嚇効果は絶大です。
タイヤロック
長期保管時や、特に治安の悪いエリア(港湾部など)に停める場合に有効。少し過剰に見えるかもしれませんが、「こいつは本気だ」と思わせる狂気が必要です。
これらをIGLAと組み合わせることで、「デジタル(最後の砦)」と「アナログ(最初の威嚇)」の両面から愛車を守ることができます。
よくある質問(Q&A)

ここでは、これからIGLAを導入する同志たちが抱える不安に、いちユーザーとして答えます。
まとめ:安心を買うための「投資」と「覚悟」

- ランクル250にとって、IGLA2+は「オプション」ではなく「標準装備」。
- ただし、PINコード入力の手間やディーラー対応のリスクという「毒」を飲む覚悟が必要。
- 「キーフォブ」は絶対に付けろ。 悪いことは言わない。
- 店選びは「価格」ではなく「命」。認定テクニカルショップ以外あり得ない。
10万円〜20万円という費用は、確かに安くありません。奥様を説得するのも大変でしょう。
しかし、「朝起きたら駐車場が空っぽだった」時の絶望や、「ローンだけが残った」という地獄に比べれば、安いものです。
私たちランクルオーナーは、ただ車に乗っているだけではありません。「世界で一番信頼できる相棒」と共に人生を歩むことを選んだ仲間です。その相棒を、みすみす悪人の手に渡してはいけません。
資金作りのための「最後のアドバイス」
もしセキュリティ費用(約15万円)の捻出で悩んでいるなら、「今乗っている車」の売り方を見直してください。ディーラー下取りに出すと、相場より20〜30万円安く買い叩かれることがザラです。
その「損した30万円」があれば、IGLAもハンドルロックも全部揃えられます。
納車日が決まったら、すぐに動いてください。あなたのランクル250を、そしてあなたの家族の笑顔を守れるのは、オーナーであるあなたの決断だけです。
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- 技術力重視のため、特定の予約サイトへの誘導はしません。ご自身の目でブログ等を確認して選んでください。
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免責事項
- 本記事は防犯効果を保証するものではありません。盗難被害に遭われた場合でも、当サイトは一切の責任を負いかねます。
- IGLAの仕様や価格は執筆時点(2025年)のものです。最新情報は各施工店へお問い合わせください。
- 施工による車両トラブルについては、施工店とご相談ください。
この記事を書いた人
編集長:大地(Daichi)
歴代ランドクルーザー(80/100/200)を乗り継ぎ、総走行距離50万kmを走破した現場主義の編集長。「カタログスペックより整備記録簿」が信条。自身の失敗体験に基づき、ディーラーが言わない「維持費の現実」と「相棒との付き合い方」を発信中。
\コメントお待ちしてます/
同じ悩みを持つ未来のオーナー仲間に、この「不都合な真実」を教えてあげてください。

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