最後のV8、ランクル200系。その「王者の風格」を維持する覚悟はできていますか？
ペインポイントの明確化
トヨタ ランドクルーザー200系（URJ202W）。2007年から2021年という14年もの長きにわたり、「キング・オブ・SUV」として君臨した、絶対的な信頼性と比類なき高級感を両立させたモデルです。
現行300系がV6ツインターボへと移行した今、「最後のV8エンジン」を搭載した200系は、中古車市場で異常とも言えるほどの人気と、もはや「資産」と呼ぶべき価値を維持し続けています。
この記事を読んでいるあなたは、その圧倒的な存在感と「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」という究極の安心感に強く惹かれ、200系オーナーになるという夢を真剣に検討しているはずです。
しかし同時に、強力な憧れと同じくらい、あるいはそれ以上に強力な金銭的な不安を抱えているのではないでしょうか。
- “金食い虫”と聞くが、実際の維持費は年間いくらなのか？
- 4.6Lと4.7LのV8エンジンでは、税金やガソリン代がどう違う？
- 古いモデルは『13年超の重課税』がかかると聞いたが、具体的にいくら上がる？
- ランクルは盗難が怖すぎる。車両保険に入ったら、保険料だけで破産するのでは？
その不安、痛いほどよく分かります。
読者の未来
ご安心ください。この記事は、あなたのその漠然とした不安を「1円単位で計算された具体的なシミュレーション」によって、完全に解消するために存在します。
本記事では、ランドクルーザー専門メディアである「大地のコンパス」が、200系の維持費を構成する全ての要素を徹底的に解剖します。
- 自動車税（年式による「13年超重課税」の差額）
- 自動車重量税（車検時にかかる「13年・18年重課税」）
- 車検費用（法定費用＋整備費の相場）
- ハイオクガソリン代（カタログ燃費ではなく、オーナー報告に基づく「実燃費」での計算）
- 任意保険料（ランクルオーナー最大の課題である「盗難リスク」と「車両保険」の現実）
- 隠れたコスト（タイヤ代や、KDSSなどの潜在的な故障修理費用）
この記事を最後まで読めば、あなたは「ランクル200系オーナー」になるための現実的な資金計画を自信を持って立てられるようになり、憧れだった「王者の風格」を手に入れるための、具体的な第一歩を踏み出せるようになります。
記事の信頼性
本記事は、単なる費用の羅列ではありません。200系という「車輪のついた資産」を賢く維持し、その価値を最大限に享受するための専門的な戦略ガイドです。
まずは、あなたが一番知りたい「結論」からご覧ください。
ランクル200系の年間維持費シミュレーション【総額早見表】
【早見表】ランクル200系 年間維持費（モデル・年式別シミュレーション）
ランクル200系の維持費は、全車同じではありません。最大の分岐点は、税金が跳ね上がる「13年超の重課税」の対象かどうかです。
2025年現在、前期モデル（2007〜2011年）は全車が重課税の対象となります。
ここでは、最も現実的な条件（車両保険に加入し、平均的な距離を走行）で、2つの代表的なモデルケースをシミュレーションしました。
表1：ランクル200系 年間維持費シミュレーション（総額目安）
| 費用項目 | A: 中期・後期モデル（4.6L / 13年未満）（例：2013年〜2021年式） | B: 前期・中期モデル（4.7L or 4.6L / 13年超）（例：2007年〜2012年式） | 備考 |
|---|---|---|---|
| ① 自動車税 | 88,000円 | 101,200円 | 13年超で約15%重課 |
| ② 自動車重量税（年換算） | 24,600円 | 34,200円 | 13年超で重課 |
| ③ 自賠責保険料（年換算） | 8,825円 | 8,825円 | 自家用乗用車・24ヶ月 |
| ④ ガソリン代 | 313,333円 | 313,333円 | ハイオク188円/L・実燃費6.0km/L |
| ⑤ 任意保険料 | 150,000円 | 150,000円 | 30代・車両保険（盗難補償）ありの目安 |
| ⑥ 車検・メンテナンス積立金 | 80,000円 | 80,000円 | 車検整備代・消耗品代の年換算 |
| 【年間維持費 合計（駐車場代 別）】 | 約 664,758円 | 約 687,558円 | |
| 【月間維持費 目安（駐車場代 別）】 | 約 55,400円 | 約 57,300円 |
結論として、ランクル200系を万全の体制（車両保険加入）で維持するには、駐車場代とは別に、年間約66万〜69万円、月額にして約5.5万〜5.8万円のコストがかかります。
この金額が「高い」か「妥当」かは、あなたがV8エンジンと絶対的な信頼性にどれだけの価値を見出すかによります。
シミュレーションの前提条件（詳細）
上記のシミュレーションは、以下の条件に基づいています。
- 年間走行距離： 10,000km
- ガソリン価格： ハイオク 1リットル188円（2025年11月時点の全国平均相場）
- 実燃費： オーナー報告に基づく平均実燃費 6.0 km/L で計算
- 駐車場代： 地域差が激しいため（例：都内では月額3万円〜）、シミュレーションから除外しています。ご自身の地域の駐車場代を、上記の「年間維持費 合計」に加えてください。
- 任意保険料： 30代、ゴールド免許、車両保険（盗難補償）を必須加入として試算しています。
次章からは、これら「①〜⑦」の全費用項目を、専門家の視点から一つずつ徹底的に解剖していきます。
ランクル200系 維持費の「全内訳」徹底シミュレーション
① 自動車税（4.6L / 4.7L）：排気量と「13年落ち重課税」の壁
自動車税は、毎年4月1日時点のオーナーに課せられる税金で、排気量によって税額が決まります。
ランクル200系の自動車税は年額いくら？
ランクル200系には、2種類のV8エンジンが存在します 1。
- 前期型（2007-2011）： 4.7L V8 (2UZ-FE)
- 中期・後期型（2011-2021）： 4.6L V8 (1UR-FE)
「排気量が違うなら税金も違うのでは？」と思うかもしれませんが、日本の税法上、どちらのエンジンも「4.5リットル超 6.0リットル以下」の同一区分に属します。
ランクル200系は全モデルが2019年9月30日以前の登録車であるため、基本税額は年額88,000円です。
警告：前期（2007年～）は全車「13年超重課税」の対象
ここが最大の注意点です。
ガソリン車は、新規登録から13年を経過すると、環境負荷が高いと見なされ、自動車税が約15%重課（増税）されます。
2025年現在、前期型（2007年〜2011年式）は全車が13年超の対象です。また、中期型（2011年〜2015年式）も、2012年式以前のモデルは重課対象となります。
- 基本税額（13年未満）： 88,000円
- 重課税額（13年超）： 88,000円 × 1.15 ＝ 101,200円
中古車市場で安価な前期モデルを狙う場合、この「毎年払い続ける13,200円の追加コスト」を必ず予算に組み込んでください。
② 自動車重量税（車検時）：2.5トン超のヘビー級コスト
自動車重量税は、その名の通り車両の重さに応じて課税され、車検時に2年分（または1年分）をまとめて支払います。
ランクル200系の車両重量と税額
ランクル200系の車両重量は、最も軽量なGX（5人乗り）でも2,430kg、最上級のZXでは2,690kgにも達します。
どのグレードを選んでも、税法区分は「2.5トン超 3.0トン以下」となります。
【表2：自動車重量税（2年分）年式別シミュレーション】
問題は、この重量税にも「13年超」と「18年超」の二段階の重課税が存在することです。
表2：ランクル200系 自動車重量税（車検2年分）
| 経過年数 | 該当するモデル（2025年時点） | 車検2年分 税額（3.0t） | 年間シミュレーション換算額 |
|---|---|---|---|
| 13年未満 | 2013年式 〜 2021年式 | 49,200円 | 24,600円 |
| 13年経過 | 2008年式 〜 2012年式 | 68,400円 | 34,200円 |
| 18年経過 | 2007年式 | 75,600円 | 37,800円 |
ご覧の通り、2007年式の最初期モデルは2025年に「18年超」の最高税額に達します。13年未満のモデルと比較して、年額13,200円も高くなります。
自動車税と重量税の重課だけで、年間26,400円もの差が生まれるのです。これが古い年式の中古車を維持する上での「隠れコスト」です。
③ 自賠責保険料（車検時）
自賠責保険（強制保険）は、車検時に必ず加入する保険です。自家用乗用車の場合、24ヶ月（2年）契約で17,650円です。（※2023年4月改定後の料金）
これを年換算すると、年間8,825円となります。
④ ガソリン代（燃料費）：最大の変動費「ハイオク」
ここからが、オーナーのライフスタイルによって大きく変動する費用です。ランクル200系の燃料は「ハイオクガソリン」です。
ランクル200系（前期/後期）の実燃費はリッター何キロ？
まず、カタログ燃費（JC08モードで6.7〜6.9km/L）は忘れてください。
オーナー報告が多数集まる「みんカラ」のデータによれば、ランクル200系（ハイオク仕様）の平均実燃費は「6.06 km/L」です。
しかし、これはあくまで平均値。オーナーのリアルな声を見ると、その実態がわかります。
- 街乗り 5キロ、高速 8キロ～10キロ
- 市街地のみだと5Km/lいかないですね
- （踏むので）メーターに出る表示だと3.2とか
- 意外と燃費は7キロ台をたたきだしている
結論として、高速巡航を多用すれば7〜8km/L台も可能ですが、街乗りメインであれば5km/L台を覚悟するのが現実的です。
【表3：年間走行距離別 ガソリン代シミュレーション（ハイオク@¥188/L）】
2025年11月時点のハイオクガソリン価格（約188円/L）を基に、2パターンの実燃費でシミュレーションします。
表3：ランクル200系 年間ガソリン代（ハイオク188円/L）
| 年間走行距離 | A: 平均実燃費 (6.0 km/L) | B: 街乗りメイン (5.0 km/L) |
|---|---|---|
| 5,000km（週末利用） | 約 156,667円 | 約 188,000円 |
| 10,000km（標準利用） | 約 313,333円 | 約 376,000円 |
| 15,000km（通勤・レジャー多用） | 約 470,000円 | 約 564,000円 |
同じ年間1万kmの走行でも、街乗りメインか高速メインかで、年間6万円以上の差が生まれます。これがランクル200系の維持費における最大の変動費です。
⑤ 任意保険料：ランクル200系オーナー「最大のリスク」
税金やガソリン代以上に、ランクル200系の維持費を考える上で最重要項目となるのが任意保険料です。これは単なるコストではなく、「所有のリスク管理」そのものです。
なぜランクル200系の保険料は異常に高いのか？
答えはただ一つ、「圧倒的な盗難リスク」です。
ランドクルーザーは、日本損害保険協会の調査で2024年まで4年連続ワースト1位になるなど、日本で最も盗難される車として知られています。
その理由は、200系の「優れた悪路走破性と耐久性」が、インフラ未整備な海外（中東、アフリカ、アジアなど）で「絶対的な信頼」を置かれており、不正輸出の需要が異常に高いためです。
プロの窃盗団は「CANインベーダー」と呼ばれる最新の手口を使います。これは、車両の外部（フロントバンパー裏など）から特殊な装置をCAN通信システムに接続し、ドアロック解除からエンジン始動までを数分で行う手口です。
「ランクル200系の純正セキュリティは、プロの窃盗団（CANインベーダー）の前では無力に等しいのが現実です。」
盗難対策は「維持」の必須項目
この盗難リスクは、維持費（保険料）に直結する最大の問題です。ランクル200系は後期モデルであっても、CANインベーダー攻撃に対して脆弱性を抱えています。物理的な対策と正しい知識での防御が必須です。
具体的な防御策については、以下の記事で徹底解説しています。
【シミュレーション】車両保険「あり vs なし」の衝撃的な価格差
この盗難リスクの高さから、保険会社はランクル200系の「車両保険」料率を極めて高く設定しています。
車両保険「なし」の場合：
30代・ゴールド免許といった好条件であれば、年額 約53,180円 程度に抑えることも可能です 8。
車両保険「あり」の場合：
同じ条件でも、盗難（CANインベーダー）やイタズラをフルカバーする車両保険（一般条件）を付けると、保険料は劇的に跳ね上がります。中古車としての車両価値（500万〜700万）にもよりますが、年額150,000円〜250,000円（月額1.2万〜2万円超）になることも珍しくありません。
年間5万円台の「車両保険なし」プランは、一見すると維持費を安くする魅力的な選択肢に見えます。しかし、それは「いつ盗まれても文句は言いません」と公言しているのと同じです。
500万円以上の資産が、ある朝、数時間でゼロになるリスクを放置する行為です。これは『賢い節約』ではなく『無謀な賭け』に他なりません。
高額な保険料を「賢く節約」する唯一の方法
とはいえ、年間20万円の保険料はあまりに高額です。
しかし、この保険料は「比較」することで確実に最適化できます。なぜなら、保険会社によって「ランドクルーザーの盗難リスク」の評価や、保険料率の計算方法が異なるからです。
ディーラーや代理店に勧められるがまま1社だけで契約するのは、ランクルオーナーにとって最も「損」な選択です。
ランクルオーナーにとって、複数の保険会社を比較検討する「相見積もり」は、もはや義務です。同じ補償内容でも、保険会社を変えるだけで年間5万円、10万円の差がつくことも珍しくありません。
盗難リスクという最大の弱点をカバーしつつ、維持費を最適化する。それこそが、V8オーナーの「賢い選択」です。
⑥ メンテナンス・車検費用：予防整備と消耗品
税金や保険料が「固定費」なら、ここからは「変動費」であり、オーナーの裁量が問われる部分です。
車検総額の費用相場（法定費用＋整備費）
先ほど計算した「自動車重量税」「自賠責保険料」は、車検時に支払う「法定費用」です。これに加えて、「整備費用・代行手数料」がかかります。
車検費用の総額相場は、109,000円〜210,000円 が一つの目安です。
- 法定費用： 約7万円〜10万円（年式による）
- 整備費用＋手数料： 約4万円〜11万円
この差額（約10万円）は、「どこで受けるか（ディーラー vs 専門店）」および「どれだけ予防整備を行うか」によって生じます。
安全マージンを見て、2年に1回20万円の車検がかかるとして、年間10万円（整備費＋法定費用）を「車検・整備積立金」として予算に組み込むのが現実的です。（※冒頭の早見表では、最低限のラインとして8万円で計算しています）
【表4：主要消耗品 交換費用と頻度の目安】
維持費は「税金とガソリンだけ」ではありません。ランクル200系はその巨体とパワーゆえに、消耗品も高額になります。特にグレード（タイヤサイズ）によってコストが変わる点に注意が必要です。
表4：ランクル200系 主要消耗品コスト
| 消耗品 | 交換頻度の目安 | 1回あたり費用相場 | 備考 |
|---|---|---|---|
| エンジンオイル交換 | 5,000km〜10,000km毎 （または年1〜2回） | 約 15,000円〜 | V8はオイル量が多い （約7.5L） |
| タイヤ交換 (18インチ) | 4〜5年毎（4万km） | 4本 約120,000円〜 | AX / GXグレード |
| タイヤ交換 (20インチ) | 4〜5年毎（4万km） | 4本 約200,000円〜 | ZXグレード |
| バッテリー交換 | 3〜4年毎 | 約 40,000円〜 |
最上級グレード「ZX」は、純正で20インチの大径タイヤを装着しています。これにより、18インチのAX/GXグレードと比較し、タイヤ交換のたびに5万円〜10万円以上の追加コストが発生します。「ZXは、購入時だけでなく、維持する上でも贅沢なグレードである」と認識する必要があります。
⑦ 故障・修理費用（中古車最大の“隠れコスト”）
そして、中古車オーナーにとって最大の脅威が「突発的な故障」です。
ランクル200系の「弱点」と定番の故障箇所
ランドクルーザーは「世界一壊れない」と評されますが、それは「メンテナンスフリー」という意味ではありません。機械である以上、必ず消耗し、故障する箇所があります。
特に年式が古くなり走行距離が10万kmを超えてくると、特定のウィークポイントが維持費を直撃します。
特に注意すべき高額修理リスク：KDSSとエアサス
ランクル200系の快適な乗り心地（オンロード）と圧倒的な走破性（オフロード）を両立させている魔法の技術が「KDSS（キネティックダイナミックサスペンションシステム）」です。
しかし、この複雑な油圧システムは、ランクル200系の「アキレス腱」でもあります。年式と共に、スタビライザーのブッシュ劣化による異音（コトコト音）や、シリンダーからのオイル漏れといったトラブルが報告されています。
また、ZXグレードに設定されているエアサスペンションも、年式と共に故障リスクが高まる高額修理ポイントです。これらの修理には数十万円単位の費用がかかる場合があります。
維持費を抑える最善の策＝「賢い中古車選び」
結局のところ、購入後の維持費を抑える最善の方法は、購入時の『節約』ではなく、購入後の『出費』を減らすこと、すなわち『故障リスクの低い優良個体』を見抜いて選ぶことです。
特に前期・中期・後期の違いは、単なるデザインや装備だけでなく、維持費（税金）や搭載される技術、そして熟成度（故障リスク）に直結します。安いからと前期型に飛びつく前に、その差を理解することが賢明なオーナーへの第一歩です。
ランクル200系 vs 300系：維持費の逆転現象は起こるか？
中古のランクル200系を検討する際、多くの人が現行の300系とどちらにすべきか悩みます。「新車は買えないから中古の200系」と考えるのは早計かもしれません。
現行300系と比べて、200系の維持費は本当に安いのか？
「維持費」という観点だけで、純粋にコストを比較してみましょう。
税金・保険料の比較
自動車税：
- ランクル200系 (4.6L/4.7L)：年額 88,000円（13年超なら 101,200円）
- ランクル300系 (ディーゼル 3.3L)：年額 57,000円
→ 300系ディーゼルの方が、年間3万〜4万円以上安い。
任意保険料：
どちらも盗難リスクが極めて高い（300系もCANインベーダーの標的）ため、高額な車両保険は必須。ここはほぼ互角か、車両価値が高い300系の方が高くなる傾向です。
燃料費の比較（年間1万km走行時）
ランクル200系 (ハイオク)：
実燃費 約6.0km/L × @188円 ＝ 年間 約313,000円
ランクル300系 (ディーゼル)：
実燃費 約9.0km/L（※推定値）× 軽油 @160円（※推定値）＝ 年間 約178,000円
結論：驚くべきことに、ランクル300系ディーゼルと比較した場合、税金と燃料費だけで年間15万円以上、ランクル200系の方が高くなる『維持費の逆転現象』が発生します。
それでも200系を選ぶ理由
維持費だけ見れば300系ディーゼルに軍配が上がります。
しかし、車の価値はそれだけではありません。「V8エンジンでしか味わえない官能的なフィーリング」や「絶対的な信頼性を証明してきた歴史」、そして「こなれた中古車価格」など、あえて200系を選ぶ理由は数多く存在します。
性能や乗り心地、リセールバリューを含めた総合的な価値判断については、以下の徹底比較記事をご覧ください。
ランクル200系 維持費に関するQ&A
最後に、ランクル200系の維持費に関して、読者から寄せられる細かい疑問10個にお答えします。
- 前期（4.7L）と中期/後期（4.6L）で維持費はどれくらい違いますか？
-
自動車税の基本税額（88,000円）は同じです。しかし、2025年時点では前期型（4.7L）が全車13年超重課税（約101,200円）の対象となるため、税金が高くなります。実燃費も、新しい4.6Lエンジンの方がわずかに良い傾向にあります。
- 1ナンバー登録で維持費を安くできますか？デメリットは？
-
可能です。自動車税は年額16,000円と劇的に安くなります。しかし、車検が毎年（1年車検）になる、高速道路料金が「中型車」扱いで高くなる、任意保険（特に車両保険）の引き受けが厳しくなる、乗車定員変更（通常5名）が必要など、デメリットも非常に大きいです。
- ランクル200系の維持費で一番高いのは何ですか？
-
あなたの年間走行距離によりますが、一般的には「ハイオクガソリン代」が最大の変動費です（年間1万kmで約31万円）。また、盗難に備えるための「車両保険料」が、他の車種に比べて突出して高額な固定費となります。
- ランクル200系を維持できる年収の目安は？
-
駐車場代やローンの有無によりますが、車両代とは別に、本記事でシミュレーションした年間約70万〜100万円（駐車場代込み）の維持費を安定して捻出できることが一つの目安です。購入価格だけでなく、このランニングコストを許容できるかが鍵となります。
- 任意保険（車両保険）をつけないとどうなりますか？
-
「絶対に推奨しません。」ランクル200系はプロの窃盗団（CANインベーダー）の主要ターゲットです 2。盗難された場合、500万円以上の資産が文字通り「ゼロ」になります。そのリスクを考えれば、車両保険は「コスト」ではなく「必須の維持費」です。
- 20インチ（ZX）と18インチ（AX/GX）のタイヤ代はどれくらい違いますか？
-
タイヤの銘柄にもよりますが、20インチはタイヤ本体の価格が高価です。4本交換で18インチ 15 よりも5万円〜10万円以上高額になることを覚悟しておきましょう。
- 街乗りでの実燃費は本当にリッター5kmを切りますか？
-
はい、十分にあり得ます。オーナー報告によれば、渋滞の多い都心部のストップ＆ゴーや、アグレッシブな運転ではリッター3km台〜5km/Lという記録も珍しくありません。
- KDSSが故障すると修理費はいくらですか？
-
症状（異音、オイル漏れ、警告灯）によりますが、関連部品の交換で数十万円単位の高額修理になるケースがあります。詳しくはこちらの記事で解説しています。
あわせて読みたい
ランクル200系【弱点・故障事例】KDSSの異音？エアサスは？修理費用まとめ ランクル200系のKDSS故障は、主に油圧シリンダーの経年劣化やブッシュの摩耗により発生し、修理費用の目安は15万〜25万円です。対してエアサス（AHC）のフルリフレッシ… - 10万キロ超えの中古車を買う場合、維持費は跳ね上がりますか？
-
はい。「13年超重課税」（自動車税・重量税）が始まるタイミングと重なります。また、KDSSやサスペンションブッシュ、電装系などのマイナートラブルが増え始めるため、購入価格は安くとも、年間の修理・整備費は高くなることを覚悟すべきです。
- 結局、ランクル200系の維持費は月々いくら見ておけば安心ですか？
-
シミュレーション総額（年間約66万〜69万円）を12ヶ月で割ると、月額約5.5万〜5.8万円です。これに「ご自身の駐車場代」と「突発的な修理積立金（月1〜2万円）」を加えた、月額8万〜12万円程度の予算を確保しておくと安心です。
まとめ：ランクル200系の維持費は「覚悟」ではなく「計画」で乗り越えろ
要点の振り返り（年間コストの再確認）
ランドクルーザー200系の維持費について、詳細なシミュレーションを行ってきました。
重要なポイントを振り返ります。
- ランクル200系の年間維持費は、駐車場代別でおよそ約66万〜69万円が現実的なラインです。
- コストを左右する最大の分岐点は「13年超重課税（自動車税・重量税）」であり、2025年現在、前期型は全車が対象です。
- グレード（ZXの20インチタイヤ代）や、あなたの運転スタイル（ガソリン代）も、年間数万円単位でコストを変動させます。
悩みの解決確認
この記事を読む前、あなたは「維持費がいくらかかるか分からない」という漠然とした不安を抱えていたはずです。
しかし今、この記事で提示した具体的なシミュレーションにより、あなたがランクル200系を所有するために必要な「現実的なコスト」が明確になったはずです。
漠然とした不安は「具体的な予算計画」に変わりました。
賢い選択
ランクル200系は、その維持費を補って余りある満足感と信頼性、そして『資産価値』を与えてくれる、トヨタV8の集大成とも言える歴史的な名車です 。
その揺るぎない価値（資産）を守るためにも、盗難リスクに備える高額な車両保険は、ランクルオーナーにとって必須の“装備”です。
しかし、その高額なコストは、言われるがままに支払う必要はありません。
「比較」することで確実に最適化できます。複数の保険会社の見積もりを取り寄せ、ご自身の条件に最も合う、合理的なプランを選ぶことこそが、最強のV8オーナーの「賢い選択」です。
最高の相棒
ランクル200系の維持費の全貌を理解した今、残すは「最高の相棒」を見つけるだけです。
200系の奥深い中古車選びのノウハウ、前期・中期・後期の詳細な違い、各グレードの装備、そしてカスタムパーツに至るまで、200系の全てを網羅した「完全ガイド」を以下にご用意しました。ぜひ、あなたの車選びにお役立てください。
引用文献
- ランクルやハイエース等の盗まれやすい車の車両保険料は高くなるんですか? – carview!
https://carview.yahoo.co.jp/ncar/catalog/toyota/hiace_van/chiebukuro/detail/?qid=10296226575 - ランドクルーザーの盗難防止に効果的なカーセキュリティとは …
https://security-lounge.com/blog/land-cruiser-security/ - 13年経過で自動車税は高くなる？13年超の早見表 – チューリッヒ保険会社
https://www.zurich.co.jp/carlife/cc-car-tax-after13years/ - 自動車税は13年経過でいくら高くなる？エコカーが対象外の理由を解説 – 三井住友海上
https://www.ms-ins.com/labo/higoro/article/125.html - ランドクルーザー200（トヨタ）車検費用の平均金額・相場と内訳
https://shaken.mantan.co.jp/cost/cardetail/1224 - ランドクルーザー200の燃費 (給油情報 2,337件) – みんカラ
https://minkara.carview.co.jp/car/toyota/landcruiser200/nenpi/ - ランクル200の維持費 自動車税/ガソリン代/駐車場代/車検代/任意 …
https://cobby.jp/landcruiser200-annualcost.html - ２０２５年１１月１日～１５日 ＥＮＥＯＳガソリン価格 – 一般財団法人 通商産業福祉協会
http://www.miti-fukusi.or.jp/index.php/index/information_detail/43 - 自動車税（種別割）月割税額表
https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/10380/jikayou_jyuuka.pdf - ランドクルーザー（トヨタ）の歴代モデル・グレード別カタログ情報 – グーネット
https://www.goo-net.com/catalog/TOYOTA/LAND_CRUISER/ - 自賠責保険料｜個人のお客さま – 三井住友海上
https://www.ms-ins.com/personal/car/jibaiseki/example.html - ランクル200 ホイール 18インチの中古品・新品・未使用品一覧 – Yahoo!オークション
https://auctions.yahoo.co.jp/search/search/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AB200%20%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB%2018%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%81/0/ - 【楽天市場】ランドクルーザー200 ホイール 18インチの通販
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