【ランクル200系車中泊】段差解消！フルフラット化マット＆ベッドキット

結論から言います。素の状態のランクル200系での車中泊は「苦行」に近いですが、適切なベッドキットさえ導入すれば「極上の移動ホテル」に生まれ変わります。

「陸の王者」と呼ばれるランクル200系ですが、シートを倒しただけでは約3度の傾斜と8cmもの段差が残り、翌朝は必ず腰痛に襲われます。

何より恐ろしいのは、その寝心地の悪さが原因で、一緒に寝た奥様やお子さんから「もうパパの車で寝たくない」と拒絶されてしまうことです。

この記事では、歴代ランクルで通算100泊以上の野宿をし、数々の「安物買いの銭失い」をしてきた編集長の大地が、200系の段差を完全に解消し、家族も熟睡できるフルフラット化の手順を解説します。

「ニトリの布団でなんとかなる」といった甘い考えは捨ててください。あなたの愛車を、本物の「最強の秘密基地」に仕上げる方法だけを伝えます。

結論：素のランクル200系での車中泊は「仮眠」が限界

ランクル200系の室内は「移動」のために作られており、「睡眠」には不向きです。

何も対策せずに寝るのは、高級ソファーの上で無理やり寝るようなもの。仮眠なら耐えられますが、一晩過ごすのは困難です。

ボディサイズこそ巨大ですが、シートを倒しても以下の「寝心地を阻害する要素」が残ります。

トヨタ公式サイトの 取扱説明書（シートアレンジ参照） を見ても、完全なフルフラットにはならない構造であることが分かります。

シートアレンジ	寝心地評価	現実の状況
2列目のみ倒す	★☆☆☆☆	背もたれが斜めになり、体がずり落ちる。
2列目＋3列目跳ね上げ	★★☆☆☆	縦は寝られるが、床面がボコボコ。3列目が狭い。
マットあり（対策後）	★★★★☆	やっと「布団」レベル。ただし天井が近くなる。
ベッドキット（対策後）	★★★★★	完全水平。自宅のベッドと同等。

【専門家のワンポイントアドバイス】

200系のシートは、オフロード走行時でも乗員を支えるため、分厚く立体的に作られています。

これが仇となり、倒した時に約8cmの段差と3〜5度の傾斜を生みます。

「たかが数度」と思うなかれ。この傾斜で一晩寝ると、頭に血が上るか、足がパンパンにむくむかの二択です。あなた自身は我慢できても、普段ベッドで寝ている家族にとって、この傾斜は拷問でしかありません。

オーナーが直面する「3つの壁」（ネガティブ情報）

「なんとかなるだろう」で出発すると、現地で以下の3つの現実に直面し、後悔することになります。

1. 「坂道睡眠」の恐怖

2列目シートを前方に倒しても、完全な水平にはなりません。背もたれ部分が少し斜めに浮き上がる「お辞儀」状態になります。

寝返りを打つたびに体が低い方へずり落ちていき、夜中に何度も目を覚ますことになります。

2. 3列目シートの圧迫感（8人乗り）

ZX以外のグレード（AX、GXなど）や、ZXでもオプションで8人乗りを選んでいる場合、3列目シートの処理が問題になります。

左右に跳ね上げると、ただでさえタイヤハウスで狭くなっているラゲッジ幅が、さらに圧迫されます。有効幅は約100cm程度になり、大人が2人並んで寝るには、肩が触れ合うほどの窮屈さを覚悟しなければなりません。

3. 荷物の置き場がない

これが最大の盲点です。2列目を倒して就寝スペースを作ると、荷物を置く場所が消滅します。

クーラーボックス、着替え、キャンプ道具……これらをすべて前席（運転席・助手席）に移動させる必要があります。

寝る前の「大移動パズル」だけで汗だくになり、雨の日などは最悪です。

編集長・大地の【失敗談】コラム

「パパ、背中が痛い。帰りたい。」

これは私が初めてランクル200系で家族と車中泊をした夜、小学3年生だった娘に言われた言葉です。

当時の私は「ホームセンターの銀マットを2枚重ねればいけるだろう」と高を括っていました。しかし、200系のシート金具の出っ張りは、銀マット程度では全く隠せません。

背中にゴツゴツ当たる金具の感触。窓からの冷気。そして微妙な傾斜でずり落ちる不快感。

結局、その夜は家族全員ほとんど眠れず、翌日のキャンプも不機嫌モード全開。「ランクルでの車中泊禁止令」が出される始末でした。

「中途半端な対策は、家族の信頼を失う」

これが、私が身をもって学んだ教訓です。

快適化へのロードマップ：必須アイテムとフルフラット化の方法

200系を「動くホテル」にするための具体的な手順を、予算と本気度に合わせて3段階で解説します。

Level 1：段差解消マット（入門編）

「たまに仮眠する程度」「普段は荷物をたくさん積みたい」という方は、段差解消マットや車中泊専用マットがおすすめです。

【毒：ここだけの話】

ニトリやホームセンターの布団で代用しようとしないでください。家庭用の布団は「平らな床」で使う前提で作られており、車の凹凸は吸収できません。結局、買い直す羽目になります。

Level 2：ベッドキット導入（推奨編）

「年に数回はキャンプに行く」「家族を連れて行きたい」なら、迷わずベッドキットを導入すべきです。

費用は5万円〜10万円ほどかかりますが、ホテルに数泊すれば元が取れます。

【警告】こんな人はベッドキットを買ってはいけません

素晴らしいアイテムですが、以下に当てはまる人は後悔します。

Level 3：プライバシーと断熱（必須装備）

寝床ができても、窓がそのままだと外から丸見えです。また、車内の熱は「窓」から逃げていきます。

【編集長のこだわり】

ホームセンターで買った銀マットを窓の形に切って貼るのは、200系の品格を下げるのでやめましょう。外から見た時に「貧乏くさい」と思われたら、せっかくのランクルが台無しです。必ず「ランクル200専用設計」の黒いシェードを選んでください。

▼ 失敗しないアイテム選び：編集長厳選の3つの神器

ここまでの解説を踏まえ、私が実際に使用して「これなら家族から文句が出ない」と確信した3つの必須アイテムを整理しました。

安物買いで後悔したくない方は、以下の比較表から自分のスタイルに合うものを選んでください。

アイテム	役割・特徴	おすすめな人
① 車中泊専用マット	【寝心地重視】 厚さ10cmの高密度ウレタンで段差を無効化。バルブを開くだけで膨らむ。	・普段は荷物をたくさん積みたい ・ベッドキットの置き場がない ・腰痛持ちの方
② ブラインドシェード	【断熱・保温】 5層構造で圧倒的な断熱性。車種別設計で隙間ゼロ。冬の結露も防ぐ。	・冬キャンプやスキーに行く ・朝までぐっすり眠りたい ・結露で内装を濡らしたくない
③ シンシェード	【時短・革命】 常時設置型のロールスクリーン。設置時間わずか1秒。	・シェードの貼り付けが面倒 ・スマートに準備を終えたい ・車内で休憩することが多い

① 車中泊専用マット（オンリースタイル）

ベッドキットが置けない（普段は3列目を使う）場合の最適解です。「段差解消」に特化した厚手マットで、200系のシート金具の存在を消してくれます。

② 高断熱ブラインドシェード（趣味職人）

「ただの目隠し」ではなく「断熱材」です。車種別専用設計なので、200系の窓枠にピタッと収まり、冷気をシャットアウトします。私が銀マットからこれに変えた時、朝の車内温度が5度違いました。

▷ 車種別設計の在庫を確認する

※楽天ランキング1位獲得の実績

③ シンシェード（常時取付型）

「毎回吸盤で貼るのが面倒くさい」というズボラな私（そしてあなた）のための革命的アイテム。サンバイザーのようにスッと下ろすだけで目隠し完了。これを使うと、もう吸盤タイプには戻れません。

▷ 設置動画と適合サイズを見る

※設置時間わずか1秒の衝撃

車中泊仕様にするなら知っておきたい「足回り」と「燃費」の話

快適な寝床を作ると、どうしても車重が増えます。それに伴うリスクと対策も知っておきましょう。

車中泊仕様にするということは、ベッドキットやキャンプ道具を常時積載することを意味します。

特に200系は元々ヘビー級（2.5トン超）ですが、荷物を満載にして人が乗ると、さらに挙動が変化します。

もし、荷物を積んだ時にリア（後ろ）が極端に下がってしまい、見た目や乗り心地が悪化した場合は、サスペンションによる補正（リフトアップ）を検討する必要があります。

車高補正の具体的な手法については、下記の記事で詳しく解説しています。

また、キャンプ場の砂利道や河原などの悪路に入る機会が増えるなら、純正のオンロードタイヤではスタックするリスクが高まります。

安全にフィールドへアクセスするためのタイヤ選びは、下記記事を参考にしてください。

そして、避けて通れないのがコストの問題です。

車重が増えれば、当然ながら燃費は悪化します。私の実測では、フル積載でリッター0.5km〜1.0kmほど悪化しました。「ただでさえ悪いのに…」と嘆く前に、下記記事で維持費の現実と向き合っておくことを強くおすすめします。

よくある質問（FAQ）

読者から寄せられる、ランクル200の車中泊に関する疑問に回答します。

まとめ：家族の笑顔を守るための「投資」

ランクル200系での車中泊は、「段差との戦い」です。

素のままでは決して快適とは言えませんが、ベッドキットとシェードさえ揃えれば、V8エンジンの静粛性も相まって、最高のプライベート空間が出来上がります。

しっかり眠れれば翌日の遊びも全力で楽しめますし、何より家族からの「また行きたい！」という言葉は何物にも代えがたい喜びです。

「寝るため」の投資は、結果として「家族との思い出」を守ることにつながります。ぜひ、あなたの200系を最強の旅仕様に仕上げてください。

車中泊以外のカスタムや、長く乗り続けるためのメンテナンス術については、以下の親記事で網羅的にまとめています。

【読者の皆様へ：コメント募集】

「こんなベッドキットを使ってるよ！」「うちはこうやって段差を解消してる」など、あなたの200系車中泊事情をぜひコメント欄で教えてください。

先輩オーナーの知恵として、これから始める方の参考になります！（コメントは承認制です）