ランクル300のオイル交換で最も重要なのは、ガソリン・ディーゼル共に「0W-20」の低粘度指定を守ること、これに尽きます。
かつての大排気量NAエンジンの感覚で「硬いオイルの方がエンジンを守れる」などと勘違いすると、精密なV6ツインターボは確実に寿命を縮めます。
私は歴代ランクルで50万km以上を走り、現在は250系と200系を維持していますが、ハッキリ言います。
オイル管理を舐めているオーナーは、将来的に「数百万円単位」の修理費で泣きを見ることになります。
特にディーゼル車のDPF(排ガス浄化装置)は、規格外のオイルを入れるだけで簡単に詰まり、高額な部品交換を余儀なくされます。「ディーラー任せだから安心」と思っている方も、保証が切れた後のリスク管理は自分で行わなければなりません。
この記事では、ランクル300に必要な「粘度・量・時期」の正確なデータに加え、DIYで挑むチャレンジャーのために、現場でしか分からない「アンダーカバーの泥臭い罠」と「プロ直伝のトルク管理」を暴露します。
10年後も相棒と笑って走るための「血液管理術」。
カタログや説明書には載っていない、現場の真実をここに記します。
▼ この記事の要約(3秒で把握)
- 粘度: ガソリン・ディーゼル共に0W-20指定。古い考えで硬いオイルを入れるのは自殺行為。
- 時期: メーカー推奨は無視せよ。日本の環境なら5,000kmまたは半年が鉄則。
- DIY: 最大の敵は「アンダーカバーの脱着」。トルクレンチ無しでの作業は厳禁。
なお、ランクル300の維持費全体のシミュレーション(税金・タイヤ代含む)については、下記の記事で詳しく解説しています。

ランクル300の指定オイル|粘度・規格と「間違い厳禁」の理由

結論から言います。
ランクル300のエンジンオイル選びにおいて、「なんとなく」や「適当」は一切許されません。
最新の環境規制に対応するため、エンジンのクリアランス(隙間)は極限まで詰められています。そこに規格外のオイルを流し込むのは、血管にドロドロの油を注ぐようなものです。
エンジン別・指定オイルデータ
まずは、この表をスクショして保存してください。これがメーカーが指定する「生存ライン」です。
| エンジン | 型式 | 指定粘度 | 必須規格 | 推奨銘柄 (純正) |
|---|---|---|---|---|
| ガソリン | V35A-FTS | 0W-20 | API: SP / RC | トヨタ純正 SP 0W-20 |
| ディーゼル | F33A-FTV | 0W-20 | JASO: DL-1 | トヨタ純正 DL-1 0W-20 |
ディーゼル(F33A-FTV)の注意点
最も警鐘を鳴らしたいのが、ディーゼル車のオーナーです。
これまでランクル200やプラドのディーゼルに乗っていた方は、「DL-1なら5W-30だろう」という手癖があるかもしれません。
しかし、ランクル300の指定は「0W-20」です。
これまでの常識よりも圧倒的にサラサラです。市販のカー用品店に行ってみてください。「DL-1規格の0W-20」なんて、ほとんど置いていません。
在庫がないからといって、適当なディーゼルオイルを入れるとどうなるか?
DPF(ススを取り除くフィルター)が詰まります。
警告灯が点灯し、出力制限がかかり、最悪の場合は数十万円の触媒交換コースです。
なぜDL-1規格でないといけないのか? DH-2規格を入れてはいけない理由は何か? その恐ろしいメカニズムの詳細は、下記の記事で深掘りしています。
ガソリン(V35A-FTS)の注意点
V6 3.5Lツインターボは、非常に熱を持ちやすい「高負荷エンジン」です。
指定は0W-20ですが、ここで重要なのは「API SP規格」を守ることです。
古いSN規格のオイルを入れると、直噴ターボ特有の「LSPI(低速早期着火)」という異常燃焼を引き起こすリスクがあります。これはピストンを破壊しかねない深刻なトラブルです。
「安いから」といって、規格の古い特売オイルを入れるのは絶対にやめてください。
大地編集長のワンポイントアドバイス
「高い高級オイルを1万km使う」より、「安い純正オイルを3,000kmで替える」。
これが、ランクルを50万km走らせるための唯一の正解です。
正直、私も最初は「0W-20なんて水みたいで不安だ、夏場はタレるんじゃないか?」と疑っていました。しかし、今のトヨタのエンジンは、この低粘度で油膜を保持できるように設計されています。
素人の生兵法で「硬いオイル(10W-40など)の方が保護性能が高いはずだ」と自己判断するのは危険です。逆にオイルラインの抵抗になり、燃費が悪化するどころか、冷間時の潤滑不足でカムシャフトなどを摩耗させます。
悪いことは言いません。純正の「キャッスルオイル」が最強のコスパです。
これをペール缶(20L)で買って、湯水のようにジャブジャブ交換する。これが一番贅沢で、一番エンジンに優しい管理方法ですよ。
ランクル300のオイル量と交換時期|メーカー推奨vs現場のリアル

次に、交換に必要な「量」と「時期」についてです。
300系はオイルパンの容量も巨大です。その分、維持費(オイル代)もダイレクトに財布を直撃します。
オイル交換量(目安)
| 項目 | ガソリン (V35A) | ディーゼル (F33A) |
|---|---|---|
| オイルのみ交換 | 約 6.8 L | 約 6.2 L |
| フィルター同時 | 約 7.3 L | 約 6.6 L |
※数値はマニュアル等の参考値です。必ずレベルゲージで実測して調整してください。
ご覧の通り、1回の交換で約7リットル前後も飲み込みます。
4L缶を2本買うと中途半端に余り、単価も割高になります。DIY派や「ボトルキープ派」は、絶対に20Lのペール缶で購入すべきです。これなら約3回分をまかなえます。
交換時期(推奨サイクル)
メーカーの取扱説明書には「15,000kmまたは1年(シビアコンディションは7,500kmまたは6ヶ月)」と書かれています。
しかし、現場を知る人間として言わせてください。
この数値を信じてはいけません。
日本の道路事情を見てください。信号待ちでのストップ&ゴー、夏場の猛暑渋滞、買い物だけの短距離走行。
これらはすべて、エンジンにとって過酷な「シビアコンディション」そのものです。
ターボ車であるランクル300にとって、オイルの熱劣化は大敵です。私は以下のサイクルを強く、強く推奨します。
- 交換時期:5,000km または 6ヶ月
- フィルター交換:オイル交換2回に1回
「まだ走れる」は「もう汚れている」と同義です。
1,000万円オーバーの車です。数千円のオイル代をケチって、リセールや寿命を削るのはナンセンス以外の何物でもありません。
ランクル300のオイル交換DIY|手順とアンダーカバーの罠

「工賃数千円を浮かせたい」、あるいは「自分の手で愛車と対話したい」。そんな熱意と、少しの「泥臭い覚悟」を持った同志へ。
その心意気は素晴らしいですが、ランクル300のDIYは、これまでの車とは「面倒くささ」の次元が違います。
【重要】DIY作業における免責と覚悟
注意:作業は自己責任で
本記事のDIY手順は、編集長の実体験に基づく情報共有であり、作業の成功や安全を保証するものではありません。
整備に自信がない場合や、工具が揃っていない場合は、迷わずプロ(ディーラーや整備工場)に依頼してください。
「壊してからプロに泣きつく」のが一番高くつきます。この記事は、あくまで構造を理解し、覚悟を決めるための「予習」として活用してください。
特に、「新車を自分で触って壊したらどうしよう」と不安な方へ。
最大の敵は「アンダーカバー」と「オーバートルク(締めすぎ)」です。ここさえ押さえれば、愛車への愛着は100倍になります。
用意するもの(工具スペック詳細)
生半可な工具で挑むと、ボルトを舐めて終わります。プロスペックの準備をしてください。
| 項目 | 規格・サイズ | 備考 |
|---|---|---|
| オイルフィルターレンチ | 64.5mm (トヨタ/レクサスろ紙交換式用) | KTC等のしっかりしたものを推奨 |
| ドレンパッキン | トヨタ純正 90430-12031 (内径12mm) | 毎回必ず新品交換(ケチるな危険) |
| メガネレンチ | 14mm | ドレンボルト用 |
| ラチェット/ソケット | 10mm, 12mm | アンダーカバー脱着で大量に使用 |
| トルクレンチ | 設定範囲 20〜45N·m が測定できるもの | これがないなら作業するな(必須) |
締め付けトルク(プロスペック)
「手ルクレンチ(手の感覚)」で締めるのは、昭和の時代の話です。
ランクル300のオイルパンはアルミ製です。オーバートルクで締め付けると、簡単にネジ山が崩壊します。
ネジ山を壊せば、オイルパン交換で数十万円コースです。必ずトルクレンチを使ってください。
- ドレンボルト: 30N·m
※整備書では40N·mの記載もありますが、アルミパンの耐久性を考慮し、現場では30N·m程度で管理し、漏れがないことを確認するのが安全策です。
- フィルターケース: 25N·m
- フィルタードレン: 13N·m
最大の難関:アンダーカバーの脱着
ランクル300の下回りは、空力と保護のために巨大で重いアンダーカバーで覆われています。
オイル交換のためには、このカバーにあるサービスホール(点検口)の蓋を外す必要がありますが、これが厄介です。
特にオフロード走行後などは、カバーのボルト穴に泥や小石が詰まっています。
ボルトを緩めた瞬間、顔面に砂利と泥が降り注ぎます。 必ず保護メガネを着用してください。
また、一度外したボルトは、泥を噛んでスムーズに入らないことも多々あります。ここで無理やりねじ込むと、ボルトが折れます。
手順の概要
オイルを抜けやすくする(数分でOK)。
安全確保。
ウマをかけるか、カースロープを使用する。
10mm/12mmボルトを外し、サービスホールを開ける。
ドレンボルト(14mm)を外す。
※オイルは激熱です。火傷に注意!
専用レンチでケースを外し、ろ紙とOリングを交換。
【重要】トルクレンチで規定値で締める。
規定量より0.5Lほど少なめに入れ、レベルゲージで合わせる。
エンジンをかけ、下回りから滲みがないか目視確認。
なお、ランクル300のガソリン車・ディーゼル車のメカニズム的な違いや、それぞれの維持費の特性については、下記の記事で詳しく解説しています。

メンテナンスモード(オイルリセット)の手順

オイル交換後は、車両のコンピューターに「交換した」と認識させるリセット作業が必須です。
これをやらないと、せっかくの休日ドライブが「オイルメンテナンスが必要です」という無粋な警告メッセージで台無しになります。
- ステアリングスイッチでメーター内の[設定(歯車マーク)]を選択。
- [車両設定] → [メンテナンスシステム] を選択。
- [オイル交換時期リセット] を選択し、決定(リセットしますか?→はい)。
非常に簡単ですが、ディーラー任せにしていると意外と知らない作業です。DIYで愛車の面倒を見た最後は、この儀式で締めくくってください。
他のランクルシリーズのオイル交換データ

ランクル300以外のモデルのオイル交換データも気になる方は、以下の記事を参考にしてください。最新の250系や、名機V8を積む200系では、指定粘度や量が全く異なります。
同じランクルでも、エンジンが違えば血液型も違うのです。

ランクル300オイル交換に関するよくある質問(Q&A)

まとめ:エンジンの寿命を延ばすための投資

最後に、ランクル300のパフォーマンスを維持するためのポイントを再確認しましょう。
- 指定粘度厳守: ガソリンはSP 0W-20、ディーゼルはDL-1 0W-20。これ以外はNG。
- 交換サイクル: 5,000kmまたは半年。メーカー推奨値は無視する。
- 量は多め: 1回約7L必要。4L缶ではなく20Lペール缶での購入が経済的。
- DIYの覚悟: アルミパン破損を防ぐため、トルクレンチは必須。
たかがオイル、されどオイル。
300系のV6ツインターボは、極めて精密な機械です。ここに「高いオイル」を入れる必要はありません。「正しいオイル」を「適切な頻度」で交換する。この地味な作業の積み重ねだけが、10年後、20万km後のエンジンの調子を決定づけます。
日々のメンテナンスという「愛情」を注げば、ランクルは必ず地球の裏側まで連れて行ってくれますし、手放す際のリセールバリューでも、あなたに応えてくれるはずです。
ランクルは単なる消費財ではなく、あなたの資産なのですから。
なぜ私がここまで口酸っぱくメンテナンスの重要性を説くのか? 私が過去にランクル200で経験した高額修理の痛みと、そこから学んだ教訓については、下記のプロフィールで赤裸々に語っています。

もしこの記事が、あなたの愛車のコンディション維持に少しでも役立ったら、SNSでシェアやメッセージをいただけると嬉しいです。同じランクルオーナーとしての繋がりが、次の記事を書く原動力になります!
推奨エンジンオイル・フィルター(Amazon/楽天)
DIY派のあなたへ、私が実際に使用し、信頼している純正セットです。迷ったらこれを選んでおけば間違いありません。
| 商品名 | 規格・特徴 | リンク |
|---|---|---|
| トヨタ純正 SP 0W-20 (20L) | ガソリン車用。最強のコスパ。 | [Amazonで現在の最安値を見る] |
| トヨタ純正 DL-1 0W-20 (20L) | ディーゼル車用。間違いのない純正。 | [Amazonで適合在庫を確認する] |
| オイルフィルター (純正) | 適合品番要確認。まとめ買い推奨。 | [Amazonでまとめ買い価格を見る] |
ランクル300の維持費全体について、税金やタイヤ代も含めて再確認したい場合は、下記の記事を参考にしてください。


コメント