ランクル200系の「ZX」とは、豪華な専用内装と高度な電子制御サスペンション(AHC)を備えた最上級グレードですが、同時に「最も高額な維持費と故障リスク」を背負うモデルです。
「どうせ乗るなら、一番いいヤツに乗りたい」
わかります。その気持ち。
男として生まれたからには、頂点である「ZX」のエンブレムを掲げて、街中を、いや、道なき道を走破したいという欲求。
それは決して恥ずかしいことではありません。
しかし、「最高級」には「最高額の維持費」という副作用があることを、あなたは覚悟できていますか?
この記事に辿り着いたあなたは、おそらくランクル200系の購入を検討しつつも、「ZXにするか、AXにするか」で迷っているのではないでしょうか。
結論から言います。
中途半端な覚悟でZXを選ぶと、車検のたびに冷や汗をかくことになります。
この記事では、歴代ランクルを乗り継ぎ、修理費で数百万を溶かしてきた私「大地」が、カタログには載っていないランクル200系ZXの「内装の真実」と「専用装備の罠」。
そしてオーナーを震え上がらせる「AHC(車高調整機能)の故障リスク」について、包み隠さず解説します。
ZXこそが「陸の王者」。ただし王冠の重み(維持費)は別格

ランクル200系において、グレード選びの決定的な分水嶺となるのは「エアサス(AHC)が欲しいか、欲しくないか」。これに尽きます。
内装の豪華さ? 20インチホイール?
それらは後からどうにでもなります。しかし、この足回りだけは別物です。
ZXと他グレードの決定的な違い(早見表)
| 特徴 | ZX(最上級) | AX / AX-G / GX |
|---|---|---|
| サスペンション | 4-Wheel AHC & AVS (車高調整付き電子制御サス) | コイルスプリング (一般的な金属バネ) |
| 純正ホイール | 20インチ | 18インチ / 17インチ |
| 内装素材 | セミアニリン本革 | 本革 / モケット |
| 悪路走破 | マルチテレインセレクト標準 | 後期から一部設定あり |
| 故障リスク | 極大(サス交換で約30〜50万) | 小(バネは折れない限り無交換) |
【専門家のワンポイントアドバイス】
「ZX」の乗り心地は、まるで魔法の絨毯です。AHCが路面の凹凸を完全にいなし、高速道路では車高を下げて安定させる。この「全能感」こそがZXの正体です。
一方で、AXなどのバネサスは、良くも悪くも「トラックっぽい」揺れがあります。
「高級車」に乗りたいならZX。「頑丈な四駆」に乗りたいならAX。この軸で選べば後悔しません。
ZX専用装備の深掘り:豪華絢爛な内装とハイテクの光と影

ここからは、資料に基づきZXの具体的なスペックと、実際に所有して初めてわかる「ネガティブ情報(不都合な真実)」をセットで解説します。
1. 内装:セミアニリン本革は「擦れ」と「色移り」が致命的
ZXには、より柔らかく上質な「セミアニリン本革シート」が採用されています。
ドアを開けた瞬間に漂う革の香り、座った瞬間に身体が沈み込む感覚は、まさに高級ホテルのソファ。
しかし、ここには中古車ならではのリスクがあります。
擦れに弱い:
柔らかい分、乗降時の擦れでサイドサポート部分がボロボロになっている個体が多いです。
色移り:
特に人気のベージュ内装(フラクセン)は、デニムの色移りが目立ちます。一度染まると完全には落ちません。
中古車を探す際は、運転席のドア側(お尻が当たる部分)の革の状態を「親の仇のように」チェックしてください。
2. マルチテレインセレクト:街乗り派には「無用の長物」
ZXに標準装備される「マルチテレインセレクト」。
路面状況(ROCK, MUD, SANDなど)に合わせて、エンジンの出力やブレーキ制御を自動で最適化してくれるハイテク機能です。
「これがあれば、オフロード初心者でもプロ並みの走破性が手に入る!」
…と、カタログには書いてあります。
しかし、現実を言いましょう。
20インチの純正タイヤとエアロバンパーを付けたZXで、この機能が必要なほどの悪路に行く人は、ほぼいません。
高価なエアロを割りたくない心理が働き、結局は「キャンプ場の砂利道」程度しか走らないのがオチです。
この機能は「使わないけれど、付いているという優越感」のためにあると思ってください。
3. AHC(エアサス):極上の乗り心地と「30万円の修理費」はセット
これが今回の記事の核心です。ZXにのみ許された電子制御サスペンション。
メリット:
ボタン一つで車高を上げ下げできる。重い荷物を積んでも車体が下がらない。乗り心地が極上。
デメリット(現実):
壊れます。必ず壊れます。
私の経験上、10年または10万キロを超えたあたりから、AHCのフルード漏れやポンプ故障のリスクが跳ね上がります。
もし4本すべて交換となれば、修理費は軽く30万円オーバー。
中古で安くZXを買っても、納車直後にこれが壊れれば、一瞬で家計が火の車です。
【専門家のワンポイントアドバイス】
ネット上の「ランクルは壊れない」という神話は、70系や80系(バネサス)の話です。
200系ZXのAHCは消耗品です。「いつか壊れる」ではなく「車検のたびに積み立てが必要な部品」と認識してください。
それでもZXに乗りたいあなたへ。30万円の損を防ぐ選び方

ここまで脅しましたが、それでもZXの圧倒的な存在感と、信号待ちで隣の車を見下ろす優越感は代えがたいものがあります。
リスクを承知でZXを選ぶなら、以下の手順で探してください。
1. 整備記録簿で「AHCフルード」の交換歴を見る
エンジンオイルは見ていても、サスペンションのフルード(AHCフルード)まで交換している前オーナーは稀です。
ここが定期的に交換されている個体は、「わかっているオーナー」が乗っていた証拠。当たり車両の可能性が高いです。
2. 保証の手厚い販売店を選ぶ
「現状渡し」の個人売買や、保証なしの格安店でZXを買うのは自殺行為です。
必ず「AHC故障もカバーする保証」が付帯できる大手販売店や専門店を選んでください。
ここをケチると、後で数倍の出費になります。
3. 「AX」に「ZX仕様」という選択肢
もし、あなたが欲しいのが「ZXの見た目」だけで、エアサスの乗り心地にこだわりがないなら。
「AXグレードをベースに、ZXの20インチホイールとエアロを組んだ『ZX仕様』」を作るのも賢い選択です。
これなら、故障リスクの高いエアサスを回避しつつ、見た目のマウントは取れます。
ランクル選びは、情報戦です。
まずは、市場にどのような状態のZXが出回っているか、自分の目で確かめてみてください。
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実は、AHCの状態が良い「当たり車両」は、ネットに掲載される前に売れてしまうことが多いです。
確実に保証付きのZXを手に入れたいなら、プロに希望条件を伝えて探してもらうのが一番の近道です。
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※備考欄に「ランクル200 ZX、AHCの状態が良いもの」と入力すればOK。60秒で依頼完了。
ランクル200系をもっと深く知るためのガイド

ランクル200系の魅力と泥沼は、これだけではありません。購入前に必ず以下の記事もチェックして、「想定外の出費」を防いでください。
維持費の現実を知る
「リッター5km」は本当か? 税金はいくらかかる? ZXの20インチタイヤの交換費用は?

グレード選びで迷子になったら
AX、AX-G、ZX… 自分に合っているのはどれ? リセールバリューが高いのは?

カスタムの誘惑
ZXを買ったら、次はリフトアップしたくなるのが男の性。でも、AHC付きのZXはリフトアップが難しいって知ってました?

前期・中期・後期の違い
見た目だけで選ぶと後悔します。ATの段数やエンジンの改良など、中身の進化は劇的です。

よくある質問(FAQ)

最後に、ランクル200系ZXを検討する方が抱く疑問に、一問一答でお答えします。
【結論】王者の税金を払う覚悟はあるか?

今回のレビューをまとめます。
- ZXの価値は「AHC(エアサス)」にあり。極上の乗り心地は他グレードでは味わえない。
- マルチテレインセレクトは「宝の持ち腐れ」になりがち。優越感のための装備と割り切る。
- AHCの故障は「確実に来る未来」。修理費30万〜を許容できる経済力が必要。
ランクル200系ZXは、間違いなく日本が誇る最高のSUVです。その内装の質感、圧倒的な走破性、そして所有する喜びは、他の車では決して満たされません。
しかし、その対価として求められるのは、車両価格だけでなく、維持し続けるための「覚悟(と金)」です。
もしあなたが、「壊れたら直せばいい。それ以上にこの車が好きだ」と言えるなら。
迷わずZXを選んでください。その選択を、私「大地」は全力で応援します。最高の相棒となるでしょう。
あなたの意見を聞かせてください
「やっぱりZXの見た目は譲れない!」「いや、怖すぎてAXにした」など、あなたのグレード選びの基準は何でしたか?
ぜひ記事下のコメント欄で教えてください。あなたのリアルな声が、次の迷えるオーナーを救います。
▶ ランクル200系のすべて。購入から維持、カスタムまで完全網羅


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