「昔の1HZは神エンジンだった」
「いや、最新の1GDの方が実用的なトルクは上だ」
「V6の1GRの咆哮こそが最高だ」
ランクル70を愛するマニアの間で、夜な夜な繰り返されるエンジン論争。
あなたも、どの心臓部が最も「ランクル70らしい」のか、カタログのスペック表を眺めながら頭を悩ませている一人ではないでしょうか。
結論から言います。
ランクル70のエンジン選びに「完璧な正解」はありません。あるのは「どの痛みを受け入れる覚悟があるか」だけです。
神格化されている「1HZ」も、現代の交通環境ではパワー不足を感じやすく、黒煙規制という厳しい現実を持っています。
最新の「1GD」はクリーンで力強いですが、DPF(排気ガス浄化装置)の詰まりやアドブルー補充という「現代病」と付き合わなければなりません。
本記事では、歴代ランクルを乗り継ぎ、地球12周分(50万km)を走破してきた私(編集長・大地)が、各エンジンの構造や耐久性はもちろん、カタログには絶対に載らない「音」「振動」「故障リスク」のリアルを暴露します。
「こんなはずじゃなかった」と後悔する前に、厳しい現実を知ってください。
この記事を読み終える頃には、あなたが本当に求める「エンジンの味」と、それを受け入れる覚悟が明確になっているはずです。
【この記事の要約(3秒でわかる不都合な真実)】
- 1GD(再再販): 実用トルク最強だが「DPF詰まり・アドブルー」の現代病リスクあり
- 1GR(再販): 高出力で静かだが「リッター5km・高額税金」の維持費地獄
- 1HZ(旧型): 耐久性お化けで音は最高だが「遅い・黒煙・補機類の故障」に注意
- 結論: 実用性なら1GD一択。旧型のロマンを追うなら「プロによる非公開在庫探し」が必須
なお、ランクル70(再再販モデル)の車両全体の全貌については、下記の記事で詳しく解説しています。

ランクル70エンジンの違いとは?歴代の心臓部を比較

ランクル70のエンジンは、誕生から40年の歴史の中で、各時代の排出ガス規制や市場のニーズに合わせて最適化されてきました。
しかし、どの時代のエンジンにも共通しているのは、
「地球の裏側から必ず生きて帰ってくる」ための頑丈さ
です。
まずは、主要な歴代エンジンの基本スペックと、リアルな評価を比較してみましょう。
【ランクル70 歴代エンジン スペック・耐久性比較表】
| エンジン型式 | 最大トルク / 実燃費 | 編集長評価 (耐久性) |
|---|---|---|
| 1GD-FTV (再再販) | 500Nm / 約9.0km/L | ○ (DPF注意) |
| 1GR-FE (再販) | 360Nm / 約5.0km/L | △ (維持費難) |
| 1HZ (旧型メイン) | 284Nm / 約8.0km/L | ◎ (耐久性神) |
| 1PZ (旧型一部) | 235Nm / 約9.0km/L | × (部品枯渇) |
ご覧の通り、単純な「エンジン本体の耐久性」だけなら旧型の1HZが圧倒的(◎)です。
しかし、現代の交通網をストレスなく走るための「最大トルク(力強さ)」は最新の1GDが他を圧倒しています。
もしあなたがこれから「実用車」としてランクル70を買うなら、迷わず最新の1GD(再再販モデル)を選ぶべきです。
一方で、「どうしても1HZの音が忘れられない」と旧型を探すなら、良質な個体はネットに出回る前に売れてしまうのが現実です。
整備状態の悪い個体を掴んでしまうと、購入直後から予期せぬ高額修理に悩まされることになります。
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比較のポイント:ガソリンとディーゼルの根本的な違いとは?
ガソリンエンジン(1GR)は高回転まで回して出力を稼ぐため、砂漠や高速道路での伸びに優れます。
一方、ディーゼルエンジン(1GD, 1HZ)は低回転から強大なトルク(粘り)を発生させるため、岩場や泥濘地での這いずるような走りに適しています。
「最高出力(馬力)」ではなく「最大トルク(Nm)」がどれだけ低い回転数で発生するかが、オフロードカーの心臓部を見る上での鉄則です。
「そもそも自分の用途にはガソリンとディーゼルのどちらが合っているのか?」
という根本的な選択を間違えると、日々の使い勝手で後悔することになります。
ランクル250やプラドの事例も交えて下記の記事で詳しく解説していますので、しっかり検討したい方はぜひ読んでみてください。


【1GD-FTV】最新ランクル70エンジンのトルクと振動の現実

2023年の再再販ランクル70(GDJ76W)に搭載されたのが、この「1GD-FTV」です。
プラドやハイラックスでも実績のある2.8L直列4気筒クリーンディーゼルターボエンジンです。
メリットを語る前に、まずは不都合な真実をお伝えします。
このエンジンは、
「DPF(微粒子捕集フィルター)の詰まり」と「アドブルー(尿素水)の補充」という現代病から逃れられません。
近所のコンビニへのちょい乗りばかり繰り返していると、ススが焼き切れずに警告灯が点灯し、最悪の場合はディーラーで数十万円の部品交換が必要になるリスクがあります。
圧倒的なトルクと引き換えの「現代病」
1600回転という低回転域から、500NmというV8ガソリンエンジン並みの強大なトルクを発生させます。
アクセルを軽く踏み込むだけで、2トンを超える巨体をグイッと前に押し出す感覚は、旧型の1HZでは絶対に味わえない力強さです。
しかし、このクリーンな排気と引き換えに電子制御と後処理装置を抱え込んでいるため、過酷な環境での「野戦修理」はほぼ不可能です。
最新技術の恩恵を受ける分、メンテナンスの重要性は増しています。
アドブルーの補充頻度のリアルや、警告灯を無視した際に起こる「エンジン始動不可・高額修理」という悲劇を回避したい方は、納車前に必ず下記の記事を読んでおいてください。

アイドリング音の真実
「直列4気筒」のディーゼルであるため、旧型の直列6気筒(1HZ)のような滑らかさはありません。
アイドリング時は「カラカラカラ」というよりも、「ガラガラガラ」という商用トラックに近い乾いた音が響きます。
これを「無骨で頼もしい」と捉えるか「少しうるさい」と捉えるかは、あなたの感性次第です。
【1GR-FE】再販ランクル70エンジンの圧倒的パワーと燃費の絶望

2014年の期間限定再販モデル(GRJ76K/GRJ79K)に搭載されたのが、「1GR-FE」です。
4.0L V型6気筒の自然吸気ハイオクガソリンエンジンです。
このエンジンの最大のデメリットは、
家計に重くのしかかる維持費の高さ
です。
街乗り実燃費はリッター5km前後。しかも指定燃料は「ハイオク」です。
さらに、4.0Lという大排気量ゆえに、毎年の自動車税は66,500円(※13年経過でさらに割増)にもなります。
砂漠を駆けるための高出力
燃費を犠牲にして得たものは、231psという高出力と、どんなに回しても壊れない中東の砂漠で鍛え上げられた圧倒的な耐久性です。
アクセルを踏み込めば、ディーゼルにはないスムーズな吹け上がりを見せ、高速道路の合流でも全くストレスを感じません。
V6ならではの静粛性と咆哮
アイドリング時は驚くほど静かで、振動もほとんどありません。
しかし、ひとたびアクセルを深く踏み込めば、「クォォォーン!」というV6特有の勇ましい咆哮を響かせます。
この音に魅了されて、あえて燃費の悪い1GRに乗り続けるオーナーが多いのも事実です。
燃費の悪さを「趣味の代金」として割り切れるなら、最高の相棒になります。
維持費を軽く見積もるのは危険です。
カタログには絶対に載らない1GRの極悪燃費の実測値や、具体的な年間ガソリン代のシミュレーションについては、下記の記事で正直に公開しています。

【1HZ】旧型ランクル70エンジンの「神」と呼ばれる耐久性

1990年から2004年までの国内販売モデルを中心に搭載されたのが、伝説の「1HZ」です。
4.2L直列6気筒の自然吸気(ノンターボ)ディーゼルエンジンです。
「100万キロ走れる」と神格化されていますが、現代の基準で言えば、
「交通の流れに乗るのが難しい」
のが現実です。
最高出力はわずか135ps。
高速道路の上り坂では、アクセルを踏み込んでもスピードに乗るまで時間がかかります。
さらに、NOx・PM法に適合していないため、首都圏などの規制地域内ではそのまま登録すらできません。
地球を何周もできる「耐久性お化け」
遅さと引き換えに手に入れたのは、究極の耐久性です。
ターボのような余計な過給機を持たず、低回転でゆっくりと回る構造のため、エンジン内部への負担が極めて少ないのが特徴です。
定期的にオイル交換さえしていれば、本当に数十万キロをノントラブルで走り抜けます。
直6が奏でる至高のディーゼルノック
1HZ最大の魅力は、その「音」と「振動」にあります。
直列6気筒ならではの完全バランスによる滑らかな回転フィールと、アイドリング時の「ルルルルル…」という重厚で心地よいディーゼルノック音。
このアナログな鼓動は、最新の電子制御エンジンでは絶対に再現できない、唯一無二の魅力です。
ただし、「ディーゼルは頑丈だから」とメンテナンスを怠れば、必ず寿命は縮みます。
1HZをはじめとするディーゼルエンジンを長くノントラブルで乗り続けるための秘訣や、致命傷になる前の「寿命のサイン」については、手遅れになる前に下記の記事で確認してください。

【1PZ】マニア垂涎!ランクル70の5気筒エンジンの独特な音

1HZの弟分として、ショートボディ(HZJ73など)の一部に搭載されていたのが「1PZ」です。
3.5L直列5気筒自然吸気ディーゼルエンジンです。
1HZからシリンダーを1つ切り取ったような構造のため、
直列5気筒特有のアンバランスな振動
があります。
また、1HZに比べて生産台数が圧倒的に少ないため、中古部品の調達に苦労する可能性が高いです。
当時、重すぎる1HZをショートボディに載せるとフロントヘビーになりすぎるため、軽量化とトルクのバランスを狙って開発されました。
「ドロドロドロ…」というアメ車のV8にも似た独特の排気音は、1PZでしか味わえない魅力を持っています。
【13B-T】ランクル70初期を支えた名機エンジン

1984年のデビューから初期のモデル(BJ70系)に搭載されたのが「13B-T」などのB系エンジンです。
3.4L直列4気筒直噴ディーゼルターボです。
現代の洗練されたターボとは異なり、「ある回転数に達した瞬間に急激に加速する」ような、昔ながらのドッカンターボです。
振動も騒音も大きめですが、その荒々しさこそが初期型ランクル70の真髄であり、コアなファンを惹きつけてやみません。
大地編集長のワンポイントアドバイス

歴代ランクルを乗り継いできた私から、購入を検討しているあなたへ、愛を込めた厳しい現実をお伝えします。
「1HZは神」というネット上の言葉を真に受けて、勢いだけで中古の旧型70を買うのはおすすめしません。
確かに1HZのエンジン本体は壊れません。
しかし、それは「エンジン内部」の話です。
オルタネーター、ウォーターポンプ、エアコンのコンプレッサーなど、周囲の部品は年数相応に確実に寿命を迎えています。
修理代だけで数十万円の出費が重なることは珍しくありません。
もしあなたが今旧型に乗っていて、「もう度重なる修理代に耐えられない…」と手放すことを考えているなら、そのままディーラーで下取りにするのだけは思いとどまってください。
ランクル70は、たとえ自走不能な状態でも、海外での圧倒的な需要により驚くほどの値段がつきます。
適当な下取りで済ませてしまうと、本来得られるはずだった数十万円以上の価値を逃してしまう可能性があります。
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今の交通の流れに乗る難しさや、古い車ゆえの手間。
それを「味」として受け入れ、トラブルも含めて愛せる覚悟がないなら、旧型には慎重になるべきです。
最新の1GDは、確かにDPFの詰まりリスクという爆弾を抱えています。
しかし、圧倒的なトルクで現代の道をストレスなく走り、家族を乗せて快適に遠出できる実用性は、間違いなく歴代最高です。
「過去のロマン」を追うのか、「現代の快適な力強さ」を選ぶのか。
エンジン選びは、あなたのカーライフの覚悟を決める第一歩です。
どちらを選んでも、ランクルは素晴らしい体験をもたらしてくれますよ。
ランクル70エンジンに関するよくある質問(Q&A)

まとめ:ランクル70のエンジンは「用途」と「覚悟」で選べ

最後までお読みいただきありがとうございます。
歴代ランクル70のエンジンの特徴をもう一度おさらいしましょう。
【用途別】ランクル70 エンジンおすすめ診断表
| あなたの用途・覚悟 | おすすめエンジン | 評価 |
|---|---|---|
| 家族でキャンプ・街乗りも快適に | 1GD-FTV (再再販) | ◎ |
| ガソリン代・税金は気にしない、速さ命 | 1GR-FE (再販) | ○ |
| ロマンとエンジン音を愛せる、一生モノが欲しい | 1HZ (旧型メイン) | △ (※維持難) |
迷ったら、現代の最適解である「1GD(再再販モデル)」を探すのが、実用面で一番後悔しない選択です。
しかし、「どうしても1HZや1GRのロマンを追いたい!」という方は、ネットの公開情報だけで探すのは注意が必要です。
状態の良い旧型ランクルは、非公開在庫の段階で売れてしまうことが多いからです。
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スペック表の数字だけでは、エンジンの本当の価値は分かりません。
あなたが車に求めるのは「ストレスのないトルク」なのか、「咆哮するパワー」なのか、それとも「アナログな鼓動」なのか。
自分の直感とライフスタイルに正直になって選んでください。
なぜ私がここまで厳しい現実を書くのか?
私の過去の高額修理の失敗談と、ランクルとの泥臭い車歴の全貌は、下記のプロフィールで赤裸々に語っています。

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▼ ランクル70(車種全体)の総合的な解説に戻る場合は、下記の記事を参考にしてください。


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