▼ この記事でわかること(要約)
- 「実質タダ」は過去の話。 3年で130万円の維持費という確実なマイナスからスタートする。
- リセール崩壊の引き金は「1年転売規制の解除」と「円高」のダブルパンチにある。
- ガソリンVX・サンルーフ・7人乗り。 この「3種の神器」がない個体は、輸出相場の恩恵を受けられない。
「ランクルなら、3年乗っても買った値段で売れますよ。実質タダで乗れるようなものです。」
ディーラーの営業マンにそう囁かれ、無理なローンを組んで判子を押そうとしていませんか?
ちょっと待ってください。その「神話」、半分は本当ですが、半分はあなたを破産させる猛毒が含まれています。
ハッキリ言います。コロナ禍のような「買った瞬間に数百万儲かる」異常なバブル相場は、すでに終わりました。
この記事では、自動車メディア編集長であり、歴代ランクルで酸いも甘いも噛み分けた私が、ディーラーが決して口にしない「3年後・5年後のリアルな暴落リスク」と、それでもなお賢く売り抜けるための「鉄板の出口戦略」を、忖度なしで暴露します。
【結論】3年後残価率は驚異の85%超えか。ただし「条件」がある

まず結論から言います。
ランクル250のリセールバリュー(残価率)とは、新車価格に対する買取価格の割合のことですが、これは一般的なSUV(3年後50〜60%)を遥かに凌駕する水準です。
しかし、グレードとエンジンの選択を1つでも間違えると、「輸出」という最強の武器を使えず、ただの燃費の悪い重い車として国内の中古車相場に沈むことになります。
編集部独自予想:残価率(リセールバリュー)推移
| 経過年数 | ガソリン (2.7L) | ディーゼル (2.8L) | 判定・戦略 |
|---|---|---|---|
| 1年後 | 105% 〜 120% | 100% 〜 110% | 即出し注意(転売規制あり) |
| 3年後 | 85% 〜 95% | 80% 〜 90% | 売り時(初回車検前) |
| 5年後 | 70% 〜 80% | 65% 〜 75% | 売り時(メーカー保証切れ) |
| 7年後 | 50% 〜 60% | 55% 〜 65% | 輸出関税の壁により下落開始 |
※免責事項
上記は過去のプラド(150系)およびランクル300のAA(オートオークション)相場推移、現在の為替(1ドル=150円前後)を考慮した編集部独自の予測値です。将来の買取額を保証するものではありません。売却判断は自己責任で行ってください。
なぜ「ガソリン車(VX)」が最強なのか?
それは、パキスタンやバングラデシュなど、新興国への輸出関税ルールが関係しています。
輸出関税ルールとは、相手国が輸入車に対して課す税金の仕組みのことです。250系の中核を担う2.7Lガソリンエンジン(2TR-FE)は、単純な構造で故障に強く、かつこの関税区分で有利な地域が多いため、海外バイヤーからの「指名買い」が入りやすいのです。
ディーラーが言わない「リセール崩壊」3つのトリガー

ここからが本題です。夢見心地のあなたに、冷や水を浴びせるような「不都合な真実」をお伝えします。
いくらランクルと言えど、以下の条件が重なれば相場は一気に崩壊し、あなたは数百万円の借金を背負うことになります。
1. 「1年転売規制」解除による市場飽和(供給過多)
トヨタは転売対策として「誓約書(1年間は売却しない)」を求めています。これが解除される「納車から1年1ヶ月後」のタイミングで、一斉に「小銭稼ぎ」を目論んだユーザーが中古車市場に車を放出します。
オークション会場に同じ車が何十台も並べば、バイヤーは買い叩きます。「みんなが売りたい時」は「一番安くなる時」です。
2. 「円高」という回避不能なリスク
海外輸出に依存しているランクルの相場は、為替と完全に連動しています。
現在のような円安(150円台)ならウハウハですが、もし急激な円高(110円台など)に振れれば、海外バイヤーの仕入れ力は激減します。
計算してみてください。500万円の車の場合、為替だけで100万円以上価値が吹き飛ぶことになります。これは個人の努力ではどうにもなりません。
「実質タダ」の嘘。維持費という名の確実なマイナス

「高く売れるから維持費も賄える」と思っていませんか?
甘いです。3年間所有した場合の「固定費」をシミュレーションしてみましょう。ここは目を背けずに数字を見てください。
ランクル250(2.7L ガソリン) 3年間の維持費概算
| 項目 | 金額(3年計) | 備考 |
|---|---|---|
| 自動車税 | 約15.3万円 | 51,000円 × 3回 |
| 重量税 | 約4.9万円 | 新車時(※エコカー減税なしの場合) |
| 自賠責保険 | 約2.8万円 | 37ヶ月分 |
| 任意保険 | 約45万円 | 車両保険必須(料率クラス9〜10想定) |
| ガソリン代 | 約51万円 | 実燃費7km/L、月1000km走行、170円/L換算 |
| メンテナンス | 約10万円 | オイル交換(半年毎)、エレメント等 |
| 合計 | 約129万円〜 | 駐車場代・ローン金利を含まず |
いかがでしょうか。
たとえ3年後に「新車価格と同じ額」で売れたとしても、あなたは3年間で約130万円の現金を失っています。
「実質タダ」というのは、リセール益がこの130万円をも上回った時(つまりプレ値で125%以上ついた時)だけの話です。今の落ち着きつつある相場でそれを期待するのは、あまりにリスキーなギャンブルと言わざるを得ません。
それでも損したくない人のための「鉄板仕様」

リスクを理解した上で、それでも傷を浅くし、あわよくば利益を出したいなら、「海外バイヤーが欲しがる仕様」を完璧に再現するしかありません。
これは趣味ではありません。投資のポートフォリオを組む作業です。
必須の「3種の神器」
- ムーンルーフ(サンルーフ)
- これが無いだけで、査定額が30〜50万円下がることもあります。絶対に付けてください。悩む余地はありません。
- 内装色
- 基本は「ブラック」が無難ですが、中東やアジアの一部では明るい「ダークチェスナット」も人気です。ただし、輸出先が絞られるリスクも考慮し、鉄板は黒です。
- 7人乗り(3列シート)
- 関税の関係で、商用車扱いではなく乗用車扱いとなる7人乗りの方が、輸出先の選択肢が広がります。5人乗りを選んだ時点で、輸出の対象から外れる国があります。
【編集長】大地のワンポイントアドバイス

「車は株券ではない。泥だらけの相棒だ。」
正直に言おう。私は「リセール目当て」だけでランクルを買う人をあまり信用していない。なぜなら、そういう人は相場が少し下がっただけでパニックになり、大事な愛車を安値で手放してしまうからだ。
以前、ランクル300のバブルが弾けた時、私の友人が真っ青な顔で相談に来た。「今売らないと損する」と震えていた。
私は彼に言った。「損得で乗るなら、今すぐ軽自動車に乗り換えろ。ランクルは、その巨体で家族を守り、道なき道を走るための道具だ」と。
一番強いのは、「相場が下がろうが、この車が好きだから乗り続ける」と腹を括っているオーナーだ。
皮肉なことに、そういう人が結果的に一番長く乗り、気がついたら円安の波に乗って高値で売れているものだ。
目先の数十万に一喜一憂するな。大地を踏みしめて走る、その体験にこそ価値があるのだから。
リセール・輸出についてさらに詳しく知る

賢いオーナーは、点ではなく線で知識を武装します。ここで紹介した「輸出」や「色」の話は、以下の詳細記事でさらに深掘りしています。
▼ なぜマレーシアとパキスタンなのか?
輸出先の国によって、求められる装備は全く異なります。規制の「年式縛り」を知らないと、売るタイミングを逃します。
【輸出規制と仕向け地】マレーシア・パキスタン行きの条件とは?
▼ 「白」と「黒」で数十万の差が出る?
リセール最強のボディカラーは、実は地域によってトレンドがあります。サンドベージュのリスクについても解説しています。
【色の正解】ランクル250人気色ランキングとリセールバリューへの影響
▼ ZXとVX、本当に得なのはどっち?
最上級グレードのZXが良いとは限りません。リセール率(%)で見た時の勝者を徹底比較しました。
【グレード比較】ZX vs VX vs GX 買うべきグレードの最終結論
よくある質問(Q&A)

まとめ:まずは「今の価値」を知ることから

ランクル250は、乗って楽しく、売って頼もしい、最高の資産です。
しかし、その価値を最大限に引き出すには、ディーラーの下取りに思考停止で出すのではなく、市場の適正価格を常に把握しておく必要があります。
- 「実質タダ」の甘い言葉を疑え。 維持費130万のマイナスからスタートする覚悟を持つ。
- ガソリンVX・7人乗り・サンルーフで防御力を高めろ。
- 為替と輸出規制を注視し、暴落の予兆を察知しろ。
私たちは「大地のコンパス」の読者です。盲目的に流行りに乗るのではなく、地図を読み、コンパスで方角を定め、賢く立ち回るオーナーでありましょう。
「自分の車、今いくらだろう?」
そう思ったら、まずは一括査定で現状の価値を確認してみてください。意外な高値が付いて、次のカスタム費用の捻出や、万が一の時の「命綱」になるかもしれません。
あなたも、今の愛車の価値を調べてみませんか?
もし予想以上の金額が出たら、コメント欄でぜひ教えてください。共にランクルの未来を語り合いましょう。
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執筆・監修:大地(Daichi)
『大地のコンパス』編集長。歴代ランドクルーザーで地球12周分(50万km)を走破。カタログには載らない「維持費の痛み」と「走る喜び」を伝える現場主義者。

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